お世話になります。
一般財団法人日本アントレプレナー学会の清水です。
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■さて、あなたのスマホにカバーはつけていますか?
(私は付けていないのですが、、、)
このカバー、市場規模が世界で数兆円に達しており、今後も成長軌道にあるそうです。
そして、その中でもトップ3に入るプレイヤーが、OtterBox社です。
同社の製品を使っている人もいるかもしれせんね。
非上場企業なので売り上げは非公開ですが、1000億円に迫る規模だとのことです。
実は、このOtterBoxの創業者カート・リチャードソン氏は、マイケルE.ガーバー氏の熱心なファンであり、同社内には、ガーバー氏の本が額縁に入れられて飾ってあります。
つまり、いま私たちがお伝えしている仕組み化の方法に沿って会社経営をしてきたことでいまのように成長してきたのです。
今日は同社がどのようにして今のように成長したのかを見てみましょう。
■はじまり
防水ボックス(小さな物を保護するためのもの)のデザインと製作をしていたカート・リチャードソン氏は、1995年に携帯電話の防水ケースの試作品を作り上げました。
それと同時に、ガレージでOtterBoxを立ち上げました。
以降、カート氏はガレージで一生懸命働き続けました。
しかし、最初は夢だったその事業も悪夢へと変わりました。
カート氏は以下のように言っています。
「初期の頃を思い出します。夢を生きていた時のことです。ずっと欲しかった機械工場を手に入れ、『私は目的を果たした』と思った瞬間を覚えています。
しかし機械工場は悪夢となりました。それは単なる仕事になってしまったのです。もはや夢ではなく、長時間労働でありながら、金を稼げない仕事となっていました」
■成長の苦しみ
それでも会社は成長しましたが、同時にカート氏の役割は現場で働く技術者から、マネージャーに代わっていきました。
とはいえ、彼が日々行っていることは火消し役でした。
つまり、日常的に起こるトラブルや問題の解決役です。
日々の焦点は事業を回し続けるために必要なことを行うだけになってきました。そして毎日、同じことの繰り返しとなりました。
カート氏は働けば働くほど成功できると考えていました。最終的には仕事の量に追いつくことができなくなりました。
カート氏はこの時の状況について以下のように語っています。
「私は常に緊急の状況に陥っていました。多くの経営者はその日、どれだけ消火したかによって自分の仕事を感じていると思います。
『今日は素晴らしい一日だった。すべての火を消し、問題を解決した』
しかし彼らは、自分自身が問題の原因だと気づいていないのです。
私も自分で全てをやらねばならないと考えていました。
でも実際には、人々に仕事をさせる必要がありました。
事業が成長するにつれ、一人でできることは限られてくるのです。他の人にリーダーやマネージャーになってもらう必要がありました」
カートはリーダーシップを学ぶ必要性、仕組みやプロセスの必要性に気が付いていませんでした。
自分が何を知らないかを知らなかったのです。
今のままでは仕事を続けられないことはわかっていましたが、何を変え、どう変えるべきかわかりませんでした。
■そんな時、「はじめの一歩を踏み出そう」に出会いました。
ついに、自分の問題点が何かを理解したのです。
カート氏は、毎日の消防活動から解放されるために、仕組みを構築する作業に取り掛かりました。
彼は「明日、この仕事を自分でしなくても良いようにするにはどうすればいいか?」と問いかけました。
それこそが、仕組みが果たす役割だったのです。
社員が毎回同じ作業をやり直す必要がなくなるようにしました。
そのおかげで社員は、その日にすべき仕事と自分に期待されていることをあらかじめ把握して出勤できるようになりました。
会社に仕組み化の発想を導入することで、消防活動の循環から抜け出すことができました。
カート氏はビジョンを伝え、チームが成長し、会社が拡大できるよう、体制や仕組み構築する方法を学びました。
そして、すべての業務がOtterBox流のやり方で行われるようになったのです。
同社のそれ以降の成長の結果は冒頭で述べた通りです。
同社の創業地はコロラド州で、いまでは地元に多大な貢献をした会社としても知られています。
■さて、上記の話からいくつかポイントを振り返ってみましょう。
・自分自身が問題の原因
”会社を発展させたいと最も思っているのは社長であるが、それを一番妨げているのも社長である”
とは松下幸之助氏の言葉です。
この言葉通り、会社がある程度成長すると、社長自身がボトルネックとなり、それ以上の成長を妨げてしまうことがあります。
そこで社長は自分の自我と闘い、皆が活躍できるような仕組みづくりに取り組む必要があるのです。
ちなみに松下幸之助氏は、会長へ退く際に、”松下、邪魔しているのはお前だぞ”というような啓示を受け、退くことにしたという話も残っています。
・社長の仕事を火消しだと勘違いしない
まさにカート氏がしてきた通り、毎日忙しく火消しをすることで満足感を得ている人が多いと思います。
しかしそれは社長の仕事の本筋ではありません。
社長の仕事は会社の未来を明確にし、火が起こらないような仕組みを創ることなのです。
・全ての業務を自社流で行う
仕事を任せられない理由として、自分の思ったように社員がやってくれない、ということがあると思います。
この問題は、自社流の仕事のやり方が決まっていないことに原因があるのです。
自社流の仕事を決めることこそが、差別化にもなり、安心して任せるためのカギとなります。
というわけで、今日はOtterBox社の物語をご紹介しました。
ぜひお役立ていただければ幸いです。
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では本日は以上となります。
引き続きよろしくお願いいたします。