スティーブジョブズの最大の功績はiPhoneじゃない?



今回は、アップル社の元CEOスティーブ・ジョブズ氏の功績がテーマです。

スティーブ・ジョブズはiMacやiPhoneを生み出し、アップルを世界一のテック企業に押し上げました。

そんなスティーブ・ジョブズの最大の功績は、実はMacでもiPhoneの開発でもないのです。

本記事は「仕組み経営」の目指すテーマのひとつである会社の永続性についても繋がってくる内容ですので、
是非スティーブ・ジョブズの経営者としても素晴らしさにも注目しながらご覧ください。

スティーブジョブズが本当に優れたリーダーだった理由

優れたリーダーは現役時代に実績を出します。しかし、さらに優れたリーダーは自分が去った後に業績を上げます。

たとえば、次のグラフをご覧ください。アップル社の業績推移です。

引用:Business Insider
スティーブジョブズが死去したのは2011年

グラフを見るとわかるとおり、アップル社は、スティーブジョブズが去った2011年も業績を上げ続けています。

むしろ、彼が去ってからのほうが業績の伸びが著しい、と言ったほうが良いかも知れません。彼は現役時代に実績を出しましたが、さらに大事なことに、自分が去った後も、業績を上げ続ける会社を創ったのです。

スティーブジョブズがアップル製品に残した功績

スティーブジョブズ氏は一度、アップル社を追われてから1997年に同社に返り咲きました。

それから間もなく、iMacシリーズを世に送り出し、アップル社と自分自身の復活をアピールしました。

実際、アップル社をことをこのiMacシリーズで知った、という人も多いのではないでしょうか。iMacのカラフルなデザインは、従来の地味なパソコンのイメージを一新し、普通の人でも(使い道が良くわからないまま)買ってみようかな、と思わせるものでした。

その後、iPodをリリース。iPodだけであれば、ウォークマンの進化系の商品、というだけに過ぎなかったと思います。しかし、彼は、そこにiTunesという音楽のオンラインプラットフォームを構築します。これによって、アップル社は、単に音楽再生機器を提供するだけではなく、音楽業界を一変させることに成功しました。

ジョブズは、iPhoneリリース時にも同じことをやりました。単におしゃれな端末を販売するのではなく、App Storeをリリースし、プラットフォームを作り上げました。

この構図は、マイクロソフトがパソコン業界で行ったことと同じです。パソコンという機器だけでは、どこのメーカーも似たり寄ったりで、違いが分かりにくいものです。そこにWINDOWSというアプリケーションソフトウェアを走らせるプラットフォームを提供し、競争のルールを変えたわけです。

このように、ジョブズはアップル社を、メーカーではなく、プラットフォーム企業として生まれ変わらせたことに大きな功績があります。

スティーブジョブズ最大の功績とは

一方、「スティーブジョブズの最大の功績は?」と問われたら、私は”アップルという会社”を創り上げたことそのものだと思います。

スティーブジョブズ以外にも、彼ほどではないにしろ、カリスマ的な経営者は多いです。日本でも創業者のカリスマ社長が一代で築き上げた会社はたくさんあります。みんなその成功ストーリーに魅了されるわけです。

一方、カリスマ社長にはワナもあります。それは、彼らが一線を退いてしまったら、会社の業績が落ち込んでしまう、ということです。いま事業承継に悩む会社が増え続けていますが、それもこれが理由です。会社の経営がカリスマ社長に依存、つまり「人依存」であるために、社長が抜けたら、成り立たなくなってしまうのです。

この辺はポッドキャストでも話していますのでぜひご視聴ください。

スティーブジョブズの最大の功績は何と言っても、彼が在籍中に、

”自分がいなくなっても成長できるようにするための仕組み”

を創っていたことです。

より具体的にいえば、たとえば、

・ブランドを守り続けるための仕組み



・創造性や革新性を重視する企業文化

・次なるリーダーを育てる仕組み

などです。

ジョブズ亡き後、みんながアップル社の先行きを不安に思いました。ほかの企業と同じく、カリスマ創業者がいなくなったら成り立たないのではないか?しかし、こういった仕組みがあるからこそ、冒頭の表にあるように、アップルは成長し続けました。

本田宗一郎の最高の功績は、”ホンダ”という会社そのもの

ホンダ創業者本田宗一郎氏などにも同じことが言えます。本田宗一郎氏は、多くの商品を生み出し続けました。

それはもちろん素晴らしい作品だったと思いますが、彼の最高の功績は、彼がいなくなった後も成長し続ける”ホンダ”という会社そのものだったのです。

ジョブズと同様に、経営者が変わっても会社が成長し続ける仕組みを作ることこそが、経営者として残せる最も大きな功績です。

これは「仕組み経営」のベースとなっている「はじめの一歩を踏み出そう」著者、マイケルE.ガーバー氏が常々言っていることですが、起業家にとっての最大の作品は「会社そのもの」なのです。その作品は彼らが去った後も世の中に価値を提供し続けます。

仕組み化が会社の永続性を高める

自分がいなくなった後も、成長し続ける会社を創るには、仕組みづくりが必須です。カリスマ社長の属人的なリーダーシップで会社を引っ張るのでは、良くても一代限りで終わってしまいます。そうではなく、会社を永続的に成長させる仕組みを整えることこそが、現役社長の仕事なのです。

話はビジネスから逸れますが、伊勢神宮は式年遷宮という“仕組み“によって宮大工の技術を伝承し、いまでも美しく保たれています。永続性を高める仕組みを持っていなかったギリシャ神殿とは対照的です。

左:伊勢神宮、右:ギリシャ神殿

まず伊勢神宮を未来永劫残していきたい、という人々の想い(会社でいう理念)があり、それを実現するための”仕組み”として式年遷宮があります。会社も伊勢神宮と同じで、「仕組み」があることで、何百年も永続することが出来ます。

経営者の仕事は、その仕組みを基に運営される会社組織を作ることです。仕組み経営では、そのお手伝いをしておりますので、以下から詳細をご覧ください。

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