一般財団法人日本アントレプレナー学会の清水です。
さて、2月11日は建国記念の日でしたね。
日本は世界最古の国として知られていますが、
私たちは”仕組みで永続する会社”を目指していただくべく、
それが、「創業理念を語り継ぐ仕組み」です。
創業理念の意味
創業理念は自社がこれまでに存在して来られた理由であり、
老舗として繁栄を続けている会社は、
逆に言えば、創業理念を失った(忘れた)会社は軸足を失い、
創業理念は、創業者が失敗経営を積み重ね、”べからず集”
したがって、創業理念守り抜くことで、
創業理念が業績につながる理由
また、創業理念があることは、会社への信頼にも繋がります。
こういう想いでやってきたんだ、
創業社長の方であれば、
では、「創業理念を語り継ぐ仕組み」をどう創るか?
1.創業理念を文書化する
まず創業理念を文書化することです。
赤福の創業理念
たとえば、伊勢の赤福さんは、赤心慶福(せきしんけいふく)
トヨタ自動車の創業理念
まだ老舗とは言えないかもしれませんが、トヨタ自動車には、「
一、上下一致、至誠業務に服し、産業報国の実を挙ぐべし
一、研究と創造に心を致し、常に時流に先んずべし
一、華美を戒め、質実剛健たるべし
一、温情友愛の精神を発揮し、家庭的美風を作興すべし
一、神仏を尊崇し、報恩感謝の生活を為すべし
という5項目です。
トヨタ自動車には別途会社の理念がありますが、
2.創業理念を物語で強化する
創業理念は言葉なので、
うちの会社も歴史を沿革としてホームページに書いているよ、
しかし、沿革は事実を述べただけであり、
あらゆる宗教が物語で語り継がれているのは偶然ではありません。
物語でしか人の記憶には残らないのです。
歴史とは、虹のようなものである、
水滴が集まっても虹にならないのは、
同様に、歴史の出来事も個々の事実だけではなく、
物語になったときに初めて歴史として理解されます。
たとえば、
・●●年に工場が火事になった
というのは単なる事実であり、当時を知らない人からすると、
しかし、その工場が誕生した経緯や、
さて、とはいえ物語を創るのは作家でもない限り難しい、
創業ストーリーを作る鉄板テンプレート
そんな方には、鉄板の物語テンプレートがあります。
以下の通りです。
- 日常の世界:個人が安定した生活を送り、
日々のルーティンに従っている。 - 天命:ある日、
主人公は偶然にも革新的なアイデアや技術を発見し、 それが彼らの人生や世界に大きな影響を与える可能性があることに 気付く。 - 賭け/決断:
主人公は大きなリスクを冒して新しいビジネスやプロジェクトを始 める決断をする。 - 探索:主人公は新しい世界やビジネスの領域を探求し、
自らの限界を超えようとする。 - 困難:成功への道は容易ではなく、
主人公は多くの困難や挑戦に直面する。それにもかかわらず、 彼らは諦めずに前進し続ける。 - 変革:主人公は過去の自分や既存の状況との決別を経験し、
新しい展望や可能性を追求する。 - ひらめき:ある時、
主人公は問題の解決策や新たなアプローチについてひらめきを得る 。 - 挑戦:主人公は新しい挑戦に取り組み、その過程で成長し、
自らの能力を試す。
本当は物語の設定なども必要ですが、ひとまず、
私の師匠のマイケルE.ガーバー氏は、
- 日常の世界:牧歌的な生活を計画
- 天命:シリコンバレーの起業家と会い、
彼が会社は仕組みであることを知らないことを知る - 賭け/決断:新しいビジネスを始める決断
- 探索:創業した会社をワールドクラスの会社へと成長させる
- 困難:自分が創った会社との訣別
- 変革:過去の自分との訣別
- ひらめき:欠けていたピースを発見
- 挑戦:新しい挑戦として69歳で二回目の創業
清水直樹 ヒーローズジャーニーとは、人を魅了する物語を創るためのテンプレートです。ここではヒーローズジャーニーのテンプレートや経営に活かすための書き方、事例をご紹介していきます。 ヒーローズジャーニー(英[…]
3.創業理念を表現する遺跡を探す、残す
同じく渡部昇一さんによれば、歴史を知るには、
文献は先ほど申し上げた創業理念や物語です。
創業時の物理的なものを残す
遺跡は歴史を物語る物理的なものです。
会社の創業の地や創業時の商品などが当てはまるでしょう。
日本電産(NIDEC)
経営スタイルにファンが多いパタゴニア社も、
パタゴニアの社員さんに聞いたところ、その理由はやはり、
私が秀逸だと思ったのは、公文さんの広告です。
創業者公文公(くもんとおる)
それを見るだけで公文への愛着が湧きますよね。
私もなるべく、昔の写真を残すようにしています。そのうち、
4.創業理念を伝える
あらゆる場所で創業理念を活用しましょう。
すぐに思いつくのは採用活動ですね。
以上、創業理念を語り継ぐ仕組みは、顧客からは信頼を得られ、
しかも良いのが、お金をあまりかけずに出来るという点です。
ぜひ自社に当てはめて考えてみてください。
では本日は以上となります。
引き続きよろしくお願いいたします。