お世話になります。
一般財団法人日本アントレプレナー学会の清水です。
兼ねてよりご案内しております仕組み経営サミットですが、【今週で受付締切】とさせていただきます。
今回は、「仕組みで勝手に成長するための経営計画」がテーマです。
計画立案に伴い、仕組み化の全体像と進め方を一気に習得いただくことが出来ます。
収録や後日配信等はございませんので、お早めにお申込みくださいませ。
⇒https://lp.shikumikeiei.com/summit2023winter
■さて、話は変わりますが、名古屋商工会議所若鯱会様より拝命いたしました、
「漫画キングダムから学ぶビジネス」三回シリーズが先週無事終了しました。
ご存知の方も多いと思いますが、キングダムは秦の始皇帝の中華統一物語です。
その物語から学べる、リーダーシップ、チームビルディング、戦略について、経営者の方々に考えていただく機会を提供させていただきました。
様子はこちら:
⇒https://www.facebook.com/shimizunaoki.ex/posts/pfbid037N4ZCVWNdJfUNVDvE9ZPDzHfy1QNDstN1ecHNaR9aHGAaQKbtgvkjpdrSajMx2kKl
その研修テキスト内に3つ程、コラムを書かせていただいたのですが、
せっかくなので、今日はその内容をご紹介させていただきます。
リーダーシップ、チームビルディング、戦略のそれぞれについて、主に歴史から学べる経営の教訓について書いております。
まずはリーダーシップ編です。
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リーダーシップ編【徳治と法治について】
徳治は、個人の道徳的な資質や美徳に基づいて社会を統治する考え方です。代表的な論者としては孔子がいます。このアプローチでは、指導者や統治者が善良な人物であること、そして個人の徳や道徳的な行動が社会全体の秩序と安定に寄与すると信じられています。徳治は、法律や規則を厳格に適用するよりも、個人の良心や道徳的な規範に頼り、人々の自己規制や自己責任を重視します。
一方、法治は、法律と法に基づいて社会を統治する原則です。代表的な論者としては韓非子がいます。法治のアプローチでは、公正で公平な法律が作られ、個人や政府はその法律に従って行動することが求められます。法治は、法の支配と法の適正な適用を重視し、社会の秩序と安定を維持するために法の力を行使します。
リーダーの個人的な資質に依存せずに統治することが目標であり、キングダムの秦は法による統治を志向していきます。
実際には秦が制定した法に対して、民衆や諸侯から反発心が起こり、秦は三代で崩壊してしまいます。
会社経営においては、両者を活用することになります。リーダーが徳を積むことも重要ですが、社内の法を定めることも欠かせません。社員がそれを守ることによって、成果を出すことができ、自己成長につながるようにするような法を創ることが大切です。
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⇒徳は人格、法は会社の仕組みやルールだと思っていただくと分かりやすいと思います。
これは私どもが仕組み化をご支援する際にも良くご質問を受けるテーマです。
組織の問題は、会社の仕組みを作れば治まるのか、または、やはり自分の人格が至らぬところに原因があるのか?
という質問です。
この答えは既に何百年も前に出ております。
”経営リーダーが良い人格を身に付けることで、良い仕組みが生まれ、良い仕組みが良い会社を創り上げます。”
というのが答えです。
コラムにあったように、秦の始皇帝はたしかに中華を統一(かつてないほどの領土を支配)しましたが、即位後、15年で秦という国は滅びております。
始皇帝は自分のカリスマ性によって支配するのでは国が続かないと考え、法治国家を目指し、法を創り上げました。
しかし、その法が人民の生活を圧迫するものであったため、農民一揆が起こり、あっという間に崩壊してしまったのです。
※この辺の物語は「項羽と劉邦」に詳しいです。
もし始皇帝が愛に満ちた法を作っていれば、国はもっと存続したかもしれません。
仕組みは、その仕組みを作る人の意図が反映されます。
そして、その意図は、その人の人格によって左右されます。
人格者じゃなくても仕組みやルールを作れば会社は回る、というのは、少なくとも長期的にはウソです。
私の師匠のマイケルE.ガーバー氏は、魂の情熱と知性の情熱を高次元で融合させよ、と言っているのですが、
魂が人格のことであり、知性が仕組みのことです。
つまり、人格を高次に高め続け、さらに、仕組みを精緻に作り上げることで、素晴らしい会社が作れるというのです。
というわけで、リーダーシップ編のコラムは徳治と法治というテーマでした。
長くなってしまうので、チームビルディングと戦略については、また次のメルマガでご紹介させていただきます。
ちなみにチームビルディング編のコラムのテーマは「鼎(かなえ)」です。
では本日は以上となります。
引き続きよろしくお願いいたします。
※本メルマガのより詳しい解説は以下にて記事にしております。