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「社員にどういう仕事をさせるべきか?」2024年4月23日号



お世話になります。

一般財団法人日本アントレプレナー学会の清水です。

先日来ご案内しております仕組み経営サミットに新しい内容を追加しました。

これまで自身の会社に加え、数多くの会社の仕組み化をご支援してきた勝亦(仕組み経営株式会社代表)より、

「仕組み化を成功させる3つの要素」をご紹介します。

仕組み化にご興味ある方は増えているものの、なかなかうまく行かない方も多いのではないでしょうか。

私たちは、「仕組み化のジレンマ」という言葉を使っているのですが、

仕組み化すればラクになるが、仕組み化するのが大変である、という事実があります。

そこで現場で仕組み化をご支援してきた経験から、仕組み化を実践するために必要な3つの要素についてご紹介します

ぜひ以下からサミットの詳細をご確認のうえ、お申し込みください。

詳細&お申込みはこちら:
https://lp.shikumikeiei.com/summit202406/
(早割中)



さて、本日は「全社員が行うべき2種類の仕事」というお話をご紹介します。

会社を仕組み化していく際、会社の理念や目標を達成するために必要な職務の設計を行います。

簡単にいえば、どのポジションの人がどういう仕事をするか?を決めるわけです。

多くの人依存で混乱している会社の場合、この職務の設計が出来ていないために仕事が混乱し、生産性が下がってしまいます。

野球で例えるならば、ファーストとセカンドが担うべき仕事が明確になっていない状態です。

そのため、飛んできたボールを二人で追いかけたり、逆に二人ともボールを取りに行かなかったりと、混乱が生じ要るわけです。


■職務の設計次第で、効率的に仕事が出来るかどうか、また社員のやる気が出るかどうかも決まってくるため、とても大事なのです。

そこで今日の話になるのですが、全ての職務には二つのタイプの仕事を設定する必要があります。

戦術的仕事と戦略的仕事です。

まず戦術的仕事から見ていきましょう。

戦術的仕事というのは、例えばモノやサービスを販売する仕事、買ってくれた商品を配達する仕事、お金を計算する仕事、部下の仕事にフィードバックを与える、人を採用する、お金を計算する、など、実際に手足を動かす仕事をさします。

これは分かりやすいですね。

戦術的仕事は、事業を遂行する上で日々やらないといけないので当然大事です。

■一方、戦術的仕事だけやっていては、ギリギリ現状維持できるだけであり、会社の成長にはつながりません。

そこでもう一つの戦略的仕事が必要になります。

戦略的仕事は、事業モデルを作る、計画する、組織作りをする、会社のルールを作る、こういった、自分やみんながどう働くかを設計する仕事になります。

基本、人は放っておくと戦術的仕事にだけにのめり込みますので、戦略的仕事は意識的、強制的に行う仕組みを創ることが大切です。

原則として、経営層に近づくほど、戦略的仕事が多くなります。しかし、一般社員やアシスタント職に至るまで、全ての人が戦略的仕事と戦術的仕事の二つを行うように職務の設計を行うことが大切です。

戦術的仕事を行うだけでは、仕事がただのルーティンになり、社員のやる気がそがれ、生産性が下がります。これはでは社員の力を100%活用していると言えません。

戦略的仕事に取り組むことで、社員の創造性や改善意欲を引き出すことが出来、100%の力を活用できます。

■また、経営層は戦略的仕事の比率を多くする必要がありますが、実際には戦術的仕事に埋没しているケースが良くあります。

日本を代表する社長の1人である柳井正氏は、次のように語っています。

”社長が経営していない人が非常に多い。コーディネートや調整みたいなことは非常にやられているが、世の中がどんどん変わっている中で、会社自体を変えていかないといけない。そう思ったら自分自身がエンジンにならないといけない。あるいはリーダーにならないといけない。それと、会社の方向性、将来こちらの方に向かう、その具体策、今年はこれをやる、今月はこれをやる、今期はこれをする、今日はこういうことをしようという方針が見えていない会社が多い。”


ここでおっしゃられている、コーディネートや調整みたいなことが戦術的仕事に当たると考えられます。それをやっているだけで経営をしている気になってはいけない、ということです。

また、世界一有名なコンサルティング会社、マッキンゼーの元CEO、マーヴィンバウワー氏も次のように語っています。

”事業を経営することと業務上の判断を下すことが、まったく別物であることは、誰しも認めるだろう。後者は、上はCEOから下は現場主任までマネージャーなら誰でもする仕事である。だが地位が上がるにつれて、経営の仕組みを整え改善することが、次第に重要な任務となってくる。自分のところに上がってきた問題を処理する、部下を選別する、部下のした仕事を評価あるいは調整する、部下を指導する・・・といった仕事に没頭しているだけでは、責務を完全に果たしたとはいえない。”

自分のところに上がってきた問題を処理する、部下を選別する、部下のした仕事を評価あるいは調整する、部下を指導する・・・といった仕事がまさに戦術的仕事です。

このように、特に経営層は強制的に戦略的仕事をする時間を創ることが大切です

実際にどういう仕事が戦略的で戦術的なのかは業種業態によります

以下では、一般的な例を見てみましょう。

【経営層】

戦略的な仕事:

  • 会社の長期ビジョンと経営理念の策定
  • 中期経営計画や事業戦略の立案
  • 資本政策、M&Aなどの重要な意思決定
  • 事業ポートフォリオの最適化
  • 後継者育成や経営体制の構築


戦術的な仕事:

  • 重要顧客への対応とトップセールス
  • 重要人材の採用と登用
  • 資金繰り管理とキャッシュフロー確保
  • 管理層へのメンタリングや指導


【管理層】
戦略的な仕事:

  • 部門の中期計画や年度方針の策定
  • 課題解決に向けた改善活動の主導
  • メンバーの育成と適切な業務分担
  • 予算管理と効率的な資源配分
  • 他部門との連携体制の構築


戦術的な仕事

  • 日々の業務進捗の管理とフォロー
  • メンバーへの指示、助言
  • 顧客対応や営業活動のサポート
  • 問題発生時の初動対応と調整
  • 定例会議の運営とコミュニケーション


【一般層】

戦略的な仕事:

  • 自部門の目標や計画への理解と貢献
  • 業務の効率化やプロセス改善への提案
  • スキルアップと専門性の向上
  • 後進の育成や知識の共有

戦術的な仕事:

  • 与えられた業務の確実な遂行
  • 顧客対応やクレーム処理
  • 日々発生する問題への対処
  • 上長や関係部署との連絡調整
  • 各種業務報告や資料作成

といった感じでしょうか。

こんな感じで全ての人が二つのタイプの仕事を行うことで、目の前の仕事を着実にこなしつつ、全体の成長に貢献することが出来ます。

ぜひあなたの会社の職務内容を見直してみてくださいね。

では本日は以上となります。

引き続きよろしくお願いいたします。



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