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経営者は「会社の中」で働くな

本日は、ジョー・ポリッシュ氏による、マイケルE.ガーバーのインタビュー記事をご紹介します。

ジョー・ポリッシュ氏は、カーペットクリーニングのビジネスで成功した人物であり、リチャードブランソン氏など、多くの有名経営者との人脈があることでも知られています。

このインタビューでは、書籍E-Myth(はじめの一歩を踏み出そう)よりも、さらに突っ込んで、”起業家が持つべき視点”について掘り下げています。

少し長いので、前半後半に分けてご紹介します。

ぜひご参考にされてみてください。

 


Joe Polish:こんにちは、ジョー・ポリッシュです。今日は特別なゲストを招いています。

皆さんも私がいつもE-Myth(邦題:はじめの一歩を踏み出そう)の書籍やマイケルE.ガーバーについて話しているのを聞いている思いますが、今日は、そのマイケルE.ガーバーがゲストです。

では、さっそく質問に入っていきます。

マイケル、非凡なビジネスオーナーとそうではないビジネスオーナーの違いは何でしょうか?

 

Michael E. Gerber:これまでに会った中で、本当に、奇跡的な成功を収めているビジネスオーナーは、“起業家の視点”を持っています。彼らはビジネスの外側から働きかけ(Work ON business)、彼らがどこにいようとも機能するビジネスを作り上げています。

一方のほかの人たちは、ビジネスの中で働いており(Work IN business)、彼らが休めば会社は機能しなくなってしまいます。

また、非凡な人たちは、仕事のやり方を向上させる方法を常に探しており、不可能と思える障害を乗り越えるシステマチックな方法を探し続けています。それが彼らのビジネスを非常に独特なものへと進化させているのです。

 

Joe Polish:なるほど。そのシステマチックな、というのはどういう意味でしょう?

 

Michael E. Gerber: あなたの仕事を見渡してみれば、すべてがシステムになっています。あなた独自の方法、そうではない方法、それら仕事のやり方がすべてシステムです。中には、とても効果的に機能しているシステムもあれば、そうではないシステムもあります。

起業家的な視点を持つ人は、達成すべき結果を生み出すための最高のシステムが何かを追求し続けています。それはステップ1、ステップ2、のように手順書である場合もありますし、戦略、計画、メソッドの集合体でもあります。それらがうまくまとまって機能することで、会社としてひとつの目的を達成できるのです。

 

Joe Polish:あなたが書籍で書いているとおり、多くのビジネスは失敗しますが、彼らはなぜ破綻してしまうのでしょうか。

 

Michael E. Gerber:ビジネスを始める人は、会社をリストラされて独立せざるを得なくなったか、自ら望んで独立したかのどちらかです。

いずれにしろ、ビジネスをうまく運用するには、方法論やプロセス、やり方を学ばないといけないにもかかわらず、彼らはそれまでに身に付けた一般常識や技術があればビジネスを運営できると勘違いしています。これは書籍に書いてあるとおりですが、その勘違いが命取りになります。

あなたの業界で言えば、「カーペットをクリーニングする仕事」は、ビジネス運営の中の一部の仕事でしかないのです。その仕事と、「カーペットクリーニングビジネスを構築する仕事」は別物です。

 

Joe Polish:そのとおりですね。多くの人がビジネスの構築方法を学ぶことに苦戦しています。

 

Michael E. Gerber:私の本は、「何かをやる方法」を書いたものではありません。「何をやるべきか」を書いたものです。ビジネスの外側から働きかけるとは、「何をやるべきか」を考え、ビジネスを全体を設計することです。そして、自分に依存しないビジネスを構築することです。

世の中の大半の本やトレーニングで語られている、あれをやる方法、これをやる方法を学ぶこととは全く異なります。

 

Joe Polish:そうですね。では、システム化について考えるための最初のステップは何でしょうか?

 

Michael E. Gerber:そうですね。まず、私の本を読んでほしいと思います。これは私の独自の考えだけで書かれた本ではありません。実際に成功しているビジネスオーナーは、彼らが意識していようといまいと、この本に書かれているとおりに会社を運営しています。

そして、私の会社もその本に書かれているとおりに運営し、世界中で知られる会社になりました。

次にやってほしいことは、あなたの人生で何を求めているのかを自問することです。あなたはどのような人生を送りたいのか?それを知らなければ、どのようなビジネスを創ればよいのかが決まらないでしょう。

最終的にどのようなビジネスを創るのかが決まらなければ、出来ることはひとつだけです。毎日、会社にいって、働けなくなるまで、同じ仕事をやり続けるだけです。

上司に管理されるのが嫌で独立する人も多いですが、彼らは独立すると、結局、別の上司、つまり、“仕事“という上司に管理されるだけになってしまいます。

 

Joe Polish:まったくそのとおりですね。会社をなんとか運営するために、いくつもの役割をこなして、目的地の定まらないまま進んでいきます。

 

Michael E. Gerber:それがまた問題を引き起こします。仕事をするけれども、前に進んでいるかどうかがわからないのです。目の前にある仕事にはベストを尽くすものの、その結果、どうなるのか、どこに向かっているのか、前進しているのか、後退しているのか、わからないのです。

 

Joe Polish:ここはこのインタビューの中でも、もっとも大切な部分ですね。あとでもっと掘り下げたいのですが、その前に前提知識をクリアにしておきたいと思います。あなたの書籍の中で、3つの人格の話が出てきますね。

 

Michael E. Gerber:はい、私たちはみんな、異なる人格を自分の中に持っています。たとえば、父親としての自分、夫としての自分、兄としての自分などです。そして、その瞬間瞬間で、どれかの人格が強く出ています。

ビジネスオーナーとしては、3つの人格があり、「職人」、「マネージャー」、「起業家」です。詳しくは本に書いてありますが、職人は、目の前の仕事をする人で、マネージャーはシステム的に考え、人を使って結果を出す人、起業家は未来を形作る人です。

そして、実は4番目の人格、「マスター」がいます。マスターの仕事は、言ってみれば、映画監督です。3人の人格をどのタイミングで登場させるかを意識的にコントロールします。

マスターがいなければ、3人の人格が成り行きだけで登場してしまいます。マスターがいることで、3つの人格を的確なタイミングで登場させ、それぞれの人格の持つ強みを最大限に引き出すことができます。そして、日々の仕事を最も効果的に遂行することができるのです。

勘違いしてほしくないのは、私たちの中には、「職人」「マネージャー」「起業家」、すべての人格が存在し、そのどれもが必要不可欠だということです。どれが欠けても会社は混乱します。

だから大切なことは、3つの人格のバランスをコントロールし、それぞれの人格がビジネス構築の過程で果たす役割を理解することです。

 

Joe Polish:あなたは、ビジネスオーナーが自分の人生に何を求めているかが大切であると書いていますね。

Michael E. Gerber:そのとおりです。しかし問題

があります。もしビジネスをしている人に、彼らに人生で何を求めているか?という質問をしたら、彼らは目を丸くするでしょう。

“お金をもっと稼ぎたい”、“車がほしい”、“これが欲しい”、“あれが欲しい”

彼らから返ってくる答えはこのようなものです。

残念ながら、こういったものを所有することは、彼らの本当の人生の目的ではないはずです。

では、人生の目的とは何か?それが大切な質問なのです。

 

Joe Polish: 「人生の目的」という言葉の意味は何ですか?

 

Michael E. Gerber: 人生のビジョンです。あなたの葬式で話される送辞はどのようなものになるのか?それを考えたときに見えてくるものです。人生の目的について考える人は多くありませんが、私たちがクライアントに最初に考えてもらうのは、彼らの人生についてなのです。

 

Joe Polish:大半の人は、人生やビジネスについて考えるのではなく、休暇の予定ばかり立てていますね。

 

Michael E. Gerber:ビジネスオーナーに関して言えば、彼らは休暇の予定も立ててないでしょう。休暇をとることができないからです。

 

Joe Polish:たしかにそうですね。これは難しい問題ですね。私もビジネスで混乱しているとき、落ち着いて人生について考えることは困難でした。これはランチを食べながら答えが出るようなものではないですね。

 

Michael E. Gerber: そうですね。だから私はすべての人に、助けてくれる誰かが必要だと信じています。その誰かがバランスを与えてくれるのです。その誰かが、正しい道に留めさせてくれ、自分のことを第三者の視点で見てくれるのです。そして、違う視点からの思考を与えてくれます。

大切なことは、人生の目的に対して、常に意識を向けていることです。

起きたまま眠っている人もいます。実際のところ、多くの人は、好むと好まざるを問わず、起きたまま眠っているようなものです。そして、3年経ってようやく目が覚め、“何が起こったんだ?なぜこうなったんだろう?”となってしまうのです。

そうならないためには、あなたを正しい道を進むようにひっぱたいて、起こしてくれる人が必要なのです。

 

Joe Polish:本当にそのとおりですね。私の場合、たくさんのメンターがいます。彼らがその役割をしてくれます。会社で働いている人には、上司がその役割をしてくれますが、自分が社長の場合には、誰かがその役割をしてくれる必要がありますね。

 

Michael E. Gerber: はい、私はこれまでの経験から、そういう役割をしてくれる人がいることの効果を知っています。

 

Joe Polish:それが私自身が今日聞いている皆さんに対してしていることでもあり、あなたがクライアントにしていることでもありますね。

さて、別のテーマに移りましょう。あなたは、ビジネスの目的は、会社を売ることであると書いていますね。

 

Michael E. Gerber: はい。この意味を説明しましょう。私は60歳を過ぎたときに思ったのです。米国人の平均寿命を考えたとき、私にはあと十数年しかないと。

別に落ち込んだわけではなく、本当は何をすべきかを考えたのです。残りの人生で何を成し遂げるべきかを。そう考えたとき、私の目的は会社を所有し続けることではありませんでした。残りの人生でやれるだけのことをやることです。

私はいまのビジネスを1977年からやっていますので、かなり長い期間になります。こんなに長い期間かかわっているのは、私たちが最初にスタートしたときのアイデアがとても困難なものであったからです。

そのアイデアとは、スモールビジネスオーナーが非凡なビジネスを作るための方法を低コストで提供する、というものです。それを成し遂げたとき、更なる挑戦をしたかったのです。ビジネスに人生を左右されるのではなく、私がビジネスをコントロールするということです。

ビジネスとは、ビジネスオーナーの経済状態を改善し、彼らの人生の目的を達成するためにあります。

 

>>後半へ続く