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「カリスマ社長から抜け出せない理由」2024年4月11日号



お世話になります。

一般財団法人日本アントレプレナー学会の清水です。

さて、先日来ご案内しております6月開催の仕組み経営サミットは、カリスマからビジネスオーナーへ変革された方に、「取り組み事例発表」をしていただく予定です。

 

カリスマ経営者、カリスマ美容師、など、カリスマと言うと一般的には聞こえが良いですね。

しかし、こと会社を持続的に成長させていくという観点からすると、

”社長がカリスマであるのは危険”

と言えます。

なぜならば、カリスマが社内におり、その人が凄ければ凄いほど、周りはその人に依存するからです。

そして、

・カリスマの体力と時間の限界が体力の限界となります。

・カリスマ経営者が引退した後が問題になります。

・カリスマの元で働く弟子は、なかなか自主性を持つことが出来ず、いつまで経っても、自律的運営が出来なくなります。

したがって、会社の持続発展のためには、カリスマに依存する経営から、いかに自律的な経営に移行するか?ということが大きなテーマになります。

■ホームページもSNSも使わず、クチコミだけで成功。



知る人ぞ知る人気ヘアサロン「AYOMOT」を経営する鈴木朋弥さんは、いわゆるこの業界のカリスマでした。

個人での売上は、普通ではあり得ないほどあげていらっしゃいました。

一方、独立後はお客さんは来るものの、対応できるスタッフを雇ってもすぐ辞めてしまうという壁に当たります。

ご本人曰く、

「ただ、せっかく育てても結局は辞めちゃうわけです。

さらには、人員補充のための採用面接で「御社の将来のビジョンは?」って聞かれ、ろくに返答できず僕自身の考えの甘さも露呈して…。イチ美容師の延長線上で頑張ってきたけれど、経営者としては圧倒的に力不足であると痛感しました。」

(リジョブ – インタビューより抜粋)

同様の悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

■そんな悩みが続く中、「仕組み経営」を知って持続可能なサロン経営が可能になります。

以下、リジョブさんによるインタビューの続きをご紹介します。

——————————

──美容師、サロン経営、コンサルティングをこなすのは大変なことですね。

実際のところ、全部をこなすには時間が足りなくて。そんな僕に知人がすすめてくれたのが、アメリカ人の経済学者マイケル・E・ガーバーが書いた『はじめの一歩を踏み出そう─成功する人たちの起業術』でした。この本は、パイを焼くのが大好きな女性が、お店を始めたことで直面するさまざまな問題について書かれていて、スモールビジネスのバイブルといわれているんです。



パイを焼く技術と経営はまったくの別物なのに、すべて一人でやろうとして、パイを焼く時間はなくなり、なにもかも中途半端になっていく様子は、まるで僕そのもの。夢中になって読みました。

──どんな発見がありましたか?

分かったのは、スモールビジネスにおいては、自分がいなくても回る仕組みをつくることが大事だということ。そのためには、個人のブランディングからサロンのブランディングへ発想を切り替えることが必要だということです。

少し具体的に話すと、視点を「I」から「WE」へ移すことで、サロン全体のビジョンが明確になり、おのずとビジョン達成に必要な組織や人事、役割もはっきりします。すると、リーダー不在でも同じように質の高い仕事ができるようになり、売り上げのアップにつながるのです。そうやって、売れる経営、売れる仕組みが整備され、組織として成熟することで、スタッフが所属したいと思える価値が生まれるのです。

自分のサロンに置き換えてみると、ずっと悩んでいたスタッフの離職は僕自身にしっかりとしたビジョンがなく、会社に価値を見出せなかったのが一因でもあると気づきました。

——————————

■その後、鈴木さんは仕組み経営のファシリテーターやコーチという教える側の立場にもなってくださり、お付き合いが続いています。

また、現在は、ヘアサロンの経営者の地位は社員の方に譲り、ホールディングス化。

ご自身は新規事業の創造に力を注いでいらっしゃいます。

自分がカリスマという状態から、ビジネスオーナーとしての立場に進化されたのです。

冒頭でも申しましたが、6月の仕組み経営サミットではどのようにそれを実現されたのか、取り組みを発表いただく予定です。



■カリスマ依存から抜け出せない理由

申し上げた通り、自分がカリスマであるという状態ですと、会社の持続性に問題が生じます。

そこで、脱カリスマ依存を目指される方も多いのですが、なかなかうまく行きません。

その理由は、方法論がわからないというよりも、ご自身が持つ意識や思い込みによることが多いようです。

そういった意識のうちから、二つほど例を挙げてみましょう。

その1.過剰な責任感を持つリーダー

自分が全てをコントロールしなければならないと考え、部下や顧客に過剰に世話を焼くタイプ。自分以外は仕事を適切にこなせないと思い込み、権限を委譲せずに自分で全てをおこなおうとします。

起こりうる問題としては、

・1人で全てを抱え込むため拡張が難しい

・キャッシュフロー不足(お金の無駄使いが多い)

・時間管理ができない

・ストレス過多にもなりやすい

といったことがあります。

過剰責任から抜け出す方法としては、まず自分一人で全てを抱え込むリスクに気づくことが重要です。一人で全ての業務を引き受けようとすると、自分がボトルネックとなり、会社の成長を妨げかねません。



全てをコントロールしようとするあまり、かえって成長を阻害してしまうこともあると気が尽きましょう。

また、顧客に過剰に世話を焼くあまり、時間管理ができなくなったり、収益性に問題を抱える可能性があります。そのため、顧客との適度な距離感を持つことが大切です。

その2.過度の自尊心を持つリーダー

自分を特別視したい思いが強く、他者を軽蔑する傾向があるタイプ。個人としては非常に優秀な能力やスキルを持ちますが、それがゆえに優越感を持ち、カリスマ性をもとに自分に依存する体制を作ろうとします。

起こりうる問題としては、

・自分の弱みに向き合えないため、改善が行われず、致命的な間違いを犯す可能性がある

・リーダー個人に過度に依存した組織運営となり、成長が阻害される

・周囲を不快にさせる言動で、スタッフのモチベーションが下がる

・部下の短所ばかりが目につき、人材の活用が不十分になる

などがあります。

過度の自尊型から抜け出すためには、まず何よりもありのままの自分を受け入れることが肝心です。

“特別”ではない。ただの一人の人間に過ぎない。そう自分を受け入れた時、初めて他者とも等しい目線で向き合えるようになります。

“力づく”ではなく”人と人との絆”で組織を導けるように周りの人々を受け入れる。そうすれば、組織は新しいステージに行けるはずです。

というわけで、今日はカリスマであることの危険性や、そこから抜け出しビジネスオーナーになった事例をご紹介いたしました。



ぜひご参考にされてくださいませ。

ご紹介した鈴木さんの取り組み事例は仕組み経営サミットで発表いただきます。お見逃しなきよう、以下からお早めにお申込みください。

https://lp.shikumikeiei.com/summit202406/

(間もなく超早割終了です)


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