お世話になります。
一般財団法人日本アントレプレナー学会の清水です。
さて、今週から拙著「仕組み化の経営術」がアマゾンならびに全国の書店さんにて販売されることになりました。
それに合わせまして、補足説明動画シリーズをアップしております。
今日は第三本目、「社長の最大の遺物」をアップしましたので、ご案内します。
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【動画】社長の最大の遺物&書き起こし
書き起こし
今日は「仕組み化の経営術」についての補足説明をしていきたいと思います。前回は、会社が停滞する人依存の7つのパターンについて見てきましたが、今回は実際の仕組み作りについてお話しします。この図に示されているのが、本書で紹介している仕組み作りの全体像です。真ん中に人生観があり、次に会社の理念体系、その周囲に組織戦略、戦略的目標、指標が配置されています。最後に、価値提供プロセス、サポートプロセス、マネジメントプロセスの3つの大きなプロセスがあります。
社長や社員が無駄な努力をすることなく、仕組みで自動的に成長するためには、中心から外側に向けて取り組むことが重要です。今日は、この中でも特に中心部分の「人生観」について見ていきたいと思います。
仕組み作りと人生観はどう繋がっているのかと思うかもしれませんが、会社の仕組みはそもそも組織戦略や目標、指標を実現するために存在しています。これらは会社の理念を実現するためにありますが、その理念は経営リーダーの人生観から生まれるものです。つまり、会社の仕組みは経営者の人生観によって左右されるということです。各社それぞれのオリジナルな仕組みが求められるのは、このためです。
他の会社の仕組みを参考にするのは良いですが、そのまま取り入れてもうまく機能するとは限りません。なぜなら、経営リーダーの人生観が違うからです。自分の会社の文化や既存の仕組みとマッチしないこともあります。
経営者がどのような人生観を持って事業を運営するかを明確にすることが重要です。これは前回の動画でも触れましたが、経営者の視点の変更が大事です。
人生観とは何かというと、それは「何を残すか」で決まります。自分がこの世に何を残すかを決めることで、どう生きるかが変わってきます。逆算で事業を行うように、人生も同じです。最終的に何を残すかによって、どのように生きるかが決まります。
いくつかの例を挙げてみましょう。例えば、資産を残すこと。自分がお金を稼いで資産を残すということもありますが、この資産には2つの目的があります。1つは家族の暮らしを豊かにするため、もう1つは世の中に役立つことをするために資産を集めることです。事業を残すことも大きな目標となります。事業を通じて人が育つことを考えると、人を生み出し続ける事業を残すことは意義があります。
また、思想を残すことも重要です。思想はその人がいなくなると消えてしまうので、著作や記録として残しておくことが大切です。
このように、何を残すかによって生きる方向性が変わります。ビジョナリーカンパニーのジム・コリンズ氏は、ピーター・ドラッカー氏から「偉大な事業を作るか、偉大な思想を残すかどちらかだ」と言われ、思想を残すことを選びました。稲盛和夫氏は、京セラやKDDIの事業を残しつつ、京セラフィロソフィーという思想も残しました。
内村鑑三の『後世への最大遺物』には、資産、事業、思想の3つが人生で何を残すかということが書かれていますが、生き様というのは誰にでも残すことができます。どんな立場でも、どう生きるかを考えることが重要です。
例えば、二宮尊徳は非常に貧しい環境で育ちながらも勉学と勤勉で立派な人物になりました。このように、生き様を参考にすることも一つの方法です。
私自身は、二宮尊徳が好きで、その影響もあって小田原に住んでいます。このように、皆さんも自分の人生観を明確にし、それを基に会社の仕組みを作っていくことが重要です。