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仕組み経営サミット – イントロダクション「なぜ仕組み経営が必要なのか? by 一般財団法人日本アントレプレナー学会 代表理事 清水直樹」書き起こし

先日(2019年10月23日)に行われた仕組み経営サミットでの私のイントロダクションの書き起こしとスライドです。時間が足りず、用意したスライド全部を紹介できませんでしたが、以下にアップさせていただきました。

 

利用したスライド

自己紹介

最初に自己紹介ですが、この財団は元々、マイケルE.ガーバー氏との出会いで始まっています。現在83歳で現役で活動しています。彼の教えを日本で広めるために創ったのがこの財団です。彼を有名にしたのが、「はじめの一歩を踏み出そう(原題:E-Myth Revisited)」という本を書いたことです。世界では700万部、日本でもベストセラーで売れ続けています。
仕組み経営はこの本の内容を実践していこうということで、考え方とやり方の集合体になっています。当会は、他にも二つほどローンチしているものがあります。ひとつは、ドリームマネージャーという本をベースにしたプログラム。もうひとつは、「ティール組織」をベースにしたヨーロッパ発のプログラムです。簡単に言うと世界中からワールドクラスのコンテンツを輸入して広めている団体です。

 

人依存の典型例5パターン

仕組み経営の大きなテーマは、「人依存から仕組み依存に変えていこうということです。

会社が人依存であることで、どういう悪影響が出るか?

人依存の典型例5パターンを紹介します。

ひとつめが、職人型ビジネスです。はじめの一歩を踏み出そうには、ほとんどの中小企業が失敗する理由が書いてあります。それはほとんどの社長が職人型ビジネスで起業してしまう、ということです。個人的な人脈とか能力や技術を武器にして独立してしまう、ということです。それ自体は悪くないのですが、社長が職人仕事に没頭していると、社長の時間と体力の限界がビジネスの限界になってしまい、それ以上成長しません。

次がハブ型ビジネス。これはもう少し会社が大きくなると発生します。社員がいて、組織図はあるものの、社内のあらゆる意思決定が社長に依存している状態。社長を経由しないと、色々なことが決まらない。これも社長がボトルネックになってしまっていて、成長しない。これも社長に依存するビジネスです。

3つ目が偽委譲型ビジネス。これはたまたま社内に出来る人がいると起こりがちです。社長はできる人に色々な仕事を任せているのですが、実際のところ放任しているにすぎない状態。この状態は社長ではなく、デキる人に経営が依存していることになります。出来る人が辞めてしまうと、先ほどの状態に戻るので、非常にリスクが大きいです。

次が、ハロー・グッバイ型ビジネス。新入社員がハロー、と言って入ってきたと思ったら、いつの間にかグッバイしているという非常に社員の流動性が高いビジネスです。こういうビジネスの社長は優秀な人がいれば会社がうまくいくと思っていますが、実際のところには、正しい人を採用したり、教育する仕組みが無いからこのような状態になります。

最後が烏合の衆型ビジネス。社長が社員の自主性に任せたい、と考え始める起こりがちなパターンです。一見するといい会社のように見えますが、ビジョンに向けて本当に重要な仕事に集中できないビジネスになりがちです。

これらすべてが、人依存であり、仕組みの欠如によって起こります。

今みたいな症状を仕組みで解決しましょう、というのが仕組み経営です。

 

経営を仕組み化するとどうなるか?

逆に仕組み化するとどうなるのか?

まず社長の自由時間が圧倒的に増えます。週一回会社に行くだけで十分、みたいなお客さんもいます。その自由時間で長期的なビジョン考えたり、顧客や社員のための仕組みを考えたりすることが出来ます。

二つ目は高値での事業売却です。いまスモールM&Aが流行っていますが、社長が交代しても経営できる会社じゃないと買い手が付きません。

三番目は家族承継、社員承継、これも同じです。会社を仕組み化しておかないと、社長が交代しても経営できる会社になりません。

4番目は、人を非難する文化を無くす。人依存の大きな特徴は、何かミスが起こると、人を非難するということです。それが続くと人間関係が崩れます。

逆に仕組み依存の会社では、人を非難する文化が無くなり、非常にいい文化、環境になります。

最後が事業のスケールアップ。店舗ビジネスだとわかりやすいですが、社長が店舗の運営に忙殺されていると、それ以上展開できません。仕組み化して社長の時間があけば、二店舗目、三店舗目と拡大していくことが出来ます。

今述べたのが、社長や会社側のメリットです。

一方、顧客や社員にもメリットがあります。

顧客は、いつでも毎回、同じような一貫性のあるサービスを受けることが出来ます。

社員は、さっき言った通り、非常に良い職場環境で仕事をすることが出来ます。

なので、仕組み経営の目標は、まず人依存で起こる様々な課題を解決することです。

ここまではいつもお話ししていることです。

 

仕組み化の本当の目的とは?

今日はせっかくなので、仕組み化の本当の目的、について話したいと思います。

私が2010年にマイケルE.ガーバーに会った時、一番最初に教えてもらったのが、アントレプレナーシップです。これなくして、会社の仕組み化はない、ということを教えてもらいました。

はじめの一歩を踏み出そうには、自分がいなくてもうまくいく仕組みを作りましょう、というテクニック的なことが書いてあります。ただ、その背景にはアントレプレナーシップがあります。

アントレプレナーとはどういうことか?

なぜアントレプレナー学会、という名前にしたかと言うと、これが大事だからです。これは日本語で言うと起業家です。起業家というと、これからの人とか、会社を創ったばかりの人のことを指しているように考えられています。ただ、これはそうじゃなくて、たとえば、孫正義さん、リチャードブランソン、イーロンマスクなどを見てみると、彼らはどちらかというと経営者というより、起業家というイメージが湧くと思います。組織の規模とか、業歴とか関係なく、起業家精神を持っている人を起業家と呼んでいます。

 

起業家精神とは?

じゃあ、起業家精神って何?ということになりますが、この話をするのに、ガーバー氏の言葉を引用するのが早いと思います。

 

この世に飲料水が限られた量しかないとしよう。しかし、あなたは飲めない水を飲めるようにする方法を見つけた。人々はあなたのところに列を成し、あなた一人では対処できなくなる。すべてのビジネスに同じことが言える。会社を大きくはしたくない、自分が生活できれば良い、という人は、飲み水を作る方法を見つけて、それを自分で飲んでいるだけである。彼らの人生はそれ以上豊かなものにはならない。

 

まとめると、起業家というのは、飲み水を作る方法(問題の解決策)を発明し、それを世界中に広める仕組みを作る人。このように定義しています。このような気持ちを持った人を起業家、と呼んでいます。日本人は問題の解決策を考えるのは得意です。一方、仕組みづくりはアメリカ人が得意で、日本人は苦手。

だから私たちがやっているのは、和魂洋才なんです。日本が持っている問題の解決策を海外発の仕組み化というメソッドを使って、世界中に広めていこう、ということなんです。

さっきの起業家の定義に当てはまることをやったのが、たとえば、ヘンリーフォード。庶民でも買える車を作りたい、という夢を持ち、それを作る仕組みを作りました。本田宗一郎もそう。戦後、夢を失った日本人に夢を取り戻させたい、ということでドリーム号というバイクを作りました。松下幸之助も物資が不足している時代に、水道哲学を提唱し、生活に必要なものを水道のように届けたい、ということで、ナショナルショップを全国に作り、自社の商品を日本中に広める仕組みを作りました。モハメドユヌス氏。彼は貧困をなくしたい、という夢をもち、それを実現するための仕組みとしてマイクロクレジットという仕組みを作りました。

最後が、アリゾナのインフュージョンソフト。この会社は元々小さいソフトウェア会社でした。昔は会社を10億円くらいで売却できればいい、という感じで考えていたのですが、ガーバー氏の講座に参加し、自分たちは何のためのビジネスをやっているのか?ということに気が付き、そこから急成長しました。スモールビジネスの成功を支援するということを自分たちの夢に掲げ、業界では一位か二位、年商も100億円を優に超えています。

このように仕組み化の本当の目的というのは、他の誰かの問題を解決する方法を発見し、それを世界中に広めること、です。

ぜひこの点を念頭に置いて仕組み化に取り組んでください。