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第八条 会社を学校にする

経営者としての役割は単に仕事を終わらせるだけではなく、仕事を通じてインスピレーションを与え続け、社員の学びたい、成長したいという本能を引き出すことです。

新しいことを学びたいという好奇心、そして成長したいという想いは生命の根源的な本能です。
 
一方、大半の人々は自分の生計を立てるために多くの時間を仕事に捧げていますが、仕事に従事し始めた瞬間から学習の過程が停止してしまっています。
 
働いている人のうち、大半の人が、中小企業で雇われています。その中小企業の環境では、既存の業務を遂行することで忙殺されており、教育やトレーニングに費やす余裕がありません。
 
あなたは典型的な中小企業を築こうとしているわけではないと思います。あなたの目標は非凡な会社を創り上げることであるはずです。では、どのようにしてそれを手伝ってくれる人材を見つけることができるでしょうか?
 
実際のところ、世の中のほとんどの人は普通の人です。そのため、あなたの会社は普通の人を非凡な人にする役割も果たさなければなりません。
 
そのためには、彼らがこれまで経験したことのないような教育を提供することです。その教育プログラムは、ビジョンを実現するために必要なスキルや知識を網羅しなければなりません。
 
社員たちは、何が正しい仕事の進め方なのかを理解する必要があります。全ての新入社員に、あなたの会社の核となる価値観を伝える手段を提供する必要があります。
 
 
個人的な志の共有
 
教育の最終的な目標は、志を立てさせることです。では、どのようにしたら志を立てさせることが出来るでしょうか。
 
それはあなたの志で彼らをインスパイア(鼓舞)することです。
 
表面化しているかどうかは別にして、人にはそれぞれ志があり、あなたの個人的な志があります。相手の人の志が、あなたの志と完全に一致して初めて、あなたの社員、会社と社員の関係はうまくいきます。
 
それが出来れば、あなたは、彼らに生きる場所を提供することが出来ます。
 
従って、あなたがすべきなのは、自分の志を他人に売り込むことではありません。志を共にしてもらえるかどうかを見定めることなのです。
 
 
 
あなたの会社で成果を上げる方法
 
次に、彼らはあなたの会社で成果を上げる方法を学ぶ必要があります。言い換えれば、あなたの会社における正しい仕事とはなのかを知る必要があります。
 
多くのリーダーはどのようにしたら社員を動かせるだろうか? と考えますが、社員を思い通りに動かすことはできません。
 
自分自身でさえ、自分の望むとおりに動かせないのに、どうしたら他人を望むとおりに動かせるのでしょうか。
 
社員のモチベーションを上げようとするのは無駄な試みです。何かをさせるために、社員にモチベーションを与えることはできません。これをモチベーションの神話と呼んでいます。
 
モチベーションを与えて成果を上げさせようとするのではなく、成果を上げせることによって、自発的に動機づけされます。
 
そのためには、彼らが成果を上げられる仕組みを創り上げることが大切なのです。
 
 
 
価値観を体現する
 
経営者であるあなたは、時に職人の仕事をし、時にマネジャーの仕事をし、時に起業家の仕事をしています。
 
職人的仕事をしているときには、ほかのスタッフがあなたの背中を見て、学び、成長できます。マネジャー的仕事をしているときには、ほかのスタッフにあなたの理論を説明することで、彼らは効果的なマネジャーになることができます。起業家的仕事をしているときには、彼らはインスピレーションを受けます。
 
あなたのやるべきことは、単に仕事を終わらせるのではなく、仕事を通じて導くことなのです。社内で枯れない井戸となり、そこから価値観を生み出し、浸透させ続けていることを忘れてはなりません。
 
組織図の上に行くにしたがって、あなたは何をしているか?よりも、どんな人物であるか?が大切になります。
 
これはリーダーの大きな責任でもあり、チャンスでもあります。あなたは意識しているかどうかにかかわらず、常に、周りの人たちをトレーニングしていることを忘れてはなりません。
 
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