今回のテーマは美容室の経営・マネジメントです。
人口が減少する中で、年々全国の店舗数を増やし、今やコンビニよりも数が多い美容室。
競争が日々激化していることが伺えます。
そんな厳しい状況の美容室経営ですが、経営が失敗する理由は実はオーナー自身にあるのです。
本記事では、美容室経営者によくある失敗と儲かる美容室経営を行うための3か条を紹介します。
ぜひ最後までご覧ください!
美容室経営者のよくある失敗4選
個人経営の小さな美容室経営者によくあるマネジメントに関する失敗パターンを4つ紹介します。
美容室経営の失敗①経営者が多忙すぎる
経営者が現場の業務に手一杯で経営に関する仕事に注力できていない状態です。
個人経営の小さな美容室によく見られるのですが、お店をオープンして繁盛してくると従業員が少ないことも相まって経営者が現場に出詰まりになってしまいます。
そうすると、マーケティングや経理・成長戦略・採用といったマネジメント業務にあてられる時間はなくなり、経営者と従業員の精神的・肉体的負担は大きくなる上に、何か問題が起きた時に対応できる体制がないために経営が不安定な状態となります。
特に従業員の入れ替わりが激しい美容室業界では、このような状況下で従業員に辞められたら経営を続けることができなくなってしまうでしょう。
美容室経営の失敗②従業員に裁量権がない
従業員が自分の判断で物事を決めることができず、経営者に決定権を全て委ねている状態です。
自信の負担を減らすためにせっかく従業員を雇っても、一々経営者に指示を求められては経営者の負担は全く減らず、結局現場から経営まで全ての業務を経営者が担うことになってしまいます。
このような状態は、従業員が自分の判断かつお店にとって一番良い決定ができる判断軸がないことが原因となります。
そしてこの場合もまた、経営者は経営の仕事に割く時間を取ることができません。
美容室経営の失敗③経営理念がない
美容室経営に経営理念は必要なのか?と考える方もいるでしょうが、どんなビジネスにもビジョンや理念は必要です。
というのも、経営理念がないとビジネスは向かう方向が見えません。
目的地なき航海にルートも計画もたてられないのと一緒で、美容室経営にも目的がないと経営戦略や計画も立てられません。
更に、経営理念は経営に関する意思決定をする際の判断軸となるので、理念がない場合は一貫した経営方針を打ち出すことができず、不安定な経営や従業員を混乱させることにも繋がります。
美容室経営の失敗④財務管理ができていない
経営において欠かせない仕事が財務・経理です。
どんなに小さな美容室においてもそれは同じで、経営者がしっかりと財務に関する知識を勉強して、お店の財務状況を把握しておくことはとても大切です。
財務や経理担当のマネージャーを雇うのもいいですが、経営者自信も必ず最低限の財務管理は行っておきましょう。
というのも、財務状況を把握しておかなくてはお店の問題点がわからず、有効な経営/マーケティング戦略が立てられないためです。
単に銀行口座のキャッシュフローだけをチェックするのではなく、固定費・変動費に分けた費用、売掛金・買掛金も含めた収入と支出をしっかりと見て、財務計画を立てて行きましょう。
以上の4つが美容室の経営マネジメントによくある失敗例でしたが、4つには一つの共通点があります。
それは、オーナーが”経営者としての仕事をしていない”ことです。
彼らは経営者ではなく、職人なのです。
つまり、美容室経営成功への第一歩は、職人を脱して経営者・起業家となることなのです。
儲かる美容室経営者の3ヶ条
では、うまくいく・儲かる美容室の経営のためには具体的に何をすればいいのでしょうか?
儲かる美容室経営者の3ヶ条を紹介します。
第1ヶ条:美容室経営を仕組み化する
経営の仕組み化とは、人が独自に考えて行っていた仕事や業務のプロセスをマニュアルなどに落とし込み、誰でも再現できるようなシステムを作ることを言います。
仕組み化は、新規顧客への接客対応や予約受付といったマニュアル化しやすい業務から財務やマーケティングといった少し複雑な業務まで、経営に関するあらゆる仕事に適応することが可能です。
経営を仕組みに落とし込むことで、美容室経営者は従業員により多くの仕事を任せることができるようになり、本来経営者として注力すべき、より創造的な仕事に割く時間を増やすことができます。
また1つの店舗である程度仕組みが出来上がったら、それを横展開すればいいので、店舗を増やすのも、複数店舗を運営するのもとても簡単になります。
経営者がお店に出なくも美容室が勝手に成長していく状態を作ることも夢じゃありません。
第2ヶ条:経営理念・コアバリューを考える
上述したように、理念やコアバリューは美容室であろうと経営にとってとても大切です。
「どうやって理念を考えたらいいかわからない」という人は、まずは自分の人生の目標は何かをじっくり考えてみてください。
死ぬ時にどうなっていたいか、10年後、20年後にどうなっていたいかを考え、その中で自分の美容室がどのような役割を果たすのか?美容室経営を通じて何を成し遂げたいのかを考えてみてください。
難しいテーマではありますが、自分の過去を振り返ってみて、大きな決断をした時にどのような判断軸で意思決定をしていたのか?といった疑問を自身に投げかけることから始めてみるのもおすすめです。
一度ドラフトが出来たら、従業員に共有してみてフィードバックをもらうのも良いでしょう。
以下の記事も参考にしてみてください。
しかし、理念やビジョンは作るだけでなく浸透させることが重要です。
そのためには、経営者自身が常に理念を写す鏡となり、見本となることはもちろん、採用や人材育成のプロセスで理念を最重要視すること等が重要です。
経営理念やコアバリューが浸透している組織では、従業員が理念に沿ってそれぞれ意思決定を行えるため、マネジメントもやり易くなります。
※理念やバリューを元にした経営はアメリカの通販会社ザッポスの事例がとても参考になるので是非こちらもご覧ください。
「ザッポスについて完全解説(ザッポスのコアバリューから採用、ホラクラシーまで)」
第3ヶ条:組織図を作る
美容室なのに組織図はいらないのでは?
そう考える方もいらっしゃるでしょう。
しかし、ここで言う組織図とは今現在の組織図ではなく、美容室が成長した時の未来の組織図を指しています。
未来の組織図が出来たら、一歩ずつ現在の組織を未来の組織へと近づけていけばよいのです。
また、組織図を作ることで、美容室ビジネスに必要な人材やポジション、そして現在の従業員それぞれの役割が明らかになり、仕組みも作り易くなります。
組織図はいわば理念で設定したゴールにたどり着くための地図です。
地図に沿って組織を実装すると同時に、ビジネスもどんどん成長していくでしょう。
美容室経営の成功事例とまとめ
最後に、成功した美容室経営の事例を紹介します。
美容室「STORIA」の小濱格さんは、仕組み化で美容室経営を大成功させました。
過去にインタビュー記事を掲載したので以下からご覧ください。
いかがだったでしょうか?
失敗しない美容室経営には経営者が経営者としての仕事にしっかり取り組むことがとても大切です。
”目の前のお客さんをどれだけ綺麗にするか”ではなく、”どれだけ沢山の人を綺麗にするか”といった経営者としての視点を持つことがうまくいく美容室経営の第一歩となるでしょう。