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業務マニュアルの作り方〜おさえなきゃまずい4つのコツ〜

今回は、マニュアルの作り方を解説します。

「業務マニュアルを作りたいけど、面倒だし難しそう」

なんて言われて後回しにされがちなマニュアル作成ですが、本記事では5ステップで簡単にできる、失敗しないマニュアルの作り方を解説しています。

これまで非常に多くの会社のマニュアル作成をご支援してきた私達「仕組み経営」のノウハウをたっぷり盛り込み、作り方だけでなく、おさえるべきマニュアル作成のコツやテンプレートも紹介しています。

是非最後までご覧ください。

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マニュアルの作り方 -ステップ0:種類分け-

マニュアルを作り始める前に、マニュアルにはどんな種類があるのか?を把握し、
どの種類のマニュアルを作りたいのかを認識ておく必要があります。

これにはいくつかの切り口があります。

マニュアルを利用する層による種類分け

マニュアルの分け方

マニュアルの分け方

まず利用する層による種類分けです。あなたが作ろうとしているマニュアルは誰が使うものでしょうか?たとえば、通常の店舗ビジネスであればざっくりと大きく分けると2種類のマニュアルがあります。

オペレーションマニュアル

オペレーションマニュアルは店舗を運営するためのものであり、いわゆる現場のマニュアルです。たとえば接客の仕方から会計の仕方、商品陳列の仕方などが書いてあるものです。普通の人がマニュアルと聞いてイメージするのは、このオペレーションマニュアルのことだと言えるでしょう。仕組み化、マニュアル化でV字回復を果たした無印良品は、このオペレーションマニュアルだけでも2,000ページあるといわれています。

マネジメントマニュアル

マネジメントマニュアルはより経営層に近い人たちが使うものです。店舗ビジネスの場合で言えば、店舗開発や採用、人材育成、人事について、等々非常に多岐にわたる内容が書かれています。無印良品のマネジメントマニュアルはオペレーションマニュアルよりさらにボリュームがあるともいわれています。

あなたの会社に必要なマニュアルは?

いまは店舗ビジネスを例にしましたが、他の業態でも同じです。現場の作業レベルのことを書いているオペレーションマニュアルと、経営をどうやるか?組織をどう動かすか?というマネジメントマニュアルに分けることが出来ます。

マニュアルの種類例(仕組み経営の資料から抜粋)

マニュアルの種類例(仕組み経営の資料から抜粋)

またフランチャイズチェーンなどでは、さらに加盟店開発用、本部運営用、などのように細かく種類分けしているケースがあります。ともかく、あなたの会社にどんな種類のマニュアルが必要なのか?を決めることが最初の一歩です。

マニュアルのフォーマットによる種類分け

次にフォーマットによる種類分けがあります。これは各社の定義の仕方によりますが、私たちは手順書やチェックリスト、業務フロー図などもマニュアルの一種と捉えています。

マニュアルの種類

マニュアルの種類

手順書

手順書は一般的なマニュアルのイメージに近いものです。その業務を行うための手順を記載したもので、ステップ1はこれ、ステップ2はこれ、、、というように業務の流れを記載します。

業務フロー図(プロセスマップ)

業務フロー図は、手順書を図にしたものと考えればわかりやすいでしょう。

ブログ記事制作の業務のフロー図例

ブログ記事制作の業務のフロー図例

チェックリスト

チェックリストは、その業務を行うために忘れてはならない項目をリストにしたものです。飲食店などのトイレに行くとたまに掃除のチェックリストが置いてありますがあれのことです。掃除のような簡単な業務から飛行機の点検のような人の命にかかわる重要な業務まで、さまざまなシーンで活用されます。

マニュアルの目次

マニュアル作成の際に、目次を作るべきか?と悩む人は多いのではないでしょうか。

もしあなたが単発の業務についてマニュアルを作りたい、というのであれば目次はいらないでしょう。

しかし、より体系的に会社の業務をマニュアル化していきたいのであれば、目次が必要です。先ほどの無印良品のように2,000ページはないにしても数十ぺージにわたるのであれば、目次があったほうが良いです。

私たちも多くの企業のマニュアル作成の支援をしていますが、最初に頭を悩ませるのが、マニュアルの目次をどうするか?です。

目次というのは、その会社の業務をどう分解するか?によって大きく異なるものであり、私たちがやっているように体系的なマニュアルを作るには、ちょっとしたノウハウが必要です。まずは、自社にどんなマニュアルが必要かを考え、それらをリストするだけでも目次として機能するでしょう。

マニュアルの作り方 -ステップ1〜5-

マニュアルの作り方を5ステップで解説します。

ここからはあなたがどの業務をマニュアル化したいか?を想像しながらご覧ください。

ステップ1.対象業務名を決める≒マニュアルのタイトル

まずマニュアルの対象となる業務名を決めましょう。

これがマニュアルのタイトルにもなります。簡単なように思えますが意外と重要です。

会社の規模が大きくなってくると、社内で使われる言葉にブレが生じます。

誰が見ても、”この業務のマニュアルである”と理解できることが大切です。

ステップ2.マニュアルの対象業務の目的を書く

マニュアル作成でとても重要なのが、対象業務の目的を明確にし、記載することです。

重要である一方、ほとんどの会社のマニュアルには目的が欠けています。

目的はなぜその業務が存在するのか?を記載したものであり、会社のビジョンやブランドと各業務を結びつける非常に重要な役割を果たします。

目的を理解することなしに、手順通りに行うだけではいわゆるマニュアル人間が出来上がってしまいます。

たとえば、「ブログ記事制作」のマニュアルを作るとしましょう。この業務の目的は”読み手に取って価値ある情報を提供すること”です。この目的を理解しないまま手順だけに従ったとしたら、SEOを意識しすぎて、人が読みにくい記事が出来上がってしまうかも知れません。

実際に私たちが使っているマニュアルを例にしてみましょう。以下は、私たちが提供している仕組み経営ファシリテータートレーニングのマニュアルの目的になります。

【実例:仕組み経営ファシリテータートレーニングのマニュアルの目的】

仕組み経営ファシリテーターが、

・仕組み経営の理念体系、原理原則、講座内容を理解し、正しく活動し、活躍できるようにすること。

・ファシリテーター同士で相談しあえる、応援しあえるコミュニティを作ること。

・活動計画を立案し、トレーニング直後から活動をスタートできる状態にすること。

このように、対象業務の目的を明確することは、会社側の意図を正しく伝えるためにも欠かせないのです。

ステップ3.マニュアルの対象者やリソースを書く

次にそのマニュアルは誰が使うのか?(対象者)、その業務を遂行するにあたって必要な道具やツール(リソース)を記載するようにします。

ステップ4.手順を書く(手順書の場合)

対象業務の手順を書きます。(チェックリストの場合にはチェックリストを書きます)ここでの注意点は、手順の粒度と手順の数です。

手順の粒度

手順の粒度とは、どれくらい細かく書くか?です。

たとえば、「電話で新規アポイントを取る」という業務があったとしましょう。このマニュアルで、”受話器を上げて、電話番号をプッシュする”という手順まで書く必要が無いのは明らかです。

粒度の決め方にもノウハウが必要ですが、少なくとも御社内にてどれくらい細かく書くか?を統一しておくことが大切です。

手順の数

一つのマニュアルにつき、10個以上の手順がある場合には、マニュアルを二つに分けましょう。10個以上手順があると複雑になり、作業時にミスが生じる可能性があります。

マニュアルの作り方ステップ4、手順を書く

仕組み経営のファシリテーターマニュアルからの抜粋

ステップ5.基準を書く

基準というのは、対象業務を行うにあたって注意すべき点や守るべき点を書いたものです。

手順でカバーできなかった細かい点を必要に応じて書きます。

マニュアル作成のコツ

これだけは押さえてほしい、マニュアル作成のコツを4つ紹介します。

マニュアル作成のコツ①差別化

一つ目は、「書かれている内容が差別化されていること」です。

成長している企業には、だいたい自社独自の仕事のやり方があります。有名なのがHPウェイとかトヨタウェイなどです。

たとえば、営業マニュアルを作る場合を考えてみます。同じ業界であっても、A社の営業方法と、B社の営業方法は違うはずです。その違いが両社の営業成績の違いに現れ、結果として競争力の違いにつながります。

ですから、営業マニュアルを作る際には、まず営業方法の違いが何なのかを知り、マニュアルに落とし込む必要があるということです。単にマニュアルがあるだけではなく、その内容が他社と差別化されていることで、自社の競争優位性が生まれます。

マニュアル作成のコツ②標準化

二つ目は、「書き方が標準化されていること」です。

複数人でマニュアルを創る場合、その書き方が標準化されていることが必要です。フォントや文体はもちろん、含まれる要素も統一します。

要するに、マニュアルの書き方もマニュアル化する必要があるということです。たとえば、我々がお伝えしている標準的なマニュアルの書き方は

・マニュアルの目的
・担当職位
・手順
・基準
・必要なリソース

等が含まれています。

このフォーマットに沿うことで、誰が作っても同じようにマニュアルが出来ます。

マニュアル作成のコツ③シンプルさ

三つ目は、「シンプルであること」です。

マニュアルはシンプルであるほうが、作る際にも使う際にもメリットがあります。

そのためには、マニュアル化しようとしている仕事内容自体をシンプルするか、対象の仕事をより細分化することで、マニュアルも細分化します。

マニュアルを作る基本的な目的とは、マニュアルに書かれている通りにやれば、そうじゃない場合よりも、効果的、効率的に成果が出せるというものです。そのためには、上記3つのコツを使って優れたマニュアルを作ることが必要となります。

マニュアル作成のコツ④明確さ

四つ目は、「言葉を明確にする」です。何も知らずにマニュアルを作ると、●●を心掛ける、●●に注意する、などのあいまいな言葉が出てきます。これらのあいまいな言葉遣いはあまりお勧めできません。マニュアルで指定する作業や手順は、可能な限り数字で測定できるくらいの明確さが求められます。たとえば、「周りに注意する」というあいまいな言葉があったら、これを「前後左右を2回、見回して何もないことを確認する」というように明確な言葉にします。

マニュアル作成のテンプレート

マニュアル作成にあたって、テンプレートが欲しい、という人も多いでしょう。

要はマニュアルにどういう項目が必要か?ということです。私たちが推奨しているマニュアルに含めるべき項目は以下の通りです。

  • マニュアルのタイトル名
  • 文書番号
  • 作成日(改定日)
  • 目的
  • 担当者
  • リソース
  • 作業手順
  • 作業基準

上記項目は、作成時に必ず盛り込みましょう。

もしもワードでマニュアル作りを行う場合は、Microsoftが提供しているマニュアルのテンプレートがおすすめです。

マイクロソフトのマニュアルテンプレート:Professional manual

マニュアル作成におすすめなツールやソフトは、下記記事で紹介しています。

マニュアル作成にお勧めのツールとソフト

マニュアル人間への対応

さて、この記事をご覧の方は自社にマニュアルを取り入れたい、と思っていると思います。

一方、社員がマニュアル人間になってしまったらどうしよう?という不安をお持ちの方もいると思います。そこで、社員をマニュアル人間にさせないための対応法をご紹介しておきます。

価値観とマニュアルのバランスを取ろう

Airbnbの創業者、Brian Chesky氏は次のように言っています。

文化が強ければ強いほど、会社が必要とする企業内のプロセスは少なくなる。(中略)すると人々は独立し、自律的になれる。彼らは起業家になれるんだ。

これはどういうことかと言いますと、社内での価値観の共有度が高ければ高いほど、マニュアルは最小限で済む、ということです。阿吽の呼吸が通じる関係性が社内で作れていればマニュアルは少なくて済みます。これは肌感覚でもイメージが付くと思います。

このことを端的に表しているのが、マクドナルドとスターバックスの違いです。この両社、どちらも世界的に展開している巨大チェーン店です。しかし、大きな違いがあります。

マクドナルドはオペレーションの正確性を重視した経営をしています。彼らは世界中の人をお客様にするために、どんな人でも正しくオペレーションが出来るようマニュアルが作られています。

それに対して、スターバックスは価値観の共有を重視した経営をしています。そのため、彼らの接客方法などにはある程度の自由さが認められます。

このように、自社内で価値観が共有されていればいるほど、オペレーションレベルのマニュアルは軽くて済み、社員がマニュアル人間化するのを防ぐことが出来ます。

仕事に大局観を与えよう

次の有名な逸話をご覧ください。

「二人の石切職人」

旅人が、ある町を通りかかりました。その町では、新しい教会が建設されているところであり、建設現場では、二人の石切り職人が働いていました。

その仕事に興味を持った旅人は、一人の石切り職人に聞きました。あなたは、何をしているのですか。その問いに対して、石切り職人は、不愉快そうな表情を浮かべ、ぶっきらぼうに答えました。

このいまいましい石を切るために、悪戦苦闘しているのさ。

そこで、旅人は、もう一人の石切り職人に同じことを聞きました。

すると、その石切り職人は、表情を輝かせ、生き生きとした声で、こう答えたのです。

ええ、いま、私は、多くの人々の心の安らぎの場となる素晴らしい教会を造っているのです。

どのような仕事をしているか。それが、我々の「仕事の価値」を定めるのではありません。その仕事の彼方に、何を見つめているか。それが、我々の「仕事の価値」を定めるのです。

(田坂広志氏HPより抜粋)

この二人の石切職人の違い、それは仕事に対して大局観を持っているかどうか?です。この例では大局観を持っているかどうかは個人個人に依存していましたが、マニュアルを作る側の経営者やリーダーは、社員がマニュアル人間にならないために会社のビジョンや理念を伝える必要があります。

人はだれしも、大きなものと繋がりたい、という帰属欲求を持っています。それを与えるのは経営者の役割です。”うちの会社はこのような世界を目指している。そのためにこの仕事が必要なんだ”と言える必要があるのです。先ほど、マニュアルの中にその業務の目的を入れましょう、とお伝えしましたが、これもそのためです。

欧米のチェーン店の逸話があります。彼らはスイス時計を分解し、それぞれのパーツがどのようにして時計全体に貢献しているのかを学ばせるそうです。スイス時計は膨大な数のパーツがありますが、どれを取っても欠かせない存在であることを理解させるのです。

この体験から、社員は、一人ひとりが行っている仕事は小さなことに思えるかも知れないが、どれをとっても、会社全体が機能しなくなる、ということを理解するのです。

マニュアルは見るものではなく、改善し続けるものであるという意識を与えよう

これは非常に大事なポイントです。マニュアルというのは、見るだけのものではなく、改善し続けるものである、という意識を社員と共有しなくてはいけません。マニュアルを見て作業するだけだったら、まさにマニュアル人間です。

そうではなく、マニュアル化というのは、より良い仕事のやり方を探し続けるプロセスだということを全社員に伝える必要があります。そのためにも、マニュアル作成は外部に任せるのではなく、自社内で作っていくことが大切です。

このテーマは以下のページで解説しています。

マニュアルを制作/代行会社に依頼しないほうが良い理由

マニュアル作成で成功した事例

ここでご紹介したマニュアル作成のやり方で実際にマニュアルを作り、成功した事例をいくつかご紹介します。

社長と会社を救った仕組み化 株式会社デジタルスタジオ 代表取締役 板橋 憲生 様 インタビューレポート

【介護事業のマニュアル化事例】100人以上の組織をほぼ出社無しで運営する方法とは?

【マニュアル化事例】仕組み化で社員の離職率低下に成功!2018年10月インタビューレポート エイチアールプラス社会保険労務士法人 代表社員 佐藤 広一様

造園業の経営者が大成功した方法とは?

 

最後に

以上、マニュアル作成の方法をご紹介してきました。

これだけでも基本的な作業のマニュアル化は可能だと思います。

一方、本当の意味でマニュアルを活用し、会社を成長させていくためにはまだまだ入り口と言えます。私たちが提唱している”仕組み経営”では、会社の仕組み化レベルを次のように定義しています。

仕組み化レベル

仕組み化レベル

ここでご紹介したとおり、基本的な業務をマニュアル化すると仕組み化レベルの2くらいまでは到達可能になります。しかし、ご覧のとおり、そこはまだまだ組織としては入り口と言えます。

私どもでは、会社の理念(ミッションや価値観等)が反映された仕組み作り、マニュアル作りを進め、会社を成長させていくためのご支援をしていますので、ぜひ以下から詳細をご覧ください。

 

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