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「社長の重要なマイルストーン」2024年2月26日号


一般財団法人日本アントレプレナー学会の清水です。

さて、経営者が仕組み化に取り組む際、その一つのマイルストーンとして、

”半分リタイア”

というものがあります。

半分リタイアとは、その名の通り、社長業を半分リタイアした状態ということです。

といっても、世間でよく言うセミリタイアなどとは少し意味合いが異なります。



社長と会社との関係性には以下のようなステージがあると考えられます。

1.働き詰め・・・毎日フル稼働。自分がいないと日常業務が回らない。



2.半分リタイア・・・日常業務から離れ、重要な意思決定が中心的仕事。一週間くらい不在でも支障がない。



3.ほぼリタイア・・・自分の代わりに経営に責任を持つ人物がいる。会長職や株主として関わる。



4.完全リタイア・・・完全退職、会社とのかかわりなし。


このように考えると、半分リタイアの状態では、現役社長でありながら、日々の業務から離れ、会社全体の方向性や重要な意思決定に集中することができます。

これによって、社長自身はもちろん、会社にも良い影響が出ます。



■半分リタイアできるとどうなるかというと、、

・自由時間が増える
⇒まず当然ながら自由時間が増えます。海外だと趣味や余暇の時間を増やすという経営者が多いようですが私たちのお客様の例で言うとそのパターンはほとんど無いようです

むしろ、空いた時間で新規事業を考えたり、大学などで学び直しをしたいという方が多く、事業や人生に積極的な方が多いようです。


・経営リスクが減る
⇒日常業務が自分に依存した状態から抜け出すので、自分が急病や事故になった際のリスクが減ります。多少の期間、社長が会社から離れていても、これまで通り顧客に価値を提供し続けることが出来ます。


・経営人材が育つ
⇒社長が会社から離れることで、他のメンバーは自分たちで何とかしよう、と考えます。意思決定の自由度や責任感が高まり、将来の後継者候補の育成にもつながります。


・経営の選択肢が増える
⇒半分リタイアすることが出来れば、社長は自分の人生の選択肢を増やすことが出来ます。たとえば、そのまま維持し続ける、新しい事業を立ち上げる、誰かに経営を譲る等々。



■というわけで、半分リタイアは社長としての重要なマイルストーンなのですが、それを妨げる思考の癖というのがあります。

今日はそれについてみていきたいと思います。


1. 「自分だけがこの仕事をできる」という思い込み

社長は自らのスキルや能力を試行錯誤しながら身につけてきました

しかし、その仕事を社員に任せる際には「絶対失敗するなよ」というプレッシャーをかけてしまうことがあります。

このような考え方は理不尽です。自分も試行錯誤し失敗を重ねながら成長したのだから、社員にも同じチャンスを与えるべきです。自分ができるようになったのは、他の人にも可能なはずです。


2. 「自分でやったほうが早い」という誤解

社長から委任された仕事を社員がやると時間がかかるのは当たり前のことです。

社長は熟練しているため、自分で行う方が早く感じるかもしれません。

しかし、社員には成長の機会を与えることも重要です。とある海外の起業家によれば、「10倍の時間基準」を持つことが効果的です。社長が1時間でできる仕事なら、社員には10時間かかってもいいと考えるのです。

もちろん、最初は10時間かかったとしても、慣れてくれば9時間、3時間と所要時間は短くなっていくはずです。


3. 「自分が全てを監視したい」という欲求

社長にとって会社の業務は細部に至るまで全て非常に重要です。

しかし一方、全てを目視で監視することは難しいですし、時間もかかります。その代わりに数字や指標による管理を導入し、会社をリモートコントロールできる仕組みを考えることが大切です



4. 忙しさ中毒


忙しくないと仕事した気にならない、という状態を忙しさ中毒といいます。

この中毒から抜け出せなければ、とても半分リタイアが出来ません。自由時間が出来たとしても、また現場に戻って忙しくしてしまうからです。ここから抜け出すためには、全てのことを平均的にやろうとするのではなく、重要なことを極めて効果的に行うという仕事のやり方に変えていくことが大切です。


5. 「幹部さえいれば良い」という考え方

「右腕が欲しい」「ナンバー2を育てたい」というのは社長の共通の悩みだと思います。

一方、この考え方はリスクが大きいものでもあります。たとえ頼れる右腕やナンバー2が出来たとしても、彼らもいつかは会社を去る可能性がありますし、彼らに経営を依存させるのも危険です。人に任せつつも、彼らに依存させないような仕組みづくりに取り組むことが大切となります。


というわけで、今日は半分リタイアという概念、ならびにそれを妨げる考え方について見てきました。


是非、今後の経営に活かしてみてください。

では本日は以上となります。


引き続きよろしくお願いいたします。



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