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なぜマクドナルドのレイクロックは大成功したのか?【動画書き起こし 3/4】

 この記事・動画は、マイケルE.ガーバー氏の講演内容を要約し、日本語に翻訳して、「職人型ビジネスから起業家型ビジネスへの変革」というテーマでまとめたものになります。

 

なぜマクドナルドのレイクロックは大成功したのか?【14:00~23:06】の書き起こし

ビジネスの目的は、オーナーがそこに介入しなくてもよくなることだ。あなたのビジネスが、あなたの介入を必要とするなら、ビジネスのせいで好きなときに好きなことができないなら、ビジネスによっていつでも自分の望むことができるようになっていないならば、あなたのビジネスは、これまでの結果と全く同じ結果をこれからも出し続けることになる。ということは、私たちはビジネスにおいて間違ったことに注力しており、変えなければいけないことがあるということになる。

 

トーマス・ワトソンは、ビジネスの先を見通す力を持つ人の典型例だ。その力が、あらゆる素晴らしいビジネスと、それ以外のすべての差になって現れる。ビジネスの先を見通す力を持つ人は、非常に珍しい人ではあるが、その能力は誰でも手に入れることができる。なぜなら、あなたは起業家精神を持っているからだ。

 

問題は、私たちにはその起業家精神が見えてないことである。いつも会社に行き、やらないといけないことをやることで一日を終えてしまう。常にすべき事に追われている。本当になすべきことをするために一日を過ごしているのではなく、一日を終えるために仕事をしているようなものだ。これをやって、あれをやって、これをやって、あれをやって。果たしてそれが本当に重要なことだろうか?

自分がいなければ一日の仕事が終わらない。ビジネスが私に依存しているからだ。おそらくあなたはそう言うだろう。

 

しかし、あなたに言いたい。「ビジネスがあなたに依存しているなら、もしあなたがそこにいなかったらどうなるのだろうか?もしあなたが今日、会社に行かなければどうなるのだろうか?」。

 

もう一人、レイ・クロックという素晴らしい人の話をしよう。あなたはレイ・クロックをご存じだろう。マクドナルドの創業者である。いや、正確には、マクドナルドを創業したのではなく、ミキサーを作っていた。レイはマクドナルドの真の創業者であるマクドナルド兄弟に、麦芽と牛乳のマルチミキサーを売るため、サンバルディーノへと出かけた。レイは、そこで見たものに衝撃を受けたのだ。彼はそれが信じられなかった。それは並外れたビジネスだった。レイはすっかり魅了され、フランチャイズ権を譲ってもらおうとマクドナルド兄弟を説得した。

 

しかし、兄弟にとってはレイなんて必要ではなかった。兄弟は、そんなことよりも、ハンバーガーを作るのに忙しかった。それにマクドナルド兄弟は、レイ・クロックが知らないことも知っていた。実は自分でもフランチャイズをやってみて失敗しているので、レイはマクドナルドのフランチャイズを成功させられないだろうということだ。こうして兄弟はレイにフランチャイズ権を譲り、レイ・クロックはイリノイ州デスプレーンズに向かい、最初のハンバーガー店を開業するために借金をした。

レイはハンバーガーショップの開業資金を借りた。この瞬間、彼は、私の国に、あなたの国に、そして世界中に広がるビジネスの第一歩を踏み出したのだ。これはビジネスにおける卓越した、全くユニークな革命だった。この革命を「ターンキー革命」と呼んでいる。

レイ・クロックが最初のマクドナルドハンバーガーの店舗を開業したとき、彼はハンバーガー店には出勤しなかった。自分ではハンバーガーを作らなかった。フライドポテトも作らなかった。ミルクシェイクも作らなかった。レイ・クロックにとっては、最初のマクドナルドハンバーガーの店舗は大量生産品の試作品だったからだ。だから彼はハンバーガー店には出勤しなかった。ヘンリー・フォードが最初のT型フォードを大量生産品の試作品として見ていたように、レイ・クロックは最初のマクドナルドハンバーガーの店舗を大量生産品のひとつとして見ていた。

 

レイ・クロックは、産業革命の原理をビジネスに初めて適用した。レイ・クロックは、自分のビジネスは、ハンバーガーやフライドポテトやミルクシェイクが重要なのではなく、ビジネス自体に本質があると考えていた。あなたはマクドナルドに行ったことがあるだろうか。マクドナルドで購入するものは、実際のところどれも、製品ではない。ビジネス自体が製品なのである。

 

レイは、彼にとっての最も重要な顧客とは、フランチャイズ加盟者であると考えていた。レイは、世界中に何百万店舗にも広げていく展望を持っていた。ある意味、レイは厚かましかった。今はまだハンバーガー店は1店舗だけれど、いつか月にまで出店してやろうと考えることができたのだ。ビジネスを拡大するためには、彼のもとにフランチャイズ加盟者が集まらなければならない。このように、レイ・クロックのビジネスは、他のハンバーガービジネスと競争するのではなく、他のビジネスチャンスと競争していたのだ。

 

この違いを理解して欲しい。レイは「ハンバーガービジネス」という業界にいたのではなく、「ビジネスチャンスを提供するビジネスをしていたのだ。だから彼がすべきことは、他人よりも優れたビジネスチャンスを作ることだった。レイはフランチャイズ加盟者のことを理解していた。フランチャイズに加盟しようという人、つまりレイの顧客は、どんなビジネスであるのかということは気にせず、ビジネスに対して、2つのものを望んでいたのだ。その二つとは、安全と独立である。

 

通常、独立しようと思ったとき、安全が手に入ることは無い。安全を諦める代わりに、独立を手にするのである。または、安全を手にしようと思ったとき、独立が手に入ることは無い。

 

しかし、レイの作ったフランチャイズシステムは異なる。彼のフランチャイズでは独立と安全が同時に手に入るのだ。レイ・クロックはこう言った。「私のフランチャイズに加盟すれば、一定の独立と安全を享受できる。他のビジネスではなく私からビジネスを買うのだから。そして、いったん買えば、成功すると保証できるから」

レイ・クロックは、システムが普通の人たちを傑出したパフォーマーに変える手段であるということを理解していた。偉大な企業は傑出した人たちを求めているのではない。偉大な企業は普通の人たちを求めて、傑出したシステムにより活用するのだ。なぜなら圧倒的多数の人間は普通なのだから。そうでないなら世界の人たちで真に成功する者がこうも少ない理由を説明できないではないか。

 

オリンピックに出場できる者がこうも少なく、1年で10万ドル以上を現実に稼ぐ者がこうも少なく、価値ある関係を真に築ける者がこうも少なく、ストレスのない人生を送れる者がこうも少なく、目標に掲げたことを本当に実現できる者がこうも少ない理由が説明できないではないか。

 

私たちは普通の人間なのだ。自分が普通の人間であることに落ち込んでいるかも知れない。しかし、レイ・クロックが、彼のような実業家が気づいていたのは、傑出した人たちに依存していたら大企業は築けないということだ。傑出した人たちに依存したビジネスを築いてしまったら、いつつぶれても不思議はない。

普通の興味や、普通のスキルや、普通の望みや、普通のモチベーションを持った、普通の人しか見つからないという事実を受け入れよう。それが私たちの現実なのだ。そして、その人を卓越した生産性を持った人へと変化させるために必要なものを、自分の会社内に構築するのだ。これは部外者にとっては奇跡と思えるかもしれないが、マクドナルドでは、明けても暮れても、変わることのない事実として行われていることだ。

 

米国だけで1万以上ある、どこのマクドナルド店舗においても変わることのない事実だ。米国では2200万の人が毎日マクドナルドを食べている。あんなに不味いものを、と言うかもしれないが、理由があってマクドナルドへ行くのだ。マクドナルドへ行く人は何を得られるかが正確に分かっている。一万店舗、そして2200万人という数を考えてみて欲しい。

標準的なマクドナルド店舗は粗利益で2億円近くを稼ぐが、これは第2位の同業者の倍に近い。標準的なマクドナルド店舗では、税引き前純利益が売上の17%程度だが、これは第2位の同業者の倍に近い。ウェンディーズやバーガーキングが収益性と生産性の低さから20万以上の店舗を店じまいしたのと同じ期間中に、マクドナルドは17分間に1店舗の割合で開店したのだ。94連続四半期の間に年間離職率300%、最低賃金で働く従業員を抱えるマクドナルドは、94連続四半期の素晴らしい、最高の稼働率を記録した。

レイ・クロックには、ビジネスにおける最重要の言葉が何かを分かっていた。顧客に、従業員に、供給元に、貸し主に、オーナーに対して、ビジネスが提供できなくてはならない最重要のこと、1つの言葉 ——その言葉こそ「コントロール」である。世界中のどこを見ても人々はそれを渇望しているが、誰もが手に入れられないでいる。

今この瞬間にあなたに伝えようとしているのは、絶対普遍の法則である。ビジネスにおける成功の秘訣は、ビジネスにおける真の目的を理解することにあるのだ。そして、すべてのビジネスにおける真の目的とは、人々、もちろん、ビジネスオーナー自身も含めた人々に対してもっと豊かな生活を与えることであり、そのためにはコントロールが不可欠なのだ。

 

もしあなたがマクドナルドのフランチャイズを買ったら、マクドナルドの「成功システム」とも呼ぶべきものが与えられる。「きっとうまくいく。心配ない」と彼らは言う。レイ・クロックが創造したプロセスは、世界の企業がかつて実現できなかったほどの巨額の富を生み出した。

 

あなたは次のように言うだろう。「自分はハンバーガービジネスではない。」「自分はファーストフードビジネスではない」「自分は未熟者を雇わない」「自分には優秀な人たちが必要だ」

 

理解して欲しい。ここで言っているのは、あなたが自分のビジネスについて話すことはマクドナルドについても当てはまるということだ。唯一の違いといえば、マクドナルドのビジネスに対するアプローチの仕方が違うということであり、あなたが頭のなかで考えている問題は、全てマクドナルドには解決策が分かっているということだ。あなたは頭のなかで「自分はあんなビジネスにはなれない」と言っているかも知れない。

 

しかし、世界の卓越したビジネスは全部、あんなビジネスになる方法を見つけたのだ。そのビジネスが世の中に登場する以前は、誰も想像していなかった結果を出すことによって、偉大なビジネスへと成長したのだ。