意識改革の方法を成功事例をもとに解説



清水直樹
社員の意識を改革してもっといい会社に変えていきたい、という方向けに意識改革の意味や事例、方法をご紹介していきます。
目次

意識改革とは?

意識改革とは、個々の人々や組織全体が持つ「意識」または「マインドセット」を根本から見直し、改善または革新を目指すプロセスです。このプロセスは、企業文化、働き方、組織の効率性、そして最終的には企業の競争力にも影響を与えます。

意識改革の英語表現

「意識改革」は英語で一般的には「Mindset Shift」または「Consciousness Reform」と表現されます。

意識変革と意識改革

「意識変革」と「意識改革」は、一見すると同じような意味に思えますが、実際には微妙な違いがあります。

  • 意識変革は、根本的な「変化」を目指します。
  • 意識改革は、既存のものを「改善」することを目指します。

意識変革(Consciousness Transformation)

  • 定義: 「意識変革」は、個々の人々や組織全体が持つ基本的な価値観や信念、行動パターンを根本から変えるプロセスです。
  • 焦点: この概念は、より深刻な問題や根本的な価値観に対する変更を目指しています。
  • 適用範囲: 社会運動や大規模な組織変革、国際的な文脈など、より広範な影響を持つ場合に使用されることが多いです。

意識改革(Consciousness Reform)

  • 定義: 「意識改革」は、既存の価値観や信念、行動パターンを改善または最適化するプロセスです。
  • 焦点: こちらは、現状の枠内での改善や効率化を主に目指します。
  • 適用範囲: 主にビジネスの文脈や組織内での小規模な改革に適用されることが多いです。

 

意識改革の言い換え

「意識改革」は多くの場面で使用されるフレーズですが、その目的や文脈に応じて、いくつかの異なる表現が存在します。以下はその代表的なものです。

マインドセットのシフト(Mindset Shift)

この表現は、特に国際的なビジネスの文脈でよく使用されます。個々の意識や考え方が変わることで、組織全体も変わるという意味合いが強いです。

カイゼン(改善)

日本企業でよく用いられる「カイゼン」も、意識改革と同じく組織や個人が持つ問題点を改善するという点で似ています。ただし、カイゼンはプロセスや手法により焦点を当てることが多いです。

イノベーション(Innovation)

イノベーションは、新しいアイデアや方法を取り入れることで、根本的な改善や革新を目指す概念です。意識改革とは異なり、テクノロジーや製品に対する革新が主な焦点となります。

組織文化の変革(Organizational Culture Transformation)

この表現は、組織全体の価値観や行動規範、信念体系を変えることに重点を置いています。従業員一人一人の「意識」の変革が、組織全体の文化を変えるという考え方です。


以上のように、言い換える表現によって、その活動の焦点やスケール感が微妙に変わります。適切な言い換えを選ぶことで、その取り組みがもつ意味や影響力をより明確にすることができます。

 

成功事例①意識改革でV字回復 – ゾーホージャパン株式会社

zohoジャパンの意識改革

ゾーホージャパンは、営業管理や業務管理などのツールを提供するIT企業です。

インド本社からの指名により2011年に迫社長が代表取締役に就任。当時、赤字だった本業をわずか1年でV字回復させました。また、2017年度「日本における働きがいのある会社」従業員25 – 99人部門第25位、第7回「日本で一番大切にしたい会社大賞」では審査委員会特別賞を受賞されています。

ここではゾーホージャパン株式会社 代表取締役(当時)迫 洋一郎様のインタビューをご紹介します。

※このインタビューは2018年に行われたものです。(聞き手:清水直樹)

Q. V字回復に向かうために何をどんな順番で行ったのか

実は当時、会社は過去3期に渡って本業が赤字でした。当時の経営がアパート経営、株をやっていて、川崎や藤沢のアパートから家賃収入があり、そういった営業外収益のために経常利益は黒字に見えるのですが、本業は赤字でした。それが3期続いていたのです。普通の中小企業であれば倒産レベルでした。

そのタイミングで本社CEOから社長やってほしいというメールがきました。儲かってない会社は一歩入ると独特の空気感がありますけど、当時はそういう感じでした。挨拶がない、ネガティブ思考、チャレンジする人が少ない、チャレンジして失敗したひとに対して裏で悪口をいう、という状態でした。まず会社の風土を変えないといけないと思いました。そのために社員の意識改革が必要と思いました。2011年2月から社長になったのですが、全体会議で現状を理解してもらいました。

現実を突きつける

そこで会社の財務データを公開し、本業で赤字、営業外収益で黒字に見えますが、皆さんの実力はこんなもんですか?という問いかけをしました。我々は同じ船に乗ってるのに、同じ方向を向いていませんよね。真剣にやってないよね。裏で悪口言ってる人いますよね。船が浸水している状況なのに、真剣に対処していないですよね。という話をしました。

私は過去の会社でも事業再生や新規事業をやってきたので、必ず成功させる、今日がスタートラインだと言いました。そして、過去の話はしないで前を向いてやっていこうと言いました。さらに、再生を信じて一緒に頑張れない人は自ら身を引いてほしいと話しました。

普段はそういう話はしないので、みんなはびっくりしたと思います。

前の経営者は財務データを公開していなかったので社員は会社の経営状況を知りませんでした。部長でも一部を知っていた程度です。ですから私が社長になってはじめてわかったことも結構ありました。

意識改革のために企業理念を構築

次に、意識改革のために、企業理念を創らないとダメだと思いました。簡単に作れないので、時間をかけることにしました。私はこの先、10年20年と会社にいるわけではないので、全社員の中から理念を創るプロジェクトのメンバーを募りました。その結果、ボードメンバー、中途採用、新卒採用、これら3世代の中から、10人が集まりスタートしました。

スローガンを打ち出す

理念は簡単にはできませんので理念を創るプロジェクトの前に、SPA(スピーディー、ポジティブ、アクティブ)という経営方針を出しました。そして、主体的に動き実績に貢献した人を表彰するMVP賞、SPAの精神で行動し成果に貢献した人を表彰するSPA賞、挨拶、会社の雰囲気に貢献した人を表彰するさわやか賞をセットで導入しました。これは上司ではなく、メンバーが選ぶことが特徴です。社員が1票ずつ理由付きで投票します。そして、理由も一緒にみんなの前で公開します。そうすると良いコメントをシャワーのように浴びるので会社の雰囲気が少しずつ柔らかくなってきました。

その後、3.11がやってきました。今思うと、それは試練でもありチャンスでもありました。

試練を機に仕組みを変革

3.11が起きてから、3つのことをやりました。

自宅勤務を実施

1つ目は、社員の安全を考え自宅勤務を始めて実施しました。これは、現在の働き方のベースになっているスーパーフレックスに繋がっています。自宅で仕事ができるように仕組みを変更するために、ソフトウェアをダウンロードできるようにしたり、注文書や請求書などの紙をPDF化したり、出荷がどこまで進んでいるか見える化するためにデータベースを2-3日で作成し、自宅で業務ができる環境を作り上げ運用をスタートしました。



事業モデルを変更

2つ目は、ManageEngine事業を会社の柱に育て上げるというチャレンジを行いました。当時、WebNMSという基幹事業のお客様である通信事業者の局舎や電柱、電線などが津波で流されました。該当のお客様は、システム開発をすべて凍結し、その予算をインフラの再構築に回しました。その結果、基幹事業の売上が大きく落ち込み、会社全体で売り上げが2011年4月から11月まで前年度対比で40%ダウンしました。その時に、次の事業の柱を育て上げようと決断しました。人を移動させて組織改革し、みんなで業務時間中は必死でビジネスに立ち向かいました。

でも4月から11月までは全然ダメで倒産の危機を肌で感じました。

ですから、経費削減としてクーラーの温度を上げたり、照明を間引いたり、水、コーヒーを有料にしたりと考えられる経費削減を行いましたが、10万円程度の削減効果しか出ませんでした。でも、この会社を何とか再建したいという思いでみんなで取り組んだことでしたから、これはこれで一体感の醸成に繋がり良かったと思います。

これらの前向きな業務への取り組みの結果、2011年12月からは劇的に業績を改善することが出来ました。結果として2011年度は2010年度に比べ1000万円だけですが伸ばすことができました。それに本社の役員が感動し、賞賛のメールがどんどんきたのです。なぜなら、未曽有の震災の後、瀕死の業績を劇的に盛り返し2010年度より成長させたからです。このメールを社員へ公開したところ、これが彼らの自信につながったのです。その勢いで2012年度はさらに37%成長しました。

企業理念を作成

3つ目は、先ほど言った通り、2011年5月-12月の8か月かけて、企業理念を作成しました。

勤務時間の9時~18時まで必死で次の事業の柱を育てようと業務をおこなっていましたので、企業理念は7時~9時、お昼休みの1時間、18時以降、メンバー10人が手弁当で集まり理念づくりを行いました。

実は以前もボードメンバーで理念を創ろうという話はありました。しかし、本社に理念がなく、日本で作っても仕方ないよね、ということで終わってしまいました。私が社長になってから、日本独自でもいいじゃないか、会社を再建し、いい会社を永続させるために理念を作ろうということで賛同したメンバーと一緒に始めたのです。

最初は、理念ってなんだっけという勉強からでした。その次に、メンバー一人一人が1社、理念経営している会社を探してきてみんなの前で発表するということをしました。ディズニーやスターバックスなど。この発表を通じて理念経営の素晴らしさをメンバー同士が実感したのです。次に現状認識をしようということで、社員から、パートナーから、お客様から、社会から、当社はどう思われてるか?というブレストを行いました。

次に、同じく4つの軸で、10年後、30年後、100年後もいい会社として繁栄するためには当社はどうなっていたいのか?をブレストしました。そして、理想とする会社を出し合って、理念へとつなげていきました。そのプロジェクトのファシリテーションも社員がやりました。

このような活動を通じて、前向きさや主体性が育まれ、会社再建に向けての一体感が醸成されていったと思います。

Q. 理念の共有をどのように行ったか?

まず2012年1月の全体会議でみんなの前で発表しました。これはプロジェクトメンバーに発表してもらいました。当時、社員数が28人でしたが、私が発表してしまっては、1対28になってしまいます。しかし、10人のメンバーが発表することで、11対18になり、みんなで作ったという雰囲気が出来ました。

ただ、まだ18人が参加していないので、浸透させるにはどうするかということで、組織のグループリーダー以上を集めて行動規範をより具現化する作業を始めました。たとえば、感謝をするという行動規範の場合、なぜそれが大事なのか、その意図は?良い行動例は何なのか?ということを詰めていきました。

これも私がたたき台を作りましたが、その後、みんなに考えてもらいました。これも4か月かけて洗練させていきました。月に2回ほどミーティングをしていましたが、出来たものから社内に公開して、会社が理念に基づいて動いていることを伝えていきました。

そして、理念を会社に浸透させていくために、各会議の前に理念トークすることにしました。なんでもいいですが、理念に出てくる言葉に関連してこんなことを経験した、この経験は理念のここに通じると思います、というように話してもらうということをやってもらいました。

最近は理念トークに加えてコーポレートメッセージトークというのも始めました。

Q. 採用や育成の仕組みはどう変えたか?

これまでは大卒しか採用していませんでしたが、今年から高卒採用も始めます。募集の仕方は、去年まではエージェント経由でした。そして、採用面接は、1次面接、2次面接、3次面接、大学先輩との面談で採用判断しています。

私が社長になった後からは、採用の判断で、一番大事にしているの人格です。

人格を判断するために、まずホームページに採用ページを作り、私たちが大事にしていること、経営理念、良い行動例、人事理念、社風がわかる各種動画、50程度の制度や福利厚生、私のインタビュー記事などをすべて公開しています。

まずそこを見てもらって、自分の考えと一致しているかを確認してくださいと伝えています。

ですので、当社の考えに共感し一致している人だけが応募してきます。

そのうえで、1次面接を突破した方には、理念作文をA4一枚で書いてもらいます。理念作文では、大学時代、こういうことに取り組んできた。こういう想いがあって、こういう行動をした。それが企業理念と共通するところがあります、というようなことを書いてもらっています。

あとは面接の中で、人格や考え方がわかってきますので、それで判断します。

教育に関しては、内定後、入社者の実力に合った本を3-4冊プレゼントし自主学習していただいています。入社後は、まずビジネスマナーを外部研修で学んでもらいます。理念とかセキュリティ教育などは自社で講師を立ててやります。技術教育は入社者のレベルに合わせてOJTと外部研修を組み合わせて行っています。

社内報で社員の意識を醸成

以前伺ったときに、社内報を出されていると聞きましたが、それについて教えてください。

社内報は新卒の人達と1年先輩の方1人がチームになって作っています。この中にインターン生も入っています。社内報は3か月に一回発行されますが、編集や内容はチームで決めます。



この仕組みの良い点は、若手に編集員をやってもらうと、会社の良いところを探ろうとすることです。あとは先輩社員にインタビューしに行くので、先輩の顔を覚え、先輩も丁寧に答えてくれるので良い関係づくりになることです。

 

成功事例②フィロソフィとアメーバ経営 – 日本航空(JAL)

日本航空(JAL)は2010年に戦後最大の負債額を抱え、経営破綻しました。その再建の奇跡を成し遂げた稲盛和夫さんの偉業は、多くの人々に感銘を与えました。

JALの再建に大きく関与したのが社員の意識改革です。以下にそのポイントを見ていきましょう。

大義名分

倒産時、多くの人々は再建が不可能であると考えていましたが、結果、稲盛さんはその挑戦を引き受けました。稲盛さんはJALの再建を引き受ける際に、この仕事に大義があるかどうかを自問されました。その結果、JALは日本にとって重要な存在であり、その再建は国家的な大義があると認識します。残された従業員の雇用の保護、日本経済への悪影響の防止です。その大義名分があったことで、稲盛氏はじめ、再建の中心メンバーは困難なことにも立ち向かうことが出来たのです。

幹部の意識改革

稲盛氏による日本航空(JAL)の再建は、幹部メンバーの意識の改革がその核心でした。

現場経験者をリーダーに

かつてのJALは、現場経験のない幹部によって経営方針が決定されていましたが、稲盛氏はこの体制を廃止し、現場経験者をリーダーに抜擢しました。

利益を追求するという意識へ

倒産当時のJALは、各部署が互いに批判し、利益を追求することが問題であるという誤った思考が支配していました。

稲盛さんの方針の中心には、『利益なくして安全なし』という言葉がありました。それまでのJALは、安全のためにお金を湯水のように注ぎ込む一方で、利益のことは他人任せにしていました。しかし、稲盛さんの下で、全体の意識が変わりました。利益追求と安全維持は相反するものではなく、むしろ相補的であるという認識が根付いたのです。

リーダー教育を実施

選ばれた52名を対象にした「リーダー教育」と呼ばれる勉強会が行われました。毎日の勉強会で、稲盛氏は「利他の心」に焦点を当て、誰のために仕事をしているのかという問いを投げかけました。これにより、社員はお客様、銀行、株主などのために再建への取り組みを強く思うようになりました。

アメーバ経営の導入

社員の意識改革が徐々に進んできたタイミングで、アメーバ経営を導入します。アメーバ経営は、小集団で採算を管理する経営手法です。これによって、社員が数字を意識し、主体的に経営に関わるよう促しました。1便ごとに収支を管理するなど、無駄な経費の削減が図られました。

このように、JALの再建は、社員の意識改革とそれに伴う経営の仕組みの変更によって実現されたのです。

 

成功事例③意識改革で心の病気が完治 – 富岡光学(京セラオプテック)

次は稲盛さんの弟子であり、免許皆伝とされた福永正三さんの意識改革事例をご紹介します。(参考図書:会社再建)私も二回だけですが、お会いさせていただき、薫陶を得ることが出来ました。

福永さんは昭和62年、京セラから富岡光学に出向となり、同社の再建を託されます。富岡光学は京セラがヤシカを合併したことによって京セラグループに入った会社です。累積赤字は30億円、月に1億円もの赤字を出し続けているという問題企業でした。京セラから再建のために社員が送り込まれてきましたが、それでもうまく行かず、福永さんに白羽の矢が立ったのです。福永さんは当時50歳。今後の人生を考えると出稿することに悩みますが、稲盛さんから押され、再建を担うことを決断しました。

心が病気の会社

当時の富岡光学は、福永さん曰く、「心が病気」の会社でした。社員はやる気を失い、経営者と社員の距離も空いてしまい、それが業績不振につながっていたのです。社員の服装もだらしなく、就業開始時間を過ぎても半分も出社していないという状況でした。その状況を見て福永さんは逆に闘志を燃やします。

半日は挨拶、半日は掃除

福永さんはまず朝、会社の門に立って社員に挨拶をすることから始めました。まるで学校の先生のようです。最初はみんな挨拶を返してくれませんでしたが、徐々に返事を返してくれるようになります。

次に行ったのが掃除です。掃除は外部の会社に委託していましたが、それを止め、自ら掃除をし始めました。このような当たり前のことを続けることで、徐々に社員との心の距離が近づいてきました。

管理者向けの講義を続ける

その後、管理者向けに毎日1時間の講義をするようになります。話す内容は、会社の現状、そして、それをどのように変えていくかを京セラフィロソフィーをもとに語ったと言います。これも最初は何の反応も無かったり、寝ている人もいる状態でしたが、徐々に理解者が増えていきます。

スローガン「自立自活」を打ち立てる

そして、「自立自活」というスローガンを打ち立てます。当時、富岡光学は、膨大な赤字を京セラからの資金注入で賄っている状態であり、社員の給与も京セラからのお恵みで出していたのです。それではホームレス状態と同じだと公言し、自分たちの給与は自分たちで稼ぐという意味で、自立自活を掲げたのです。

時間当たり付加価値を指標に

福永さんは京セラの教え通り、時間当たり付加価値を上げていこうということを社員に伝えます。そして、70人の社員を帯同して、近所にあった自動車工場を見学しに行きます。その工場でド真剣に働く社員たちを目の当たりにして、福永さんは自社の社員に言います。「この工場でバイトさせてもらったほうが儲かるん違うか?」と。

すると1人の社員が口を開きました。「それだけはやめて下さい」この言葉がきっかけとなり、社員たちは自分たちに足りなことを自覚しはじめました。これまでは福永さんが一方的に改革を唱えるだけでしたが、社員から自発的に改革の意欲が生まれてきたのです。

新しいビジョンの提示

赤字が黒字になり、利益が出るようになってきたころ、富士山の見えるところに工場を立てよう、という夢を語ります。実際に富士山をバックにした工場の絵を描き、将来のイメージを社員を共有しました。そして、平成5年に木造の社屋を取り壊し、新工場を竣工することになりました。実際には富士山が見える場所ではありませんでしたが、新工場の完成によって、名実ともに(平成3年に京セラオプテックに改称)、会社が生まれ変わったのです。(2018年に京セラへ経営統合)

成功事例④意識改革はムダ? – 無印良品

無印を展開する良品計画は、意識改革と仕組み化をすることによって、V字回復を果たしました。

かつて、創業者の元、属人的なやり方で成長してきた同社は、店舗数が増えると同時に業績の低迷に悩まされることになりました。

そこからV字回復した理由は、徹底した仕組み化、マニュアル化を通じて、社員の意識を変えていったことにありました。



同社の改革を率いたリーダー松井氏は次のように語っています。

人の意識はなかなか変わらない。しかし、仕組みに納得して、実行するうちに人の意識は自動的に変わっていく。

これはまさに人の意識を変えるための本質をついています。

意識と仕組みの両方を変える

先に例に出したゾーホージャパンやJALについても、意識改革をしようとするだけではなく、その意識を定着させるために、仕組みの変更を行っています。ゾーホージャパンの場合であれば、事業モデルの変更や採用、育成の仕組みの変更です。JALの場合には、アメーバ経営という経営の仕組みを導入しました。

無印良品が導入した仕組みの代表例としては「ムジグラム」が知られています。ムジグラムについては以下の記事で詳しく解説しておりますので、合わせてご覧ください。

MUJIGRAMを完全解説。無印良品の最強のマニュアル運用術

 

意識改革の方法まとめ

以上、意識改革についての事例をご紹介しました。これらの事例をもとに、意識改革の方法をまとめておきましょう。

大義名分に基づく不退転の決意

意識改革は率いるリーダーの不退転の決意によってなされます。事例で見てきたようにそれに反対する社員もいるため、彼らを説得するには、大義名分が必要となります。

幹部の意識改革

意識改革は幹部メンバーからスタートします。そのためには、会社の現状を突きつけ、変わらないといけない理由をわからせる必要があります。これは事例でご紹介した会社が共通して実行していることです。

仕組みの改革

幹部メンバーの意識改革を進め、協力者や理解者が出てきた段階で、会社の仕組みを変えていきます。これによって、リーダーが言っていることの本気度が伝わります。リーダーが意識を変えろといくら言っても、現実が何も変化しなければ社員の意識はすぐに元に戻ってしまいます。だから仕組みの改革が必要なのです。

ここではいわゆるストーガンを掲げ、仕組みを改革していくための指針とすると良いかもしれません。

社員の意識改革

仕組みの改革を通じて、社員の意識改革がされていきます。無印良品の事例でご紹介したように、仕組みに納得して行動すると、意識も変わっていくのです。

新しいビジョンの提示

社員の意識変革が実感できるようになったら、新しいビジョンを提示します。(例:富士山の見える場所に工場を)これまで社員たちの意識がマイナスだったとすると、意識改革でゼロまで戻せたのです。それを今度はプラスに持って行くために、新しいビジョンを掲げるのです。そして新しいビジョンに向かうための計画を立案し、実行していきます。これによって、意識改革はいったん完成を迎えます。

意識改革と仕組み改革なら仕組み経営へ

以上、意識改革の方法について見てきました。仕組み経営では、仕組み化を通じて意識改革を実現し、仕組みで成長する会社への変革をご支援しております。詳しくは以下の仕組み化ガイドブックをダウンロードしてご覧ください。

 

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