
ポッドキャストでも「うちの会社は特殊なので、仕組み化が難しいんです」という質問にお答えしています。
目次
美容室、治療院、歯科医、、、仕組み化の方法に違いはあるのか?
「仕組み経営」にご相談に来られる経営者の方からよく聞く話があります。それが、
「うちの会社は特殊なので、仕組み化が難しいんです」
という話です。
ポイントは、”うちの会社は特殊”という部分です。特殊なので、私たちが公開している仕組み化の成功事例のようには簡単にいかない、というわけです。
でも面白いことに、”うちの会社は特殊なんです”という言葉は、ありとあらゆる業界の経営者から聞く言葉なのです。美容室、治療院、歯科医、そのほか専門サービス、製造業、代理店、等々。
つまり、ほとんどの経営者は、”うちの会社は特殊である”と考えているということなのです。これはある意味当たり前ですね。うちは他の会社と似たような業務しかやっていない、という経営者はいないでしょう。
たしかに、会社ごとに業務内容やビジネスモデルや人材、強みが違うので、ある種の特殊性はあるのかもしれません。その特殊性が他社との違いになり、ビジネスが成り立っているわけです。
では、仕組み化の方法やステップは、会社ごとに違うのでしょうか?
これはNOと言えます。
業務内容やビジネスモデルが違えど、会社の経営を仕組み化していく方法やステップはほとんど同じです。
なぜ、そう言い切れるかというと、私の師匠でもあるマイケルE.ガーバー氏が過去40年以上にわたって、世界中の中小企業の仕組み化を支援し、成功させてきましたが、そのメソッドはどの業界でも、さらには、どの国でも同じものだったからなのです。
仕組み化は業務についてのものではなく、”人”についてのものである。
ではなぜ、仕組み化の方法やステップは業界が変わっても同じなのでしょうか?
それは仕組み化の本質とは、業務の改革や改善にあるのではなく、人の成長にあるからです。業務内容は業界やビジネスモデル、または会社の規模によって異なるでしょう。しかし、どんな会社であっても、それを運営しているのは”人”であることに変わりがありません。
私たちがご提供している仕組み化とは、その”人”がどのように行動し、どのように動機づけされ、どのように考えるか、どのように成長していくのか?という人に対する深い理解をベースに構築されます。
より具体的いえば、どんな業界のどんな会社であろうと、
- 社員が共感する理念が必要であり
- 社員がやる気になるゴールが必要であり
- 社員同士がコミュニケーションする必要があり
- 顧客(患者)を引き寄せるマーケティングが必要であり、
- 投資家や銀行家を納得させる計画が必要です。
そのため、業務内容が変わっても、方法やステップは同じなのです。
経営者の方が「うちの会社は特殊だ」というときには、業務の特殊性を言っています。しかし、人が会社を動かしている以上、業務の特殊性は仕組み化の方法やステップに影響を与えるものではありません。
では、業種業態を問わない仕組み化とはどのようなものなのでしょうか。以下に具体的にご紹介していきます。
どんな会社にも必要な仕組み化とは?
リーダーシップの仕組み
まずどんな会社にもリーダーシップの仕組みが必要です。リーダーシップの仕組みとは、その会社が何を目指しているのか?何を目的としているのか?などを明文化し、それを社内に共有していくための仕組みです。例えば以下のような仕組み化が含まれます。
経営者の人生計画の明確化
リーダーシップは全て経営者の個人的な人生の目的や価値観、または計画からスタートします。経営者の人生の目的が会社のミッションとなり、経営者の個人的な価値観が会社のバリューになり、経営者の個人的な人生計画が会社の事業計画にも反映されます。
会社の理念体系(ミッション、ビジョン、バリュー等)の明文化、共有
会社の理念体系は、仕組み化の土台になる非常に大切なパーツです。会社の理念に向けて仕組みを創ることになりますので、理念が定義されていなければ、どのような仕組みが必要かが定まりません。
リーダーの行動診断
ビジネスの変革はリーダー自身の変革からスタートします。そのため、リーダーの価値観や信念、または無意識の行動が、会社にどのような影響を与えているのかを理解することが大切です。
経営チーム
会社が成長してくると、経営者一人ですべての業務を管理するのが難しくなります。そこで、経営チームを創り、チームで経営をしていく体制を創ることが大切です。その経営チームを運営していくための仕組みも必要です。
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組織の仕組み
組織は人と仕組みを統合させ、会社の目的や目標に向かうために存在します。その組織を運営していくために仕組み化が欠かせません。例えば以下のような仕組み化が含まれます。
組織戦略
最近は階層型組織だけではなく、ティール組織やホラクラシー等、次世代型と言われる組織構造も注目を集めています。しかし、組織の本質は変わりません。組織は会社のビジョンに従います。ビジョン達成に向けて、どんな組織が必要なのかを描き、そこに至る道筋を描きます。
採用の仕組み
多くの中小企業にとっての課題が採用です。課題となっている理由は、経営者の採用に対する考え方です。採用は人が足らなくなったからとか、人が辞めてしまったからとか、行き当たりばったりに行うものではありません。組織戦略に基づき、将来必要となる人材を計画的に集めることが大切です。そして、その中から自社に合う人材を見極めるための仕組みが必要なのです。
定着の仕組み
採用した人材が組織と仕事に適応するための仕組みです。ほとんどの会社では、この定着の仕組みが決定的に欠けています。そのため、せっかくお金と時間をかけて雇った人材が短期間で辞めてしまいます。
育成の仕組み
各階層の人材を育成していくための仕組みです。新入社員を一人前に育てるのはもちろん、リーダークラス(No.2や後継者候補)を排出するための仕組みも必須です。
委任の仕組み
上司と部下で委任の方法を決め、効果的に委任していくための仕組みです。
会議の仕組み
会議の頻度や内容を仕組み化し、経営にリズムを持たせます。日本では嫌われがちな会議ですが、それは会議が仕組み化されてないことが原因です。正しく会議を設計すれば、会社の成長や日常業務を円滑に行う上で必須だと思える会議になります。
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ブランドの仕組み
組織づくりが内に向けた仕組みなのに対して、ブランドは外に向けた仕組みです。
ブランドコミットメント
ブランドは知名度やプロモーション、または高価格帯の商品を意味するものではありません。ブランドとは、自社がお客様に何を約束するのかを定義したものです。そして、それを基に顧客体験の仕組みを作り上げます。多くの経営者は、自分がやっているように社員にも顧客に対応してほしい、と思っていると思います。それを実現するための最初の一歩が、自社のブランドを定義することです。
ポジショニング
市場の中で自社をどのように位置づけるかがポジショニングです。ポジショニングは放っておくと、自社の意図しないものになってしまいます。そのため、意図的にポジションを選択し、他との違いを生み出し、理想の顧客を引き寄せることが大切です。
感覚パッケージ
自社にとって理想の顧客が好むイメージで自社の商品や店舗などを作り上げるための仕組みです。
財務の仕組み
会社を成長させるためには、”今年は赤字だった”、”黒字だった”というように結果論でお金を管理するだけでは不十分です。成長に必要な資金や投資の計画を積極的に立てる仕組みが大切です。
予算計画
会社を成長させるためには、どこにいくら投資するのか、その結果はどう立ったのか?を明確にする予算計画を管理する仕組みが必要です。
キャッシュフロー計画
利益よりもキャッシュフローが大事、と言われています。会社の血液ともいえるキャッシュを管理するための計画です。
価値提供の仕組み
いつでも、だれがやってもお客様に同じ価値を提供するために必要なのが価値提供の仕組みです。例えば以下のような仕組み化が含まれます。
デリバリープロセス
どのような流れで商品やサービスを提供するのかを可視化し、毎回同じプロセスが実行できるようにします。
商品設計
顧客の好みに合う商品を設計します。会社の運命をたまたま生まれたヒット商品に依存させるのは非常に危険です。大切なのは、ヒット商品ではなく、ヒット商品を生み出し続けるための商品設計の仕組みです。
顧客サービス
顧客が求めるサービスを毎回提供するために顧客サービスの仕組みを設計します。
品質管理
自社の基準に基づいて商品やサービスが提供されているかをチェックするのが品質管理の仕組みです。
マーケティングの仕組み
安定的に新規顧客を獲得するためにマーケティングの仕組みが必要です。理想の顧客を引き寄せるためのマーケティングメッセージの設計やウェブサイト、ソーシャルメディアの活用などが含まれます。
セールスの仕組み
見込み顧客を顧客に転換するのがセールスです。プレゼンテーション資料の設計やセールスプロセスの設計などが含まれます。
会社の仕組み化なら仕組み経営
以上、ご覧いただければ、どんな会社にも必要な仕組みが含まれていることがお分かりいただけたかと思います。もちろん、これらの仕組み化の結果として生まれるマニュアルやチェックリスト等は会社ごとに異なるでしょう。しかし、冒頭でも申し上げた通り、会社が人で成り立っている以上、仕組み化のプロセスはそれほど変わるものではないのです。
「仕組み経営」では、今みてきたような仕組みづくりをご支援していますので、まずは以下から体験キットを手にされてみてください。
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