今回は、Appleのビジネスモデルがテーマです。
iPhoneを皮切りにGAFAの一つのテックジャイアントとしてIT業界に圧倒的地位を築くAppleですが、iPhone以外にも多くのサービスを提供しています。
そんなAppleのビジネスモデルや経営戦略について、詳しく解説していきます。
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Appleのビジネスモデル
Appleのビジネスモデル概要
Appleのビジネスモデルは、製品とサービスに大きく分類されます。
製品とは、iPhone等の物理的商品のことで、サービスとは、Appleミュージックなどのサブスクサービス等の無形商品を指します。
Appleのビジネスモデルを支える大きな柱は、製品群であるiPhoneです。しかし、2019年のiPhoneの売上は全体の54%を占めているものの、iPhoneの売上は2018年から2019年にかけて減少しています。
ただ、Appleは製品群の中でもiPhoneに頼らないテックアクセサリ(特にAirPods)やウェアラブルデバイスで売上を大きく伸ばし、2019年の売上は244億ドル、2018からの成長率は41%にも上ります。
サービス群においては、利益率が非常に高いサブスクサービスやデジタルコンテンツ等を持っています。
Appleの製品
Appleの製品は、以下のAppleラインが主流です。
- iPhone
- iPad
- Mac
また、ウェアラブルのApple Watch、AIスピーカーのHomePod、アクセサリーデバイスのAirPodsが2019年のAppleの収益の10%を占めています。
Appleのオペレーティングシステム
Appleの製品は、すべてAppleのオペレーティングシステムで動いています。
- iOS
- macOS
- watchOS
- tvOS
このApple独自のオペレーションシステムが、デバイスへの縛り、アップル製品ライン縛りを生み出し、リピーター率の向上を生み出します。
事実、AirdropなどApple製品同士でしか使えない機能等が存在し、デバイス間の親和性の高さから、スマホがiPhoneならPCはmacというようなAppleびいきに発展していくのです。
Appleのサービス
Appleのサービス群では、次の商品が主流です。
- デジタルコンテンツとサービス(Apple musicなど)
- iCloud
- Apple Care
- Apple Pay
Appleのサービス群の収益は、近年大幅に成長しており、2019年には全収益の18%にまで登ります。
中でも興味深いのが、サービスの利益率の高さです。
利益率でみると、iPhone等のデバイス系製品よりも高く、Appleが物売りからプラットフォームビジネスへシフトしてきていることがわかります。
Appleの時価総額
Appleの時価総額は、現在(2021年2月時点)で2兆ドルを超えています。
2019年には3兆ドルに達しており、アナリストの予想では5G等の普及により、2022年には再び3兆ドルを超えるのではないかといわれています。
この規模の大きさはアメリカのGDPを考えると明らかです。
2019年のアメリカのGDPは21兆ドル強であり、Appleの時価総額は同年1月で3兆ドルです。つまり、アメリカ経済の生産の6%をAppleが代表しているということです。
Apple以外のテックジャイアントであるGoogleとAmazonも同時に考えると、2019年時点でアメリカのGDPの15%に相当します。
もちろん、近年のテック企業に対する政府の規制が強まれば、彼らのサイズは縮小する可能性はあります。
しかし、私たちはデジタルの時代に生きています。政府の規制が入っても、恐らくAppleの成長は止まらないでしょう。
Appleの経営戦略- ディストリビューション戦略
Appleの経営戦略について、ディストリビューション戦略が特徴的です。
Appleは、製品を大きく2つの方法で販売しています。
1つは、オンラインストアや小売店を通じて、直接マーケットに販売をする直販モデルです。
もう一つは、サードパーティーのリセラーに売ってもらう、ディストリビューションチャネルを利用した間接的販売モデルです。
Appleの代理店には、通信キャリアや卸売販売業者、小売業者、その他Apple製品に更なる付加価値を加える再販事業者もあります。
2017年、会社の純利益の内訳は、それぞれ直販が28%、ディストリビューションチャネルが72%でした。
こうしてみると、Appleの売上がディストリビューションチャネルに頼っていることは明らかです。
Apple自体が営業に力を入れずとも、売れる仕組みを作り、Appleはより上流の工程、研究開発やマーケティングに注力し、さらに仕組みを向上させているということです。
Appleのビジネスモデルまとめ
最後に、Appleのビジネスモデルは、下記のようにまとめられます。
①Apple製品:
製品ラインはiPhone、iPad、Mac、ウェアラブル端末、ホーム、アクセサリデバイスで構成させている
②Appleのサービス:
サービスビジネスは、主に次の5つで構成されています。
- デジタルコンテンツストアとストリーミングサービス:アップストアでの購入か、AppleミュージックやAppleTVのようなサブスクリプションサービス
- 端末保守サービス:AppleCare+などの保証サービスで、月額の料金体系で端末の修理費を保守するパック
- Appleのクラウドサービス:iCloud
- ライセンシング:Appleが特許を取っているサービスや知的財産の使用に関してお金を取っている
- その他サービス:Apple Arcade(ゲームのサブスクサービス)、Apple Card(クレジットカード)、Apple News(ニュースと雑誌のサブスクサービス)、Apple Pay
③Appleは製品とサービスに分類される多角化ビジネスモデルを採用している
④iPhoneの売上が全体の半分を占めているが、サービス群の売上が急激に伸びている
⑤サービスビジネスは製品セクションよりも利益率が高いため、Appleは今後サービスセクションの成長に注力する可能性がある
⑥iPhoneの売上は2019年に前年比マイナスであったが、テックアクセサリ(Airpods等)の売上上昇で相殺している
⑦テックアクセサリビジネスの売上は244億ドルのびじねすにまで成長している(2019年)
いかがだったでしょうか?
AppleはiPhoneに頼らない多角的なビジネスモデルを持ち、年々成長し続けています。
その裏には、ディストリビューションモデル等の売れる仕組みづくりが隠されていました。
それでは、今回は以上になります。