渋沢栄一の座右の銘「吾日に吾身を三省す」の意味



清水直樹
「吾日に吾身を三省す」は論語の中でも良く知られた章句です。本記事ではこの章句の意味や活用法についてみていきましょう。

 

吾日に吾身を三省すとは?

「吾日に吾が身を三省す。人の為に謀りて忠ならざるか。 朋友と交りて信ならざるか。」とは、毎日、自分の行動や考えを三度反省するという意味です。この言葉は、論語に出てくる曾子の言葉であり、自らの行動や考えを常に振り返り、成長するための姿勢を示しています。具体的には、「人のためを思い、誠実な関係を築き、未熟な知識を他人に押し付けない」という三つの視点から自身を見つめ直すことを勧めています。

「吾日に吾身を三省す」の原文

曾子曰く、吾日に吾身を三省(さんせい)す。人の為に謀(はか)りて忠ならざるか。朋友と交はりて信ならざるか。習はざるを伝ふるか。

「吾日に吾身を三省す」の現代語訳

曾子は言います、「毎日、自分自身の行動を三度反省しました。一つ目は、他人のために行動し、誠実であったかどうか。二つ目は、友人との関係で信頼を裏切っていないかどうか。三つ目は、まだ完全に学んでいないことを他人に教えてしまっていないかどうか。」

渋沢栄一の座右の銘

日本の経済界における偉大なる先駆者、渋沢栄一。その名は、日本の近代経済の礎を築いたと言われるほどの影響力を持つ人物として、今も多くの人々に知られています。明治時代の実業家として、多くの企業の設立や経営に関わり、その活動の幅は広範囲にわたりました。そして、彼の人生哲学や経営哲学は、今日のビジネスパーソンや経営者にとっても非常に参考になるものが多いのです。

「吾日に吾身を三省す」は渋沢栄一の座右の銘でもあったとされています。この言葉を自身の行動指針としており、その哲学は彼が関与した多くの企業の経営理念にも影響を与えました。

中小企業経営者にとって、この言葉に基づいて自らの言動を振り返ることは大切と言えます。また、経営者だけでなく、社員にとっても共通の内省事項として機能し得るものです。

 

吾日に吾身を三省す:経営者が日々実践すべき自己反省の方法

「吾日に吾身を三省す」に基づいて、具体的な例を挙げながら、どのように自身を省みることができるかをご紹介します。

1. 人のために尽くしているか、心からの努力をしているか

経営者として、従業員や顧客のために心からの努力をしているかを日々省みることは非常に重要です。例えば、従業員の福利厚生の向上や、顧客の満足度を高めるための新しいサービスの開発など、具体的な取り組みを通じて人のために尽くしているかを確認しましょう。

2. 友人との関係で信義を守っているか

友人やビジネスパートナーとの関係でも、信義を守ることは非常に重要です。約束を守る、秘密を守る、公私の境界を守るなど、信義を守る行動は多岐にわたります。これらの行動が信頼関係を築き、長期的な関係を保つ基盤となります。

3. 未熟な知識を他人に教えていないか

経営者として、未熟な知識や情報を他人に教えることは避けるべきです。未確認の情報や半分しか理解していない知識を広めることは、誤情報の拡散や信頼の失墜を招く可能性があります。情報を共有する前に、その正確性や信頼性を確認しましょう。

 

 



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