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スモールビジネスが労働生産性を劇的に向上させた事例【1/2】

今回の仕組み経営レポートでは、仕組み化のためのツールや教育を提供する会社を創業した、ジョッシュ・フォンジャー氏のインタビュー記事の概要をご紹介します。

ジョッシュ氏は元々MBAを持っているコンサルタントとして仕事をしてましたが、多忙を極める日々に限界を感じていました。そして、7年前にとあるきっかけで仕組み化の概念に出会います。

そして、中小・スモールビジネス向けに仕組み化のためのツールや教育を提供する会社を創業。仕組み化のすばらしさを世の中に伝え続けています。

今回のインタビュー(前半)では以下のような内容をご紹介しています。

  • 停滞期に入っている企業に共通している原因
  • 混沌状況の社長が第一にすべきこと
  • 「退屈だけど真実」「重量挙げ」の法則とは?
  • 中小・スモールビジネスが劇的に生産性を向上させるために最も重要なものとは?

以下からご覧ください。

 

 

インタビュワー:スティーブ・ゴードン(以下、スティーブ)

インタビュイー:ジョッシュ・フォンジャー(以下、ジョッシュ)

 

スティーブ

皆さんに少し前置き的な説明をしたいと思うのですが、一体どういうきっかけでこのキャリアをスタートさせたのでしょうか?

 

ジョッシュ

私は建築の学士号を持っていたため、不動産開発業者になるだろうと思っていました。しかし、コンサルティングの分野に惹かれ、MBAを取得しました。その後、仕事に就き始めて約3年が経過しましたが、一か月に20日間家を空けなければならないほど忙しい状態でした。その時、自分のやり方に疑問を抱き始めました。そこでサム・カーペンターという男性に出会ったのです、彼は「Work The System」という本の著者でした。

私は自分が一か月に20日に間もコンサルティング業務で出っ放しなっているという状況を伝えました。サムは自分のビジネスをシステム化しており、人生を満喫しており、自由を楽しんでいたところでした。でも彼が本を執筆し、多くの人が彼の助けを必要としていることがわかっていました。

そこで、私たちは手を組むことになったのです。

 

スティーブ

多くの経営者が陥ってしまう罠を教えてもらえますか?

 

ジョッシュ

「退屈だけど真実」というものがあります。退屈に見えるプロセスこそが、成長したいと思っている経営者が必要としているものなのです。

停滞期に入っている企業に共通している原因として、全ての事柄を自分でやろうとしていることが挙げられます。間違いが生じることを恐れて、誰の事も信頼できないか、業務が多岐に及ぶために仕組みを構築することができず、手を伸ばし過ぎてしまった結果、目的としていたことが実現できなかったりしています。

大抵の場合、疲れ果ててしまっていたり、時間が足りなかったり、利益を上げることができていません。単純な仕組みを積み上げていくことこそが、少ない作業時間で大きな利益を上げることに繋がるわけです。

 

スティーブ

多くの人は、広告を使用したりして最新のことをすることに躍起になっています。こういった事は華々しいもので、聞こえも良いです。しかし、でもビジネスを通じて得られる自由というのは、退屈に思える日常的なことを行うことで達成されるわけですね。多くの人は、それが重要だと気が付いていません。

 

ジョッシュ

その通りです。私たちはそれを「重量挙げ」と呼んでいます。理想とする場所に達するには「重量挙げ」することが求められるわけです。これはビジネスにアプローチする新しい視点です。短期的な計画ではなく、長期的な時間が必要です。ただ、一度それが完成すれば、時間の経過と共に、ビジネスはより優れたものになるわけです。

ちょうど先週サムと話していたのですが、彼の会社は先月最高の利益を上げたということでした。彼は一週間に10分しか働いていません。毎月、毎年ごとに仕事に携わる時間が軽減する一方で、利益がさらに上がっています。

真剣にビジネスを経営することを望んでおらず、混沌とした状態を好むのであれば、それも良いでしょう。そのようなことを好む人々もいますが、私たちのクライアントはそういった人たちとは異なります。

 

スティーブ

常に問題が勃発するような混沌とした状況から抜け出したいと感じている企業は、どこから初めたらいいでしょうか?

 

ジョッシュ

最初にサムと出会ったとき、私は仕事の手順を文書化するだけで充分だと信じていました。でも彼は「違うんだジョッシュ、思考を変換する必要があるんだ」と私に言いました。どことなくお決まりのセリフのように思われますよね。でもまずは、自分や自分のビジネスを高いところから見下ろしてみて、それがどう動いているのかをイメージする必要があるのです。

会社の全ての側面を細切れにしてみましょう。例えば電話対応、新規顧客の獲得、クライアントへの送り状送付、などなど、これらすべてが個別の仕組みであるというように考えます。そしてこれらの部分部分のうち、どこに問題があるのか、支障はどこにあるのか、漏れや間違いが起こっている場所はどこかを特定し、その対応に取り組むわけです。大したことないかもしれませんが、このように思考を働かせます。

クライアントへの送り状の送付方法を変えるのはそれほど難しいことではありません。でもそのためには、まず混沌とした状況から外に出て、上空から会社を見る必要があるのです。私は自分のクライアントの自由度指数を計っているわけですが、彼らのストレスレベルは1~10の範囲中で9,10くらいにあります。かなりストレスを抱えた状況にあるわけです。でも今言ったような思考の変化を経ると、数値は数ポイント減少します。ほんの少しだけ考え方を変えるだけで「ああ、こんなこともできるんだ」と考えるこができ、ストレスが軽減されます。

 

スティーブ

私もサムの本を読んで会社内の仕事を分解しようと思ったのですが、かなり長いリストが出来上がってしまいました。こんなにやることがあるのか、と圧倒されてしまいました。

 

ジョッシュ

想像できます。良くあることですね。

ある時、原発工場の修理会社のクライアントがいました。彼らは私に「クライアントとの契約システムについて相談したいんだけど、どうすれば構築することができるんだ?」と聞いてきました。

彼らの会社では契約に関するだけで100個の異なるプロセスが存在していました。理由として、契約が3,000ドルの物から、10,000,000ドルのものまであったのです。提案書をつくるときに調査や現地下見やミーティング等の沢山の作業あったわけです。これらの作業を仕組みに分解していなかったことが原因で、問題が生じていたわけです。

大半の場合において、「なんてこった、私の会社には400個の仕組みが存在する」といったように圧倒されてしまうわけです。でも400個全てに取り組むわけではありません。

肝要なのは第一ステップです。それは明確な計画を持つことです。

「来週に向けて20個のシステムを構築しなければ」という風に考えるのではなく、優先順位を見極めて、今取り組んでいる事柄の中で、インパクトが大きいものから1つずつを構築するように勧めています。辛抱強さが大切であり、直ぐに莫大な効果が出ると期待を寄せるのは控えることです。

そのようにして、実行すれば、低いリスクでビジネスを構築することができるわけです。確かにあまり面白みはないかもしれませんが、月を経ることに物事は改善されていくわけです。

他の物に目を奪われることさえなければ、持続する成長があるわけです。シャイニー・オブジェクト症候群(※)はインターネット上で大きな問題になっていますよね。

※さして効果も出ない新しい概念に振り回されること

 

スティーブ

もし社長が混沌とした状態に縛られているとしたら、ビジネスを成長させるための時間は無くなってしまいますよね。

 

ジョッシュ

その通りです。私はクライアントに、一体誰がこのビジネスの社長なのか?と尋ねます。というのも、社長が全ての作業をこなしているので、誰が実際にリーダーシップを発揮しているのか、誰が戦略を担当し、誰がビジネスを発展させているのか、誰がリサーチを担当しているのか、誰が新製品や新規の関係を担当しているのか、といったのが分からない状態なのです。確かに仕事はしており、アシスタントもいるものの、実際にビジネスを構築している人が居ない、社長不在状態です。

単純に仕事を「誰かに任せよう」と言って委任すると、必ず失敗をしてしまいます。可能な限り仕事の文書化をして、組織のトップから下まで仕組み化することが大切なのです。

重要なステップとして、「戦略的目標」と呼ぶものがあります。これは長期的、かつ明確な目標のことです。多くの人が目標を立てることが仕組み化の何の役に立つんだ?と考えていますが、全ての決断を戦略的目標を軸にして行うことで、オーナーが細かいところまで決断する必要がなくなります。

ある時、外科医のクライアントがいました。彼は一般外科医でした。つまり、それは全て分野の診療を1人でこなすということ意味しています。その後、彼は神経外科医の道に移動しましたが、それによって、彼がやるべきことは1つだけに絞られました。精管切除の専門家になったのです。彼は国内で誰よりもこの手術を行ってきました。向こう3か月間は予定が埋まってしまうようになったため、精管切除センターを立ち上げることにしたわけです。彼には明確な目標があったため、やることを一つに絞り込むことが出来、ビジネスを複製することが出来たのです。

 

スティーブ

何かの決断を下すために戦略的目標をフィルターとして決断することができれば、全てが効率的になりますね。何をやって、何をやらないかという線引きができているので、劇的に効率性が向上するはずですよね。私たちも昨日クライアントからある案件の要請があったんですが、私たちが定義しているサービスの範疇外にあったため、それはできないと伝えました。

 

ジョッシュ

そうですね。一方で、それは小規模な企業にとっては難しい決断であると言えます。現在、出版業のクライアントがいます。以前彼らは全てをやろうとしていました。でも現在、彼らは特定のジャンルの物だけ書くようにしています。そして他のジャンルのものに「ノー」といって断るのではなく、引き受けたくない種類の仕事の報酬を劇的に引き上げているわけです。そして自分たちがやりたいことの効率性を高めるためにシステムを構築しています。

値段を引き上げた仕事の依頼をする人は少なくなりますが、彼ら側からしたらそれはそれでよく、仮に仕事の依頼が来たとしても、高い依頼金でそれを引き受けることができるわけです。やる気になればできるわけですから、絶対にできないと言わないことが重要です。何かに集中するということは、他の物を追いやるということではないということです。適度にフィルターを設置すればよいのです。

いきなり完全に方向転換をするということは不可能です。ゆっくりと変化をする方が好ましく、その間にいろいろテストすることができます。

 

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