プラットフォームビジネスの成功例一覧から見る特徴とマネタイズ方法

プラットフォームビジネスとは?成功例一覧と収益モデル・始め方



Google、Amazon、Airbnb、Uberなど、急成長を見せるビジネスは全てプラットフォームビジネスモデルを採用しています

サプライヤーから利用者に提供するだけであった従来のリニアビジネスモデルから、サプライヤーと利用者を繋ぐ場所を提供するプラットフォームビジネスモデルへITを中心に産業全体がシフトしています。

この記事では、プラットフォームビジネスとは何かを説明したうえで、種類別の成功例一覧、収益モデル(マネタイズ方法)、成功する要因と失敗する理由を解説します。最後に、中小企業が始める前に考えておくことも整理しました。

ぜひ最後までご覧ください!

プラットフォームビジネスとは

プラットフォームビジネスとは、売り手と買い手のように立場の違う利用者どうしを引き合わせ、その取引を成り立たせる場を提供するビジネスモデルです。自社では商品をつくらず、場を運営することで収益を得ます。

ここでいう利用者とは通常、供給者(売り手、サービスプロバイダー、コンテンツクリエイターなど)と需要者(買い手、サービスシーカー、消費者など)に分けられます。

従来型のリニアビジネスでは、供給者が全部を自力で行っていました。商品やサービスを作り、販路を開拓し、営業・マーケティング・契約・支払いまでを担っていたのです。

一方、プラットフォームビジネスの事業者は、自ら製品やサービスを作りません。供給者と需要者をつなぐ役割を果たし、手数料や利用料を収益にします。

プラットフォームビジネスには実店舗型もオンライン型もあります。インターネットとスマートフォンの普及によって、近年はオンラインで一気に広がりました。

リニア型のビジネスモデルとの違い

違いは、価値がどこで生まれるかにあります。

  • リニア型……自社が商品をつくり、顧客に届ける。価値は自社の工場や店舗で生まれる
  • プラットフォーム型……自社は場を用意するだけ。価値は利用者どうしの取引のなかで生まれる

リニア型の会社が大きくなるには、つくる量を増やすしかありません。プラットフォーム型は、利用者が増えるほど場の価値が上がります。この構造の違いが、急成長する会社にプラットフォーム型が多い理由です。

プラットフォームビジネスのメリット

プラットフォームビジネスにはプラットフォーム運営側、利用者側にとって多くのメリットがあります。

プラットフォーム運営側のメリット

  • 製品/サービスの開発投資がない
  • 低コスト・リスクで始められる
  • スケールしやすい
  • ビッグデータを集められる
  • エコシステム自体を作るため、管理の手間が少ない

プラットフォーム利用者側のメリット

  • 取引や支払いなどにかかるトランザクションコストの削減
  • 顧客-事業者のトラブルの減少
  • 顧客-事業者の共通のコミュニケーションツール
  • 顧客/事業者さがしの効率化
  • 多数の商品/サービスの一括比較検討

プラットフォームビジネスの種類別の成功例一覧

プラットフォームビジネスの種類別の事例一覧

The Complete Guide to the Revolutionary Platform Business Model

プラットフォームビジネスモデルを採用した多種多様なサービスが台頭していますが、ざっくり以下の10タイプに分類されます。

各タイプとその例を見てみましょう。

  1. コミュニケーションプラットフォーム

    LINE、WhatsApp、Skype

  2. ソーシャルプラットフォーム

    Facebook、Instagram

  3. メディア&コンテンツプラットフォーム

    Youtube、Netflix

  4. サーチプラットフォーム

    Google、ヤフー

  5. デベロップメントプラットフォーム

    Android、AWS、Googleクラウド

  6. コントロールドプラットフォーム&アプリプラットフォーム

    Apple Appstore、Gaming Console、Google Play

  7. サービスプラットフォーム

    Ubereats、Booking.com、Freelancer.com

  8. アセットシェアリングプラットフォーム

    Uber、Airbnb

  9. プロダクトプラットフォーム

    Amazon、楽天

  10. トランザクションプラットフォーム

    クレジットカード、PayPay、LINE Pay、PayPal

プラットフォームビジネスのマネタイズ方法(収益モデル)

プラットフォームビジネスの収益モデルは、大きく4つに分けられます。どれか1つに絞る事業者もあれば、組み合わせる事業者もあります。

選ぶときの目安は「どちらの利用者が、何にお金を払う理由を持っているか」です。取引そのものに価値があるなら手数料、相手に出会えることに価値があるならアクセス課金が向いています。

マネタイズ方法⑴手数料

プラットフォームの利用者間の取引が行われた際に、手数料を取るやり方です。

メルカリやAirbnbなどは、プラットフォームのサービス手数料を享受しています。

手数料は、固定価格の場合もあれば、取引額に対する決まったパーセンテージを取る場合もあります。

ただし取引額に対する割合で取る場合は注意が要ります。額が大きくなると利用者が手数料を嫌がり、プラットフォームの外で取引しようとする可能性があるからです。

そのため、UberやAirbnbなどは、取引が成立した後に利用者間のコミュニケーションを許す仕組みを導入しています。

マネタイズ方法⑵アクセスに課金

LinkedInでは、個人ユーザーは無料でサービスを使うことができます。一方、リクルーターはLinkedInのプラットフォームをリクルーティングに利用するために料金を払う必要があります。

これは、顧客にリーチするために事業者が課金をする仕組みで、時にマッチングアプリでも採用されています。


マネタイズ方法⑶上級アクセス課金

ソーシャルメディアプラットフォームの多くは、企業がユーザーにリーチし、マーケティング活動をする場となっています。

しかし、多くの広告や情報が飛び交うソーシャルメディアで、ターゲットのユーザーグループにリーチするためには人1倍目を引く必要があります。

企業が目立つプロモーションやターゲットを絞ったアプローチをすることに対し、プラットフォームは料金を課します。

こちらはFacebookの広告などで採用されています。

マネタイズ方法⑷プレミアム機能への課金

多くのプラットフォームビジネスは基本サービスを無償提供していますが、より便利で有用な機能の利用へ料金を課すことがあります。

例えば、YouTubeは無料ですが、プレミアム会員へ課金すると広告の非表示やバックグラウンド再生が可能になります。

 

プラットフォームビジネスモデルの2つの特徴

プラットフォームビジネスモデルには、次の2つの特徴があります。

ネットワークエフェクト

ネットワークエフェクトとは、プラットフォームの利用者数が増えるほど、プラットフォームの価値が上がるという考え方です。

例えば、もしあなたの周りで1人しかFacebookを使っていなかったら、あなたは恐らくFacebookに興味も示さないでしょう。
しかし、もし10人の近しい友達が使っていたらどうでしょうか?
きっとあなたも登録したくなるはずです。

これがプラットフォームビジネスにおけるネットワークエフェクトです。

これはソーシャルプラットフォームだけでなく、全プラットフォームに当てはまります。

例えば、3社の商品しか買えないECサイトと、10社の商品を同時に比較検討できるECサイトの場合、後者に消費者が集中します。

事業者が少ないプラットフォームでは消費者も利用する価値を見出せないし、顧客が見つからないプラットフォームは事業者にとって販路とはならないためです。

つまり、プラットフォームビジネスにおいては、ユーザーを多く獲得したものが勝ちます。

エコシステム

プラットフォームビジネスは、利用者の取引やつながりを促進するエコシステムによって成り立っています。

プラットフォームのエコシステムは、以下の4つの要素を持っています。

  • プラットフォームビジネスを行うスペース
  • 参加するプレーヤー
  • プラットフォームのルール
  • プレーヤーに提供されるツール

このエコシステムの良し悪しによって、プラットフォームが利用者(事業者と消費者)を増やすことができるかどうかが決定します。

例えば、メルカリは中古品売買のプラットフォームです。使いやすい画面、写真だけで出品できる手軽さ、詐欺を減らす支払いの仕組みや出品ルールを備えています。それによって利用者を増やし、急成長してきました。

プラットフォームビジネスでは、事業者と消費者の両方が使いやすいエコシステムを提供し、利用者数を増やすことがとても重要です。

見落とされやすいのは、4つの要素のうち2つが「ルール」と「ツール」だという点です。プラットフォーム事業者が実際に売っているのは商品ではなく、取引がうまくいくためのルールと手順です。つまりプラットフォームビジネスは、仕組み化そのものを商品にしたビジネスだと言えます。

プラットフォームビジネスの成功要因|4つのポイント

次に、プラットフォームビジネスを成功させるポイントを紹介します。

プラットフォームビジネスには、供給側と需要側があります。

上記のネットワークエフェクトで述べたように、両者は互いの数に影響を受け、一方が増えれば他方が増える特徴にあります。

そのため、プラットフォームビジネスでは、供給側か需要側のどちらか一方の利用者獲得に集中する戦略が一般的です。

もしくは、UberやAirbnbのように既存でなかった供給者を新たに確保・提供することで需要者を増やす場合もあります。


これらの利用者獲得の戦略は、4つのアプローチに分類されます。

⑴既存供給者へ新しいネットワークを提供する

Expediaやぐるなび等の予約サイトは、既存の事業者へ新たな需要者(顧客)のネットワークを提供しました。

このタイプは、既存供給者の情報を集約することで需要側の情報収集・精査を効率化し、需要側を一箇所に集めることに成功しています。

一度需要側のユーザーを集めてしまえば、ユーザーのボリュームを武器に供給サイドに割引やクーポン発行を交渉でき、それによって更に需要側のユーザーのエンゲージメントを高めることができます。

Expediaもぐるなびも、供給者側から広告への課金などでマネタイズしています。

⑵新たな供給カテゴリを作り出す

先に紹介したUberやAirbnbなどのプラットフォームは、全く新しい供給サイドを作り出しました。

Uberは、タクシーが担っていた車での移動を、一般の人が運転する車に同乗する形で置き換えました。利用料が大きく下がったことで、多くの需要者がプラットフォームに参加しました。多くの利用者を獲得したUberは、配車手数料で収益を上げています。

⑶需要側ユーザーの早期獲得

FinTechなど、供給側のビジネスモデルに大きな変革をもたらす分野においては、供給側よりも需要側ユーザーのスケールが非常に重要になります。

需要が多ければ供給サイドの経営に関する意思決定にかなりの影響を与えられるためです。

例えば、QRコード決済のPayPayは、QRコードが少しずつメジャーとなってきたタイミングでマーケティングにかなりの投資をしています。

キャッシュバックキャンペーンを数多く打ち出し、早い段階で利用者を増やすことに成功しました。利用者が増えるにつれて、PayPayが使えるお店の数も増えています。

需要側から供給側に影響を与えネットワークエフェクトを活用したスケール戦略です。

⑷既存のユーザーネットワークを活用する

既存のビジネスで、供給側か需要側のどちらかの利用者を多く持っている場合があります。その利用者を土台に新しいプラットフォームをつくれば、ネットワークエフェクトによってもう一方の利用者も獲得できます。

Googleは、検索エンジンの利用者に向けて広告を配信できる場を広告主に提供し、広告で収益を上げています。

供給側、需要側どちらにせよ、既存ユーザーを獲得しているということはプラットフォームビジネスにおいて大きな強みとなるのです。

※参考記事「Googleの収入源と収益構造|ビジネスモデルを完全解説
アマゾンのビジネスモデルも、マーケットプレイスで外部の出店者に場を貸すという点で、プラットフォーム型の要素を持っています。

プラットフォームビジネスが失敗する3つの理由

成功例ばかりが目立ちますが、立ち上げたプラットフォームの多くは利用者が集まらないまま終わっています。失敗の理由は、おおむね次の3つに集約されます。

1. 片側だけが集まって、もう片側が来ない

いちばん多いのがこれです。出店者を集めたのに買い手が来ない、あるいは登録者はいるのに頼める相手がいない。どちらも「相手がいないから使わない」という状態で、利用者から見れば使う理由がありません。

プラットフォームは、両側がそろって初めて価値が出ます。だから立ち上げのときは、上で紹介したようにどちらか一方に絞って先に集めることが欠かせません。

2. 取引がプラットフォームの外に流れる

一度出会った利用者どうしが、次からは直接やりとりしてしまう問題です。手数料を払う理由がなくなるからです。

防ぐには、プラットフォームの中で取引したほうが得になる理由を用意します。支払いの保証、トラブル時の仲裁、評価の蓄積などがそれにあたります。手数料に見合う安心を提供できていなければ、利用者が外へ出ていくのは自然なことです。

3. ルールが決まっていないまま利用者を増やす

利用者が少ないうちは、運営者が一件ずつ対応すれば回ります。ところが利用者が増えると、問い合わせもトラブルも同じだけ増えます。

このときに出品の基準、禁止事項、トラブル時の対応手順が決まっていないと、運営者の手が追いつかなくなります。場の質が下がり、良い利用者から離れていきます。プラットフォームは利用者を集める事業に見えますが、実際に続くかどうかを決めているのはルールと手順のほうです。

中小企業がプラットフォームビジネスを始める前に考えること

プラットフォームビジネスは、巨大なIT企業だけのものではありません。地域の職人と施主をつなぐ、特定業界の発注者と受注者をつなぐ、といった規模の小さいプラットフォームも成り立ちます。

ただし、始め方を間違えると、集客に資金を使い続けて終わります。始める前に次の3つを確認してください。


1. すでに片側の利用者を持っているか

中小企業にとって、いちばん現実的な始め方は4つ目のポイント「既存のユーザーネットワークを活用する」です。取引先、顧客、協力会社など、すでに信頼関係のある人たちがいれば、そこを片側として出発できます。

ゼロから両側を集めるのは、資金力のある会社でも難しい方法です。判断の一問は「いま、声をかければ登録してくれる人が100人いますか」です。

2. 取引のルールを言葉にできるか

自社がこれまで一件ずつ判断してきた取引の基準を、他人が使えるルールとして書けるかどうかを確かめます。品質の基準、価格の決め方、トラブル時の対応などです。

これが書けないうちは、プラットフォームを開いても社長が一件ずつ仲裁することになります。それでは場ではなく、社長個人の仲介業にとどまります。

3. 自社が場を運営する理由を説明できるか

利用者から見て「なぜこの会社が運営する場を使うのか」に答えられるかどうかです。業界の知識、長年の取引実績、特定の地域での信頼など、他社にはない理由が必要です(参考:独自性とは?)。

ここが空欄のまま始めると、大手のプラットフォームと手数料の安さで比べられることになります。

プラットフォームビジネスに関するよくある質問

プラットフォームビジネスとは、わかりやすく言うと何ですか?

市場や商店街の運営者のようなものです。運営者は自分で商品を売りません。売り手と買い手が集まる場所を用意し、場所代や手数料で収益を得ます。これをインターネット上で行っているのが、現在のプラットフォームビジネスです。

プラットフォームとサブスクリプションは何が違いますか?

プラットフォームは「誰と誰をつなぐか」というビジネスの構造の話です。サブスクリプションは「どう課金するか」という料金の取り方の話です。そのため両者は組み合わせることができます。月額料金でプラットフォームを使えるようにする形がそれにあたります(参考:サブスクリプションビジネスとは?)。

プラットフォームビジネスの最大の課題は何ですか?

立ち上げの時期に、両側の利用者を同時にそろえることです。売り手がいないと買い手は来ず、買い手がいないと売り手は来ません。多くの失敗はこの段階で起きています。

小さな会社でもプラットフォームビジネスはできますか?

できます。ただし、最初から全国規模を狙うのではなく、特定の業界や地域に絞るのが現実的です。範囲を絞れば、両側の利用者をそろえる難しさがかなり下がります。

プラットフォームビジネスは儲かりますか?

利用者が十分に集まれば、利用者の増加に比べて運営の手間はそれほど増えないため、利益率は高くなります。一方で、利用者が集まるまでの期間は収益がほとんど出ません。その期間を資金面で耐えられるかどうかを、始める前に見積もっておく必要があります。

まとめ

いかがだったでしょうか?

プラットフォームビジネスは今後も様々な分野で発展し、競争は激化していくでしょう。

新たなマネタイズ方法やニッチ領域での新規プラットフォームがいくつも台頭してくるでしょう。

プラットフォームビジネスにおいて、重要なポイントは以下4つです。

プラットフォームビジネスのポイント

  1. 適切なマネタイズ方法を定める
  2. ネットワークエフェクトを活用してユーザーを獲得する
  3. ユーザーフレンドリーなエコシステムで利用者を惹きつける
  4. 既存ユーザーがいる場合は、プラットフォームビジネスにうまく活用する

加えて、利用者が増えても場の質が保たれるように、取引のルールと手順を先に決めておくことが大切です。利用者を集める力よりも、集まった利用者のあいだで取引がうまくいき続ける仕組みのほうが、プラットフォームの寿命を決めます。

ほかの企業のビジネスモデルについては、NetflixのビジネスモデルAppleのビジネスモデルでも解説しています。

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