ちなみにアフターコロナについてはこちらの記事でも関連した内容をご紹介しています。合わせてご覧ください。
内容の信頼性
この記事は世界No.1の中小企業アドバイザー(米INC誌による)、マイケルE.ガーバー氏著「はじめの一歩を踏み出そう」の内容をベースにしています。世界700万部のベストセラーの内容を日本の会社に当てはめてご紹介していきます。執筆者である私はマイケルE.ガーバー氏のメッセージをおそらく日本で最も多く翻訳したり、代理となって発信してきました。本記事は通常の経営ノウハウと違った内容になっていますが、歴史に裏打ちされた原則をご紹介しています。
経営者がアフターコロナに対応するための原則的な考え方
自分がすべての答えを出さないといけない、という考えを捨てる。
危機の時こそ、経営者にはリーダーシップが求められます。しかし、これは経営者がすべての答えを知っていないといけない、ということではありません。そんなことはそもそも不可能ですからね。それより大切なのは、メンバーと綿密でオープンなコミュニケーションを取り、意思決定を行うことです。
原点を忘れない。
過去を振り返れば、経営危機の時に原点に立ち戻ってV字回復をした会社というのは数知れません。目の前のニュースや他がやっているから、というような理由で焦って自分たちがやるべきではないことをやるべきではありません。
起業家として考える
起業家は常に長期的なビジョンをもとに動きます。危機管理の時でも大局的に見て、この出来事、状況が過ぎ去ってからどうするか?ということを念頭に置かなければなりません。
なので、状況が再び通常の状態に戻ったときのための準備をしておきましょう。そうすれば、短期的な決断を避け、将来に備えた行動をとることができます。
コミュニケーション
不安定な時こそ、社員、顧客、地域社会とのコミュニケーションが非常に重要です。体面を繕ったコミュニケーションではなく、本心からのオープンなコミュニケーションが必要です。
コロナ危機に対応する基本ステップ
1.現在の状況を正しく把握する
数字(現金)を正確に把握する
まず現時点の財務状況を可能な限り正確に把握しましょう。ニュースなどを見ていると、「あと3,4か月くらいこのままだったらマズいかも」というように発言している経営者もいますが、●●くらい、ではなく正確に把握しましょう。これは危機状況にある現在ではなくても大切なことです。いま手元にいくらあるか?今後1か月の売上と利益はポジティブに見積もっていくらか?ネガティブに見積もっていくらか?固定費はいくらか?などいまの現金と1週間後の現金、1か月後の現金、というように数字をシミュレーションすることが大切です。
在庫や備品を把握する
在庫や備品は十分にありますか?製造業の場合には、生産量を増やす必要がありますか?減らしますか?これもシミュレーションしてみましょう。
スタッフ数を把握する
同じくスタッフ数についても今のままの場合、どうなるか?減らした場合どうなるか、シミュレーションをしてみましょう。
2.社員が何を求めているかを知る
リーダーとして意思決定するために、社員が何を求めているのか率直に聞いてみましょう。個人個人の状況によって答えは変わるかも知れません。彼らの不安や恐れ、あなたや会社に対する希望を話す場を提供しましょう。
- 社員はあなたからどんなことを聞きたいと思っているでしょうか?
- あなたがこれから危機対応の計画を立てるにあたり社員から聞いておかないといけないことは何ですか?
3.顧客が今何を求めているか?
顧客が危機的なニーズを抱えていたり、何かを必要としていたりする場合があります。その場合、現在提供しているものとは異なるものを提供する必要があります。ですので、対象とする市場と商品/サービスを再検討します。
- 顧客が必要としているものは変わっていませんか?
- あなたが提供すべきものに関して何か変えるべきことはありますか?
- これらの変更は一時的なものですか?もしそうであれば、どれ位の期間、続くものですか?
- 現在提供している市場、商品/サービス以外で参入を検討すべき市場や商品/サービスはありますか?なるべく早く参入するために何が出来ますか?
- 上記の質問を踏まえて、顧客へのコミュニケーションをいつ、どのような形で行う必要がありますか?
4.短期のビジョンを描く
ピンチはチャンスとはよく言ったもので、過去の偉大なリーダーたちは危機的な時代から生まれたことも多いようです。戦後に成長した日本の家電メーカー、自動車メーカーなどはその典型ですね。
ここでは、危機が去ったときに、自分のビジネスがどうあるべきかを考えてみます。まず、適切な時間軸を設定しましょう。3ヶ月後、半年後、または1年後など、いまの危機的状況が去るであろう日を選びましょう。この日にタイムトラベルしたと考えて、自分のビジネスがどのようになっているかを考えてみましょう。
例えば、危機が過ぎれば、これまでと同じ商品やサービスを同じ顧客に 同じように提供できるかも知れません。もしくは顧客の行動様式や価値観が変わって、違う商品やサービスを提供する必要があるかも知れません。
次に、社員について考えてみましょう。今までと同じ組織図を維持するかどうかを考えてみてください。いま多くの企業がリモート面接など新しい採用方法を取り入れていますが、そういったことも必要かも知れません。
場合によって、複数のシナリオを検討する必要があるかもしれません。下記の各項目について、これからどうあるべきかを考えてみましょう。
商品/サービス
通常の状態に戻ったら、何を追加しますか?何を減らしますか?
顧客
通常の状態に戻ったら、誰を対象にしますか?新しく対象となる顧客は誰ですか?
財務
通常の状態に戻ったときの財務状況をシミュレーションしてみましょう。
マーケティング
通常の状態に戻ったら、どのようなマーケティング手法を使いますか?
5.短期計画
これまでに考えたことを踏まえて、短期計画(4で設定した短期のビジョンに向けて)を立てましょう。誰がいつ、何をしますか?
組織を超えて導く
経営者はまず自分と社員、顧客を守ることが第一です。その見通しが立ったら、もう少し自分の影響力の輪を広げて考えてみましょう。つまり、自分の組織、という枠を超えて導く、ということです。
業界、地域社会、オンラインコミュニティ、場合によっては競合他社のために何かできることはありますか?
危機状態になるとみんなサバイバルモードになり、自分のことで精一杯になります。そんな中、リーダーとなる人はそれまでの自分の枠を超えて人のために出来ることをするものです。SNSでも動画でもいいので、自分のアイデアや考えを共有しましょう。
以上、「アフターコロナに向けて中小企業経営者が考えるべきこと」というテーマでご紹介してきました。ぜひご参考になれば幸いです。
なお、このサイトでは中小企業経営者に役立つコンテンツやサービスを提供していますので、ぜひ以下の情報もチェックしてみてください。