今日のテーマは、
「人材育成より優先させるもの」
です。
日本では企業は人なり、人こそ最大の資産、と言われています。
社員を育てることに熱心な経営者の方であれば、
年間に数十万~数百万円を社員研修にかけていることもあるでしょう。
しかし、問題は、その投資はちゃんと効果を出しているのか?ということです。
社員研修をする一番の目的はひとつしかありません。
会社を成長させることです。
その目的につながらない研修などは無駄遣いです。
ということで今回は、会社の成長にとって効果的な人材育成のポイント、社員研修の内容とはどのようなものかを紹介します。
成果につながる社員研修とは?
たとえば、何か数字を計算する仕事がある、と考えてみます。
コンピューターが無い時代には、算盤で計算をしていました。
その時代には、算盤で速く計算するための研修をすることは役に立つでしょう。
一方、コンピューターが登場してくると、パソコンを使えないと仕事にならない時代になりました。
この時、その人の仕事がエクセルを使って何かの計算をすることであれば、エクセルの研修をすることは役に立つでしょう。
この例では数字の計算という極めて単純な仕事の例でしたが、成果の出る研修とは、
仕事をするための”道具”を上手く使いこなせるようにすることです。
この道具こそ、”自社の仕組み”です。
言い換えれば、成果の出る人の育成とは、
社員が自社の仕組みの中で、上手く働けるようにすることです。
コンピューターの時代に算盤の研修をしても業績に繋がらないのと同じく、
自社の仕組みに合った人を育てない限り、研修への投資は無駄に終わります。
仕組みが無いのに研修をやっていると、やればやるほど、
人の能力にバラつきが出て、職人型ビジネスになっていきます。
だから人材育成の前に仕組みづくりが必要になります。
逆に言えば、効果的な仕組みさえあれば、人材育成への投資は最低限で済みます。
私の知っている仕組み化がうまくいっている会社では、
外部の研修にいかせるよりも、自社の仕組みを覚えることのほうが人の育成につながる、
という理由で外部研修に全くお金をかけずとも成長し続けています。
これは採用についても同じです。
いまの時代、一人採用するのに100万円くらいかかったりします。
しかし、これも、どんなにその人の履歴書が良く見えても、
自社の仕組みを上手く活用できる人でない限り、活躍してもらうことが出来ません。
社員=資産は間違い
もうひとつ、重要な点があります。
それは、社員は自社の独占的資産ではないということです。
会社には、社員が辞めて他社に行くことを止める権利がありません。
つまり、人はコントロール不可能です。
社員に数百万円を投資して研修を行ったとして、その人が、
”社長、今月で辞めさせてもらいます”
というのを止める術がないのです。
これが他の資産、たとえば自社ビルや商品在庫だったらそんなことはありません。
天変地異などで資産を失う可能性はあるかもしれませんが、
基本的には自社でコントロール可能です。
資産というのは、企業が「所有」しているものです。
所有しているということは、自社でコントロール可能なものなのです。
そういう意味からいうと、はっきり言って、
人は会社の資産ではありません。
会社は個人と雇用契約という取引をしているだけなのです。
一方で、”仕組み”は自社の「独占的資産」です。
あなたの会社に一生、残り続ける会社を運営し続けるための本当の意味での資産になります。
人材育成の最も重要なポイント
困ったことに、
仕組みがない会社ほど、社員研修にお金をかけます。
仕組みがないので、人を育てることで業績を上げようとするからです。
さらに困ったことに、そういう会社ほど、離職率が高いのです。
仕組みがないので、社内が混乱しているからです。
一方の社長は、
”お金をかけて研修をやっている=良い会社”
と勘違いしているので、何が原因で社員が辞めるのか理解していません。
だから
採用⇒研修⇒離職⇒採用・・・
という職人型ビジネスの無限ループにはまってしまいます。
びっくりするほど世の中にこういう会社は多いです。
というわけで、人材育成や採用の前に、まず自社にどういう仕組みを創るのか?という視点をぜひ考えてみてください。
そうすることで、自社の成長にはどのような人材が必要で、どのような研修が効果的なのかが見えてくるでしょう。
また、その視点があることで、人にかかるお金を大きく削減することが出来ます。
では本日は以上となります。
引き続きよろしくお願いいたします。
なお、仕組み化を進めたい方はこちらからご相談ください
⇒https://entre-s.com/7install