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「業務の不可避な末路」2023年11月13日号



お世話になります。
一般財団法人日本アントレプレナー学会の清水です。

さて、あなたの会社で行われている様々な業務。

これら業務には、内在しているリスクがあります。

業務は放っておくと・・・

・肥大化/複雑化し、
・属人化し、
・陳腐化します。

これら3つのリスクが表面化すると、組織内は混乱し、生産性が下がります。

詳しく見てみましょう。


■業務は肥大化/複雑化する


業務は放っておくと、勝手に肥大化、複雑化します。

その原因は、顧客や社内の別部門からの要望、新しい法規制、新しい社内ルール、社員数の増加、新しい部門やプロジェクトの追加、技術の進化: 新しい技術の導入などです。

経営リーダーがこのリスクに無頓着であると、現場がどんどん混乱します。

人類の歴史を振り返ってみると、文明の発展とともに、私たちの仕事もどんどん肥大化、複雑化していますね。

社内もそれと同じです。去年よりも今年、今年よりも来年、というように業務は肥大化、複雑化していきます。

まずこのリスクに対処しなくてはなりません。

業務の肥大化/複雑化に対処するためには、以下の方法があります。



ビジョンと戦略・計画の明確化

⇒ビジョンや戦略・計画が不明瞭な会社ほど、業務は肥大化/複雑化します。

過激な言い方をすれば、将が無能であるほど兵はムダな血を流すことになりますが、会社の業務もそれと似たようなものです。

経営リーダーが目指す方向を示さないと、社員があっちこっちとムダな業務を続けることになってしまいます。

ビジョンや戦略・計画が明確であるほど、やるべきこととやらなくていいことが明確になるため、業務がシンプルになります。



・不必要業務の排除を仕組み化する

⇒いった通り、放っておくと社員の業務はどんどん増えます。
それを減らせるのは経営リーダーだけです。一利を興すは一害を除くに如かず、という言葉があります。
部下に新しい業務をやらせようとする前に、何かの業務を取り除くことを仕組み化しないといけません。



■業務は属人化する

特定の社員が同じ業務についている時間が長ければ長いほど、その業務は属人化します。

属人化とは、その業務に必要な知識、スキル、情報が他の社員に共有されておらず、その人しかその業務が出来ない状態を指します。

経営陣からすると、属人化は避けたいところですが、当の本人からすると、業務が自分に依存していることで自分の存在価値を見出していることもあったりします。そうなると、彼らは属人化の解消に反対しますので、厄介になります。

属人化を避けるには文書化、マニュアル化が欠かせません。かつ、それに可能な限り早い段階で取り組み、文化として定着させることが大切になります。

後回しにすればするほど、自分依存に価値を感じている人たちからの反発が大きくなります。




■業務は陳腐化する

陳腐化とは、新しい技術や手法が導入されないまま、長い間業務が続けられることによって、その効率や効果が低下し、最新の標準から遠ざかる状態です。

自社なりの業務のやり方を〇〇ウェイと呼んだりします(トヨタウェイなど)。

〇〇ウェイを蓄積することは自社の強みになるのですが、逆にそれに縛られると弱みになります。新しい方法を取り入れることが出来ず、時代遅れになってしまうということです。

陳腐化への対処法として有効なのは、新しい技術やツール、新興企業(スタートアップ)のベンチマークを慣習化することです。

新しい技術やツールは展示会などを活用しても良いですし、オンラインでも十分情報は手に入ります。

また、新興(スタートアップ)企業は既存企業のやり方にこだわらず、最新のツールや新しい業務手法を取り入れているケースもあるので、少なくとも自社に関連する業界のスタートアップ企業はチェックしておくと良いでしょう。


というわけで、

業務は放っておくと・・・

・肥大化/複雑化し、
・属人化し、
・陳腐化します。

そう考えると、いわゆる業務改善や業務改革は、一時的なイベントではなく、仕組み化して常日頃から取り組むべき活動と言えるでしょう。

ぜひあなたの会社の業務はどうなっているか、チェックしてみてください。
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では本日は以上となります。

引き続きよろしくお願いいたします。



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