claude code

Claude Code活用事例|非エンジニア社長の業務の任せ方



清水直樹
今日は、Claude Code(クロード・コード)の活用事例についてご紹介していきます。私はエンジニアではありません。それでも今は、ブログの見直しやセミナーの企画、メールの改善をAIに任せています。任せられた理由は、AIの賢さよりも、その前にやっていた準備のほうにありました。

 

Claude Codeは、プログラマーでなくても業務に使えます。大事なのは操作の知識ではありません。任せたい仕事のやり方を、先に言葉にしておくことです。

この記事では、まずClaude・Claude Code・Claude Coworkの違いを簡単に整理します。そのうえで、仕組み経営で実際にAIに任せている3つの業務と、任せるために書き出したもの、どこまで任せるかの線の引き方をお伝えします。

1. Claude・Claude Code・Claude Coworkの違い

Claudeは、アメリカのアンソロピック社が開発しているAIです。同じClaudeでも、使う場所によって呼び方と得意なことが変わります。

  • Claude……画面上で会話しながら使うAI。文章の下書き、要約、相談相手などに向いている
  • Claude Code……もとはプログラミングのための道具。手元のファイルを読み、書き換え、決められた作業を順番に実行できる
  • Claude Cowork……プログラミング以外の事務や調査、資料づくり向け。指定したフォルダのファイルを読み書きし、文書や表、スライドを仕上げる。決まった時間に作業させることもできる

会話型のClaudeは「答えを返してくれる相手」です。Claude CodeとClaude Coworkは、ファイルを開いて実際に作業を進めてくれる点が違います。作業そのものを任せたいなら、後者の2つが候補になります。

Claude Codeの名前には「コード」と入っていますが、指示は日本語で書けます。私が使っているのもClaude Codeです。プログラムを書く場面はほとんどなく、日本語で書いた指示書を読ませて動かしています。

2. 仕組み経営のClaude Code活用事例3つ

仕組み経営では、マーケティングの仕事の多くをClaude Codeに任せています。Claudeには「マーケティング部長」という役割を与えています。その下に、ブログ、セミナー企画、ステップメールなどの担当を置く形です。部長役のClaudeは、私の判断が必要なことだけを短く上げてきます。

ここでは、そのうち3つの業務を紹介します。

事例1:ブログ記事の見直しを、候補選びから反映まで任せる

このブログの古い記事の見直しは、Claude Codeが担当しています。流れは次のとおりです。

  • 検索結果での表示回数とクリック数を読み、見直す価値のある記事の候補を出す
  • 私が候補の中から記事を選ぶ
  • 原因の診断、修正前の本文の保存、原稿の作成、関連記事へのリンク、機械による検査を進める
  • 検査をすべて通ったら記事に反映し、何を変えたかを報告する

私が手を動かすのは、候補を選ぶところと、報告を読んで直してほしい箇所を伝えるところだけです。記録を見ると、2026年8月28日から10月3日までに見直した記事は219本でした。

一方で、新しい記事は「下書き」までしか作らせていません。公開ボタンは私が押します。既存記事の見直しは保存しておいた元の本文に戻せますが、新しく公開した記事は元に戻せないからです。

事例2:セミナーの企画書から告知の下書きまでを一続きで作る

セミナーの企画も、テーマを渡すところから始まります。Claude Codeは次の順に作業を進めます。

  • 誰のどんな悩みを解決するセミナーかをまとめる
  • 当日話す内容の骨子を作る
  • スライド、申込ページ、告知メールの原稿を作る
  • 3つの間で、日程や価格、約束している内容にずれがないかを点検する
  • 告知メールを、配信ソフトに下書きとして登録する

ここでも、送信や予約はさせていません。下書きを確認して送るのは人の仕事です。

この事例で効いているのは、4つ目の点検です。担当を分けて作ると、スライドでは「90分」なのに申込ページでは「60分」になっている、といったずれが起きやすくなります。点検の工程を独立させておくと、そのずれを人が見る前に拾えます。

事例3:ステップメールの数字を読んで改善案を出す

資料をダウンロードした方にお送りしているステップメールは、通数が100通を超えています。Claude Codeには、通ごとの開封率、クリック率、配信停止の数を読ませています。そのうえで、どの通をどう直すかの改善案を、根拠つきで出させています(ステップメールの組み立て方はステップメールのシナリオ作成方法で解説しています)。

ただし、配信中のメールの件名や順番、配信の間隔は変えさせていません。配信中のメールは、変えた瞬間に読者へ届くからです。Claude Codeが出すのは改善案までで、採用するかどうかは私が決めます。

3. AIに任せられたのは、仕事のやり方を先に書き出していたから

3つの事例に共通していることがあります。Claude Codeに作業させる前に、その仕事のやり方を文書にしていたことです。

AIが賢くなったから任せられた、と思われがちです。実際には逆で、やり方が書かれていない仕事は、AIにも任せられません。指示があいまいなら、AIはそれらしい答えを自分で作ってしまいます。

指示書に書いている4つのこと

Claude Codeに読ませている指示書には、どの業務でも次の4つを書いています。

  • 手順……どの順番で、何をするか
  • 判断基準……迷ったときにどちらを選ぶか。例:「数字や出典は、裏が取れたものだけを書く」
  • やってはいけないこと……例:「リンク先の住所を推測で書かない」「記事を削除しない」「変更する前に必ず元の本文を保存する」
  • 人が確認する箇所……どこで止まって、誰に何を聞くか

特に効いているのは、やってはいけないことと、人が確認する箇所です。手順だけを渡すと、AIは手順の外で起きたことを自分の判断で片づけようとします。止まる場所を決めておくと、そこで必ず私に上がってきます。判断基準を文書にしておく考え方は、AI社長の作り方でも紹介しています。

AIへの指示書は、社員に渡すマニュアルと同じもの

書き出してみて気づいたことがあります。Claudeに渡している指示書は、社員に渡す業務マニュアルとほとんど同じでした。

手順があり、迷ったときの基準があり、やってはいけないことが書いてあり、上司に相談するタイミングが決まっている。新人に仕事を任せるときに必要なものと変わりません。AIにとって分かりやすい指示書は、人にとっても分かりやすいのです。

マニュアルの書き方そのものは、マニュアルの作り方7ステップや作業手順書(SOP)の書き方で詳しく解説しています。AIに渡す指示書も、同じ考え方で書けます。

失敗したら、指示書に1行書き足す

指示書は、一度書いて終わりではありません。うまくいかなかったことがあれば、その都度書き足しています。

たとえば、機械の検査で出ていた警告を見落としたまま、記事に反映してしまったことがありました。それ以来、指示書には「警告が一つでも残っていたら反映しない」と書いてあります。

人の仕事でも同じです。ミスが起きたときに担当者を責めても、やり方は変わりません。やり方の文書を1行直せば、次からは誰がやっても同じミスが起きにくくなります。


4. どこまで任せるかは「元に戻せるか」で決める

AIに任せるときに一番迷うのは、どこまで任せるかです。私は、事例ごとに任せる範囲を変えています。

  • 最後まで任せて、あとで報告を受ける……既存記事の見直し。元の本文を保存しているので、いつでも戻せる
  • 下書きまで作らせて、人が確認して出す……新しい記事、告知メール。一度外に出ると取り消せない
  • 案だけ出させて、人が決める……配信中のステップメール。変えた瞬間に読者に届く

線を引く基準は3つです。元に戻せるか、外に出るか、お金が動くか。どれかに当たる作業は、最後のボタンを人が押すようにしています。

これは社員に仕事を任せるときと同じ考え方です。任せる範囲は仕事ごとに決めるもので、人ごとに「全部任せる」「何も任せない」と決めるものではありません(参考:仕事の任せ方|部下に仕事を任せる5ステップ)。

AIに長い仕事を通しで任せると、途中で判断がずれていくことも分かっています。AIに自動販売機の経営を任せた実験では、AIが途中で状況を取り違え、本来の目的から離れた行動を続ける例が報告されました(参考:生成AIに経営者をやらせてみた)。工程の区切りごとに機械の検査や人の確認を挟んでいるのは、このずれを早めに止めるためです。

5. 非エンジニアの社長がClaudeを使い始める手順

ここまで読んで「うちでも試したい」と思われた方は、次の順で始めてみてください。

  • 手順1:毎週、毎月くり返している仕事を一つ選ぶ。最初は、失敗しても外に影響が出ない仕事にする
  • 手順2:その仕事の手順、判断基準、やってはいけないこと、確認する箇所を書き出す
  • 手順3:書き出した文書をClaudeに渡して、一度やってもらう
  • 手順4:思ったとおりにならなかった箇所を、指示書に書き足す
  • 手順5:外に出す前の確認は、慣れるまで自分でする

いきなりClaude Codeから始める必要はありません。会話型のClaudeに指示書を貼りつけて試すだけでも、手順2の書き出しが足りているかは分かります。返ってきた答えがずれていれば、それは指示書のどこかが抜けているという合図です。

始めるときに一番時間がかかるのは、AIの操作を覚えることではありません。手順2の書き出しです。逆に言えば、すでに業務マニュアルや手順書がある会社は、AIに任せる準備の大半が終わっています。

まず一つ、書き出してみましょう。

6. Claudeの業務活用に関するよくある質問

プログラミングができなくてもClaude Codeは使えますか?

使えます。私自身、プログラムは書けません。Claude Codeへの指示は日本語で書けます。最初に環境を整えるところだけは、詳しい人に手伝ってもらうと早く進みます。

社内の情報をAIに渡しても大丈夫ですか?

渡す情報を先に決めておくことが大切です。顧客の個人情報やパスワードのように、渡さないものを指示書に書いておきます。私の指示書にも「認証情報は画面にもファイルにも出さない」と書いています。設定の細かな仕組みに頼るより、入れないものを決めるほうが確実です。ほかの注意点は生成AIのビジネス活用事例にまとめています。

AIに任せると、社員の仕事はなくなりませんか?

AIへの指示書を書けるのは、その仕事をいちばんよく知っている人です。社長が一人で書くより、実際にその仕事をしている社員が書いたほうが、抜けのない指示書になります。社員の仕事は「作業をする」から「やり方を書き、AIの仕事を確かめる」に移っていきます。

Claudeは他のAIと何が違いますか?

会話の受け答えだけならどのAIでも大きな差はありません。Claude CodeやClaude Coworkのように、手元のファイルを読み書きして作業を進められる点が、業務に使ううえでの特徴です。どのAIを使う場合でも、仕事のやり方を書き出す準備は変わりません。

まとめ

Claude Codeの活用事例として、仕組み経営でブログの見直し、セミナーの企画、ステップメールの改善をAIに任せている様子を紹介しました。

任せられた理由は、AIの性能ではありませんでした。手順、判断基準、やってはいけないこと、人が確認する箇所を、先に書き出していたことです。その指示書は、社員に渡すマニュアルと同じものです。そして、元に戻せない作業の最後のボタンは人が押します。

仕事のやり方を書き出しておけば、任せる相手が社員でもAIでも、社長が現場にいなくても仕事が回るようになります。まずは、毎週くり返している仕事を一つ選んで書き出してみてください。

詳しくは以下から仕組み化ガイドブックをダウンロードしてご覧ください。


>仕組み化ガイドブック:企業は人なりは嘘?

仕組み化ガイドブック:企業は人なりは嘘?

人依存の経営スタイルから脱却し、仕組みで勝手に成長する会社するための「仕組み化ガイドブック」をプレゼント中。

CTR IMG