オレンジ(達成型)組織とは?



清水直樹
この記事では「ティール組織」で紹介されているオレンジ(達成型)組織組織について解説します。

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オレンジ組織の発達段階はどこ?

以下の図は、「ティール組織」で紹介されている組織の発達段階を図にしたものです。本書では組織の発達は人の意識の発達に伴って起こるものとされているため、この図は人の意識の発達段階を表したものでもあります。大切なのは、5つの段階はすべて、前段階の階層を内包しているということです。つまり、アンバー組織はレッド組織の特徴も持ち合わせており、ティール組織はすべての組織の特徴を持ち合わせています。ですから、ティール組織を目指すのであれば、すべての組織段階を理解しておくことが大切です。

オレンジ(達成型)組織とは?

オレンジ組織はアンバー組織と同じく階層構造で成り立っていますが、成果を上げたメンバーが上位層に出世できる点が異なります。オレンジ組織の比喩としては、「機械」です。現代でも多くの組織がオレンジ組織の形態で運営されています。

オレンジ組織の文化

  • 会社のシステムは常に改善の余地があると信じ、実現を揚力している
  • イメージが重要であり、ビジネスで成功した人々に囲まれている環境である
  • 市場での会社の地位を向上させる新しい製品とサービスを探求している
  • 一部の人々が会社のペースに追いつけない場合勢いを落としていく
  • 常に新たなソリューションを探しており適切な分析のもとで創造性を活用し、チャンスを得て起業家精神を実証することでそれらを発見する
  • 戦略的な方法で業務を遂行し、最良の議論に基づいて意思決定する
  • ユーザのニーズを評価し、期待を超えることを目指している

オレンジ組織の業務

組織構造

ピラミッド階層が基本ですが、追加の構造があります。プロジェクトグループ、専門スタッフ機能等、組織を横断するようなチームが組成されることがあります。

採用

オレンジ組織は、何と言ってもパフォーマンス重視、効率重視、業績重視の世界なので、最も能力が高い、スキルが高い、知識がある人を採用する仕組みになっています。

オンボーディング

オレンジ組織では、組織としての統率を取り、高い目標に向かうために、より効果的なオンボーディングプロセスがあります。一般には、経営陣が会社の理念や歴史、実績などを語ります。とはいえ、それらは通過儀礼的なものであり、それよりも実務にすぐ取り掛かるための準備に重点が置かれます。チームや組織になじむ、というよりも直属の上司に教育が任されます。

トレーニング

オレンジ組織の多くは、人事部門によってトレーニングが提供されています。階層や職種ごとに体系化されたトレーニングが用意されていることがあり、トレーニングを受け、実績を積めば昇進していけるようになっています。また、経営陣には外部のエグゼクティブコーチが付いていることもあります。

役割や役職

オレンジ組織の多くは職務記述書があります。また、メンバーが将来、マネージャー層に昇進するためにジョブローテーション、サクセッションプラン、タレントマネジメントなどの計画が存在します。

解雇

オレンジ組織では、生涯雇用が保証されていません。メンバーのパフォーマンス管理が行われているため、標準以下のパフォーマンスが続いた場合、解雇されることがあります。退職する人のために援助金が提供されることもあります。

ミーティング

オレンジ組織では、パフォーマンス管理のために、定期的なミーティングが行われます。目的としては以下のようなものです。

  • 進捗状況の報告と意思決定
  • ブレーンストーミングなどの創造的プロセス
  • 投資およびその他の重要な決定の承認を得る
  • 優先順位の決定など

多くの場合、事前にアジェンダが用意されます。会議が多くなるに従い、メンバーはその運営に忙しくなる傾向にあります。いずれのミーティングも組織の目標達成のために行われ、個人的なテーマがアジェンダとして設定されることはありません。

意思決定

経営陣は全体的な方向または戦略をつくり、その後、目標を下位層へと展開していきます。メンバーは、意思決定プロセスに参加するよう奨励されることもあります。

チームワーク

多くのオレンジ組織では、チームビルディングの活動が促進されています。これはチームの結束を高め、より大きな成果を生み出すためです。また、パーティやスポーツ活動なども積極的に行われるケースが多いです。

戦略

オレンジ組織では、世の中は動的なもの(しかし予測可能)であるとみなされているため、戦略の重要性が高くなります。戦略は一般にトップダウンで決定されますが、実行にあたっては、メンバーに権限を与えることで、自分で考え、行動するための余地が与えられています。目標管理制度も多くの組織が導入しています。そのほか、事業計画、毎年の予算編成、バランススコアカード、KPIなどのプロセスが採用されています。

情報の流れ

オレンジ組織では、情報は多ければ多いほど良いとされています。情報を組織を機械のように設計し、計画を立てます。経営陣からの情報は、下位層からの情報よりも重要性が高いとみなされています。

変化への対応

オレンジ組織では、変化を受け入れる姿勢があります。なぜならばイノベーションが、競合他社を上回るための鍵となるからです。しかし一方、オレンジ組織は階層ピラミッドとして構造化されているため、変化は困難を伴います。変化が困難であるがために、「チェンジマネジメント」などのコンセプトやコンサルタントが誕生し、組織内部の抵抗を最小限に抑える、または克服することが大きなテーマとなりました。

 



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