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「現場に入る≠現場主義」2024年4月5日号



お世話になります。

一般財団法人日本アントレプレナー学会の清水です。

先日、仕組み経営サミットのご案内をさせていただきました。

今回のサミットでは、特別ゲスト講師として、シンクアイホールディングスの京谷様をお招きすることが出来ました。

とある出会いから京谷様のお話をお伺いする機会があり、幼少期からの厳しい生い立ちにもかかわらず起業され、後には稲盛経営賞を受賞されるまでになられたことを知りました。

私が感銘を受けたのは、フィロソフィ(哲学)と仕組みを融合させるという概念でした。

これは私が師事してきたマイケルE.ガーバー氏が目指してきたことであり、京谷様はそれを実践されてきたのだと思ったのです。

そこで今回のご登壇をお願いしたところ、受けていただくことになりました。当日は質疑応答の時間もいただく予定ですので、ぜひ楽しみにされていてください。

詳細&お申込みはこちら:
https://lp.shikumikeiei.com/summit202406/
(期間限定、超早割中でのすのでお早めにご確認ください)




さて、仕組み依存の会社を実現するためには、現場の仕事は可能な限り任せ、経営リーダーは会社の未来を形作り、それを実現するための仕組みづくりに取り組む必要があります。

とはいえ、

  • 社員に任せると品質が落ちる。
  • 自分が営業をしないと売り上げが落ちる。
  • 人が入ってきては辞め、いつまでも現場から抜けられない。
  • 現場を任せても不安、心配が付きまとう。

と言ったような悩みもあろうかと思います。

というわけで、今日は社長が現場に入る(抜ける)際のポイントを見ていきたいと思います。


■いつから現場を抜けるか?

まず、幼年期(ほぼ創業メンバーだけで運営している段階)では、当然ながら社長が現場で働かなくてはなりません。

社長が現場で試行錯誤し、顧客を満足させながら収益を上げるやり方を見つけるわけです。社長が現場から抜けるべきは、青年期に入ってきた段階から(社長の他に管理者クラスが生まれ始めた段階から)です。

ちなみに私の師匠のマイケルE.ガーバー氏は、最初はコンサルタントとしてスタートしましたが、クライアントに教えている仕組み化を自ら実践し、2年で現場を抜けました。その後は会社を成長させる経営者の役割に専念していきました。

私もそれに倣って、自分で講座をやったりするのは最初から最小限にしていました。その結果、私よりもはるかに上手く講座を出来る人が生まれたことは幸いでした。



■現場で働く≠現場主義

現場主義が大事、というのはよく聞く話ですね。だから自分も現場で働いているんだ、という方もいるかもしれません。

たしかに、本田宗一郎氏などの名経営者は、会社が相当な規模になっても現場で技術者と一緒に働いていたと言われています。

ただ、私たちが勘違いしてはならないのは、本田宗一郎氏は、起業家として夢を追いかけながらも、自ら望んで現場で働いていた、ということです。一方、多くの中小・成長企業では、自ら望んで、というよりも、自分がいないと回らないから、という理由で社長が現場で働いています。

現場に出入りしている名経営者は、自分が現場に行くことによって、顧客の要望を把握したり、高い基準を設定したり、社員を励ましたり、理念を伝えたりすることで、会社に魂を吹き込んでいるのです。

現場で働くというのは、社長が現場担当者の帽子をかぶって働くことです。

一方の現場主義は、 社長の帽子をかぶって現場に行き、情報を集めたり、高い基準を設定することを言います。

物理的に社長が現場にいるという点は同じであっても、なぜそこにいるのかという点で異なります。


■現場に入るときのポイント

現場を抜けたくても社員の離脱や業績の低下で自分が入らないといけない、ということもあるでしょう。

その際、仕組み依存の会社を創り上げるのであれば、いくつか念頭に置いておきたいことがあります。



1.現場で働く時は、現場のルールに従う

社長が現場で働いているときには、もう社長ではありません。担当者と同じ扱いです。したがって、担当者が従っているルールに従わないといけません。つまり、特権階級的な立場を作らないことです。これは規律を保つためにとても大事なことです。



2.一時的に現場担当者の帽子をかぶっていることを忘れない

社長を野球チームの監督とするならば、たまたまファーストのケガで欠員になっているために、そのポジションを肩代わりしている、ということを忘れないようにします。頭の中に組織図を思い描き、自分は今一時的に組織図のこの役割を担っている、と理解しながら働くことです。



3.仕事の試作モデルを作りながら働く

現場で働いている間、どうすればこの仕事を仕組み化できるか、自分じゃなくても同じように成果を出せるか?ということを考えながら働きましょう。言い換えると、仕事の試作モデルを作りながら働くことです。

例えば、最初、私が講座をやっていたとき、講座の各パートにどれくらい時間がかかるのかをスマホのストップウォッチで測り、自分にしか語れないような話はしない、などといったことを心がけました。あとから講座の開催方法をマニュアル化するためにそうしていたのです。

つまり自分がやっている仕事を他の人に渡す、という前提でやることです。これは現場の仕事のみならず、全ての仕事に当てはまります。

現場に入る場合には、このようなことを考えながら働くことで、現場を任せる準備が出来ます。



というわけで、今日は社長が現場に入るときのポイントをご紹介しました。

ぜひご参考にされてください。



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