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第九条 何が欠けているのかを発見する

起業家的な経営者は、自分のビジョンや社会に欠けている部分を発見し、それをビジネスで解決する方法を発明します。

起業家な経営者は、自分の周りの状況を絵に例え「何が欠けているのだろう?」と常に質問を投げかけて生きている発明者です。
 
“何が起きているんだろう?何が欠けているんだろう?”と質問しましょう。
 
世の中には、たくさんの信じられないことが起きています。それを解決できるかどうかは、あなたにかかっていると考えましょう。あなたに責任があると考えましょう。時間がない、余裕がない、どうやればいいかわからない、と言うかも知れません。
 
しかし、どんな偉大な起業家も同じだったのです。最初に始めたとき、どうやればいいのかわからなかったのです。発見と創造を繰り返す中で、よりよい方法を見出してきました。それがすべての起業家が行ってきたことなのです。
 
自分の人生(絵)に何が欠けているのでしょうか?
 
自分のビジョン(絵)に対して何が欠けているのでしょうか?
 
顧客が得るべき成果(絵)に対して何が欠けているのでしょうか?
 
社会のあるべき姿(絵)に対して何が欠けているのでしょうか?
 
この問題をこの世からなくすための方法を発明できないでしょうか?
 
それをどうビジネスに出来るでしょうか?
 
起業家的な経営者は、欠けている絵を完璧にするために必要な部分を発明することによって、それに答えます。
 
その質問の答えこそが、ビジネスなのです。
 
 
ビジネスは発明
 
発明家が新商品を発明するのとは異なり、起業家はビジネスを発明します。彼らが発明するビジネス自体が、商品となります。そして、そのユニークさを通して、ビジネスに関係する人々の想像力を掻き立て、魅了します。
 
何かしらユニークさや独創性がないのであれば、そのビジネスは最初から発明品ではありません。それが発明品でないのであれば、それは起業家的なビジネスではありません。起業家的なビジネスというだけでは成功の保証にはなりませんが、起業家的でないビジネスは失敗を保証しています。
 
起業家は、発明(ビジネス)の成功を成長によって測定します。起業家にとって、遅い成長または成長がない事は、選択肢にはなりません。起業家は繁栄するビジネスを作るのであって、単に生き残るためのビジネスを作るのではないからです。
 
つまるところ、ビジネスの状態は、成長しているか、衰退しているかしかありません。
 
成長しているとは、夢とビジョンに近づいていることです。そして、衰退しているとは、文字通り、倒産へと向かっているか、去年と変わらぬ仕事をし、昨年と変わらぬ結果しか出せていないことです。
 
なぜ変わらなければ、衰退なのでしょうか?
 
それは私たちが日々、歳をとるからです。そして、日々、新しい競合が増え、新しいタイプの消費者が増えるからです。私たちが変わらなくても、世界は進化しています。だから相対的に見て、あなたのビジネスは衰退してしまいます。
 
実のところを言えば、世界的に成長した会社の多くは、創業当初から、すばらしい成長を遂げたわけではありません。成長しようとする試行錯誤の中で、経営者の起業家精神が目覚めた結果、いまの姿になったのです。
 
私たちは誰にでも起業家精神を秘めています。人によっては他の人よりも長い時間が掛かるかもしれませんが、誰にでも驚異的なビジネスを創る素晴らしいアイデアを思いつく能力は存在します。
 
起業家精神に目覚めた経営者は、顧客がするよりもずっと前に、顧客のために選択を行います。顧客は発明されたものを自分が欲しているのかどうか気が付くことが出来ません。起業家が実際にそれを発明して長い時間が経つまでは。
 
起業家が創るものは意味(meaning)を持ちます。だからそれはお金を生み出すのです。それは逆の方向で働きません。つまり、お金を生み出すことは、創られたものに意味を与えません。
 
 
いつでも再創造できる
 
起業家精神に目覚めた経営者にとっての意味は、ありきたりを越えたところに到着するこです。あなたは単に、他よりもより多くの選択肢があるとか、より安い価格とか、より早く配達するということよりももっと深いところに到着しなければなりません。
 
そこで、あなたにビジネスを再創造することを提案したいのです。
 
私たちすべての人間は、創造するために生まれてきています。しかし、日々の仕事に慣れすぎてしまうと、創造することを忘れてしまうのです。だから私たちは、ビジネスの中で働き続ける(Working IN)、という状態になってしまいます。
 
食べ物に中毒になるように、その働き方、その生活、その考え方の中毒になってしまいます。だから、その中毒から抜け出すことが必要であり、それは間違いなく可能なことなのです。
 
それができたとき、まったく新しいアイデアや視点が見えてきます。
 
もしあなたが既に何十年と会社を経営していたとしても、いつでも再創造することが出来ます。いつでも、まったく新しい会社へと生まれ変わることが出来ます。
 
真の起業家が創るビジネスは、世の中の99%の人が構想するものとは異なる方法で開発され、設計されます。
 
彼らは、
 
「もしこれが世界で最も成功しているビジネスだとしたら、どんなことが行われるのだろうか?」
 
と常に自問しています。
 
そんなことを考えている暇はない。自分が止まれば、会社も止まってしまうから、というかも知れませんが、あなたにはあなたと一緒に働いてくれる人を見つけることができます。
 
あなたの周りに、どこにでも、創造、学び、成長の機会を求めている人は存在するからです。
 
あなたの夢を手助けするために待っている人がいるのです。
 
しかし、あなたに夢がなければ、ビジョンがなければ、彼らはあなたに魅力を感じません。
 
彼らはあなたのところにやってきて、あなたと一緒に働きたいと思いません。
 
なぜならば、彼らにとって重要なことは、あなたのビジネスのエネルギーであり、魂であり、卓越したビジネスを創るという夢だからです。
 
 
 
追求するのに値するアイデア 
 
もう一度自問してみてください。
 
あなたの人生(絵)に何が欠けているのでしょうか?
 
あなたが得た全てのもの、あなた自身の全てをかけて夢を情熱的に追求しない限り、真の意味で生きているとはいえません。
 
あなたにとって、全人生をかけるほどに、情熱をかける価値のあることとは何でしょうか?
 
起業家の情熱はビジネスを発明することからだけでなく、自分が発明したものを経験した人の喜びや称賛の言葉からも生まれてきます。
 
そういった意味で、起業家はパフォーマーと同じです。起業家にとっては人々から称賛されることほど心を満たしてくれる事はありません。
 
彼らが作ったビジネスの商品やサービスを買う顧客がいて、そしてそれを“もっと”必要として、また戻って来る顧客は、起業家の独創性、輝き、パフォーマンスに拍手を送ってくれているのです。
 
起業家は、当初心で描いた通り、顧客とビジネスが本当に一体化したときに喜びを見出します。発明したビジネスが世の中にとって重要であればあるほど、成功の継続がより簡単になります。
 
何が欠けていると思うかは、人によって異なります。その人の生き方、歴史、価値観、目的が異なるからです。
 
したがって、新しいビジネスの創造、そして再創造、すなわち、新しい生命を生み出すための旅。それは、たった一人、あなたにとってのみ、重みを持つものになります。あなたが起業家精神に目覚めたとき、あなただけが、それを実践することができるのです。
 
そして、そのアイデアが、あなたにとって不可能だと思えること、あなたの存在より大きいと思えること、あなたがこれまで想像したものよりも大きいことでなければ、それはあなたが行うに値しないアイデアです。
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