仕組み経営の導入はこちら

職人経営者からビジネスオーナーへ変革した方法とは?

今回の仕組み経営レポートでは、ウェブマーケティングの会社を経営するジェフ・ベン(以下、ベン)と、彼の会社の仕組み化を支援したコーチとのインタビューをご紹介します。

ジェフは9時から5時の退屈な会社で働いていました。彼は、家族と時間を過ごし、サーフィンをして、自分の人生を楽しむ自由を求めていましたが、企業のIT部門長として毎日働いていては、それは手に入りませんでした。

そこでジェフは、Webデザインとマーケティング会社であるクリエイト・スタジオ社をスタートするために会社をやめました。最初は、まさに彼が望んでいた状態で、給料の目標を上回っていました。

しかし、健康状態に支障をきたし、会社が機能していないことがわかりました。彼は自分のビジネスを資産として見ることができなかったり、長期的にビジネスが彼の人生にどのように役立つのか、日常業務にしか焦点を当てていない職人になっていました。

そこから仕組み化に取り組み、わずか9か月後には、多くのチームメンバーを率いるリーダーとして成長し、立派な経営者になりました。

どのよにして、そしてどのような順番で仕組み化に取り組んできたのか?を以下のインタビューでご紹介します。

 

コーチ

ジェフは起業したのち、最大の危機だった健康上のトラブルから抜け出しましたが、ウェブサイトを構築することに情熱はなくなってしまいました。何かを変える必要があることを認識し始めた時、私は彼に会いました。

彼に会ったとき、彼はこう言いました。

“私は会社にいくのが億劫になっています。会社は成功していると思いますが、、、“

9ヶ月後には、ジェフは仕事に行くのが大好きになりました。180度変化が起こりました。彼はプロジェクト管理に没頭するのではなく、チームを率いるリーダーになっていました。チームメンバーは、仕事の目的や意義を感じることが出来るようになっていました。ジェフが常に夢見ていたビジネスになったのです。

さて、ジェフ、あなたがどうやってビジネスを始めたのかから教えてもらえますか?

 

ジェフ

私は技術者で、2000年頃にはIT企業に勤めました。すぐにプログラマーを管理する立場になり、マーケティングの仕事もしました。さまざまな部分をマーケティングしました。

しかし、毎日30分から40分の通勤にうんざりし、2005年に自立を求めて起業しました。まさに職人的な起業方法です。最初はウェブデザインから始め、それからウェブマーケティングも仕事にしました。いまは10年くらいたち、ビジネスは成長してきました。

 

コーチ

おめでとうございます。10年続くのは大きな成果です。起業して、いまになって何か気付いたことはありますか?

 

ジェフ

当時は、2000人くらいの会社のIT部門にいました。CIOと二人で仕事していました。本当に仕事を楽しんでいました。私が退社したいというと、CEOは私に話しかけてきました。

「あなたの気持ちを変えるために、できることはありますか?」と。

しかし、私は元々、行列に並ぶのができないタイプの人間で、レストランで食べ物を待っているのも苦手なのです。だから、これから20年、30年、会社で働いて、年金を受け取れる年齢まで過ごすことは考えられませんでした。

起業して最初に間違いを犯したと思ったのは、成果を上げるまでに思ったより時間がかかったことでした。当時生活に必要だったお金と貯蓄を比べると、数か月程度しか余裕がありませんでした。

しかし、私はいざとなれば、会社に戻って安定した企業年金を受け取れるまで働けることはわかっていました。

これは同じく間違った考え方だったかも知れませんが、セーフティネットとして、いつでも元の会社に戻れる、という安心もありました。

当時、私は自立が大好きだったので、自宅で働いていました。8時からは仕事をするようにして、サーフィンもしていました。

 

コーチ

起業してから10年経っていますが、ちょうど3年前くらいにもとの会社に戻ることを真剣に検討したそうですね?

 

ジェフ

そうです。2011年、当時35歳だったとき、病気になりました。当時は一人起業で、スーパー職人だったのですが、年末から年始ににかけて発熱し、夜間に汗を流しました。なんの病気かもわからず、18日間抗生物質で病院に入院しました。

ようやくその状態から目が覚めて、子供たちを見た時、人生に対する見方が完全に変わったのです。さらにその時、Googleは検索アルゴリズムをアップデートしました。いわゆるグーグルスラップというやつです(グーグルの検索対象から外される)。

それまで、私たちの創ったウェブサイトはSEOで上位を独占していましたが、それが一気にランク外になってしまったのです。同時に、売上に大打撃がありました。そのとき、自分はちゃんとしたビジネスモデルを持っていなかったんだと気づきました。

そして、前の会社に戻る誘惑にかられました。実際、前の会社の人に聞いたところ、“いつでも戻ってきていいよ”と言われたのです。当時は精神的に壊滅的な状態でしたので本当に悩みました。しかし、最終的にはやはり心の声に従って、戻るのを辞めたのです。

 

コーチ

私は他の人からも同じような体験を聞いたことがあります。多くのスモールビジネスは経営者の職人的な技術を武器にスタートします。そして職人的な経営者として、ある程度の成功を収めます。そんな時、何かのウェイクアップコールによって、目覚めるのです。

どうすれば職人的な経営者であることを辞められるだろうか?いまのままで留まっていたくないけど、どうすればよいだろうか?と考え始めた時、彼らはビジネスリーダーとして成長する準備が出来ているのです。

 

ジェフ

私はそれからビジネスを変え、グーグルスラップを食らった翌年、収益は40%増えました。定期的な収益が入ってくるようなモデルにして、売上の半分は継続的で安定的な収益になりました。そのころ、コーチと出会ったのです。

当時、スタッフは何人か同じ町にいましたが、バーチャルなチームだったので、人間的な交流はなく、ビジョンもありませんでした。売上は上がっていましたが、私は孤独でした。

 

コーチ

そこで、最初に行ったのは、あなたの人生に、ビジネスが貢献するように、人生とビジネスの関係性を変えることでしたね。

 

ジェフ

私にとって大切なのは、私の人生であり、家族であり、子供です。ただ、当時はビジョンや会社の文化などはありませんでした。そこで、私の価値観は何なのか?情熱は何なのか?人生の目的は何なのか?というところから始めました。

私は元々、日記をつけることや瞑想、祈りなどが好きだったので、個人的なビジョンや情熱、目的などは比較的早く見つけることが出来ました。

それからコーチに言われました。“週に5-6時間だけ取れますか?その時間は技術的な仕事をしない時間に出来ますか?”と。

当時の私にとっては難しいかもと思いましたが、私は時間を取るようにしました。そして、ビジョンから始まり、販売プロセスやマーケティングプロセスなどを作りました。当時は全くそんなものはなかったので、これは私にとって、とても大きな考え方のシフトでした。

 

コーチ

それでは、最初に起こった、インパクトのある変化は何でしょうか?

 

ジェフ

すぐに結果が出たのは、スタッフとビジョンを共有し始めたことです。スタッフの反応が変わりました。

私たちはチームとして一緒に集まって、各プロジェクトがどうなっているのか?などを話し合うようになりました。私の仕事は、職人やマネージャーから、リーダーとしてどうあるべきかを学ぶことへと進化していきました。

そのためには、ビジョンを持っていないといけないと本当に感じました。そして、そのビジョンをスタッフと分かち合うことを続けました。スタッフはリーダーシップを求めていたのです。私はそれにこたえるようにしないといけないと思いました。

人はビジョンがある会社が好きです。行く方向性があることが大切なのです。幸い、私は本当に良いスタッフを抱えていました。私がリーダーシップを発揮し始めたとき、彼らはそれに答えてくれたのです。彼らもビジョンについて気に掛けるようになってくれ、会社全体のエネルギーが完全に変わりました。

 

コーチ

当時はそのような役割の変化をしていることに気が付いていましたか?

 

ジェフ

いえ、そうではなかったかもしれません。私は、“私はリーダーである”というようなことをいうのには抵抗があったのです。

しかし、やっているうちに、それが必要なことであり、楽しいことであると気が付きました。

私たちは、自分たちの事業を、“美しいデザインと計測可能な結果によって、クライアントのオンラインビジネスを成長させる”ことと定義しました。

そうしたら、いつもこれは美しいデザインか?活動の結果は計測可能か?と問いかける文化が出来ました。文化が出来るにつれ、会社の力は、個人個人の能力の総和を超えてるように感じられるようになりました。みんながコンサートホールで合唱しているような感覚になります。

 

コーチ

まったくそのとおりです。ビジネスによって、ビジネスオーナーだけではなく、チームの人々も同じくらい恩恵を受けていることを感じられるようにする必要があります。ビジネスはビジネスオーナーの人生に貢献するものですが、チームのすべての人の人生に関わるものでなければならない。あなたのチームは具体的にどうなりましたか?

 

ジェフ

私たちの会社では、私を含めて4人が顧客対応をしています。一人は1年半前に参加しました。彼女は組織心理学の修士号を持っています。あと2人の若いスタッフがいます。マーケティング学位を持っています。彼らは会社の文化を愛してくれています。

ほかにもプログラマーやデザイナーがいます。彼らは長い間勤めてくれていて、全力を尽くしていました。ただ、コーチングを受ける前は、チームメンバーの間で何かを祝ったりすることはありませんでした。いまでは、いまは全く違います。

 

コーチ

辞めた人はいませんでしたか?

 

ジェフ

いました。ビジョンや文化を作り始めて、一人、本当にそれらを共有できていない人がいることに気が付きました。その一人は、会社で働いていたけれど、それが彼女のためになっているとは言い難かった。

だから私は彼が会社を離れる機会を提供しました。それによって、私は逆に、会社のブランド、ビジョンと文化に合った人を連れて来ることがリーダーとしてとても重要であると気が付いたのです。社員と会社にとって本当にいいこととは何なのか?を考えるいい機会でした。

 

コーチ

まったくその通りですね。それは良くあることなのです。ビジョンやブランドを定義し、文書化し、共有すると、誰があっていないのか?が表面に出てくることがあります。

 

ジェフ

それをきっかけに生まれたもう一個の良い影響は、職務契約書です。会社を離れた彼が担当していた仕事は、会社にとって重要なものでした。だから最初は私がその仕事を代わりに担当するようにしたのです。

そして、職務契約書を作りました。この作業には時間がかかりましたが、おかげで、いまはその仕事を担当してくれる別の人を採用することが出来ました。彼はブランドにも文化にも同意してくれていて、非常に熱心に働いてくれています。

 

コーチ

職務契約書はその後どうなっていますか?

 

ジェフ

はい、会社のビジョンやブランドを定義した後、職務契約書に取り組み始めました。勤務時間なども定めました。10時から18時が基本ですが、チームメンバーは8時に働き始める自主性も持っています。

いまは週に一回、街中のいろんなカフェで打ち合わせをするようにしています。その際、各メンバーが自分の責任は何か?自分の関わる仕事は何か?を把握しています。全員が全員の職務契約書を理解しているからです。

会議では、何か問題が起こっているとき、それについて責任を持っている人が明確になり、彼らは解決策を持ってきてくれます。

そのような状態に至るまで30日くらいの試行錯誤がありましたが、おかげで、スタッフの生産性は上がり、私の職人的仕事やマネージャー的仕事に関するストレスは激減しました。

 

コーチ

職務契約書は一般的な職務記述書と似ていますが、正確には異なるものです。その効果を理解している人は少ないのですが、あなたは上手く活用しているようですね。

多くの人は職務契約書のようなものを見ると、これは社員を厳密に管理するためのものだと考えますが、その点はどうですか?

多くのビジネスオーナーは、部下が持ってきた提案書をテーブルにたたきつけたり、自分がスーパーヒーローであろうとします。これがお前の役割なんだからしっかりやれ、と監視しているようなものです。

しかし、私がやっているのは、メンターシップに近いものです。職務契約書があることで、社員は自分の仕事や責任範囲があるので、自主的に働けます。私は彼らが上手くその内容を実行できるようにメンタリングしているのです。

メンバーは会社の中でアイデンティティや目的、居場所を得ることが出来ます。

それは彼らの仕事を管理するということとは全く違います。

 

コーチ

過去、コーチを受ける前の状況と比べるとどうですか?

 

ジェフ

かつて、私は目を覚まして、毎日同じことをやっていました。私は家族のために、と考えて働き続けていました。そこそこお金の面では成功を収めましたが、技術的な仕事ばかりをしているのはエキサイティングでも楽しいことではなかったのです。

いまでは、仕事をするのが楽しいです。一緒に働いている人が大好きですし、リーダーシップというものに夢中になっています。成功の唯一の指標となるのはお金ではありません。人生にはビジネスとお金以上のものがあるのです。