動画でも解説しています。
会社は7つの分野の仕組みで成り立っている
会社は7つの分野の仕組みで成り立っています。それがこの全体像が「7つの視点」ということですけど、この図に出ているようなものになっています。
真ん中にリーダーシップがあって、上に組織、ブランド、財務、下に価値提供、集客、セールスとなっています。これを7つの視点と呼んでいるわけです。
これは私の師匠であるマイケル・ガーバーさんから学んだことですけど、彼は40年くらい前から会社は仕組みで成り立っていると提唱し、会社の仕組みづくりを手伝う会社を作ったんです。それで世界的に有名になった人ですけど、彼が会社は7つの分野の仕組みで成り立っていると定義したのです。
つまり、会社の仕組みづくりをしていこうと思ったら、この7つの視点を見ていけばいいわけです。
リーダーシップの仕組みづくり
まず、リーダーシップです。リーダーシップの仕組みとは何かといいますと、ここに書いてあるような仕組みづくりをしていくということです。他にもいくつかあるんですけど、今回は代表的な話だけ進めていきます。
理念体系
理念体系、ミッション、ビジョン、バリューを策定していくための仕組み、またはそれを改定していくための仕組みが必要になっていきます。もちろん理念体系は頻ぱんに変わるものではないですが、時代環境とか、市場環境が変わってくると理念もそれに合わせて変えていくことも何年かに1回は必要になってくるので、それをどうやって変えていくかの仕組みが必要になってくるということです。
計画
そして計画づくりの仕組み。事業計画とか、経営計画とか、もしくはプロジェクトの計画とかいろんな計画がありますけれども、その計画をどうやって立てていくかという仕組みづくりです。これも会社の中で統一しておくといいということです。
時間管理
そして時間管理、これは社長個人の話になりますけど、社長がどうやって短い時間で大きな成果を出すかということです。時間を管理するための仕組みもこのリーダーシップの中に入ってきます。
仕事環境の整理整頓
そして仕事環境の整理整頓。例えばお店の清掃ですとか、オフィスの清掃ですとか、物事の整理整頓です。これは会社の中でどうやっていくかという仕組みづくりのことを指しています。これはリーダーシップに入るのか?と思われるかもしれませんけど、社長が仕事環境を整理整頓していくリーダーシップを取らなければ、会社の中でこういう仕組みができないわけですから、あえてこのリーダーシップの中に入れているということになります。
経営チーム
あとは経営チームの運営の仕方。これもリーダーシップのところに入る仕組みづくりになります。
ブランドの仕組みづくり
次はブランドの仕組みづくりです。
ブランドの定義と改訂
例えば、ブランドの定義と改定、自社にとってのブランドとは一体何か?お客さまに対してどういう約束をしてるか、そこの定義をする仕組みだったりとか、それを変えていく仕組みが必要になってきます。
顧客の選定
そして自社にとっての最高の顧客は誰なのかというのを決めていくための仕組みも大切です。何を基準に、顧客像を決めていくのか?
ブランドイメージ
そしてブランドイメージ。自社のブランドを表現するためにどういう色使いをするか、どういう素材を使うか、こういったことを感覚パッケージと呼んでいます。そういうブランドのイメージをどうやって伝えていくかの仕組みづくりも必要になってくるということになります。
組織の仕組みづくり
そして組織です。この分野はたくさん仕組みが必要ですけど、代表的なものでいうと、以下の通りです。
組織図&職務内容
例えば組織図を作成したいとか、改定していくための仕組みがそうですし、各役職、各ポジションの職務内容の定義をする仕組みだったり、またそれを改定していくための仕組みも必要になっていきます。これがあることで、いわゆる責任とか権限の範囲がしっかりと決まるということです。
会議
そして会議を運営していくための仕組みも必要になってきます。
採用&育成
そして採用、自社にとって優秀な人材を採用していくための仕組みも必要になってきます。そして育成の仕組み、採用した人をどうやって自社に適用するように育成してくかの仕組みづくりもこの組織の中に入っていきます。
財務の仕組みづくり
そして財務の仕組みです。これも一部ですけれど紹介します。
予算&キャッシュフロー計画
例えば予算計画を作る仕組みだったり、キャッシュフロー計画を作る仕組みです。中小企業でこの計画をきっちり作っている会社は意外と少ないのではないかと思います。
会計&経理
会計と経理は会社の基本です。税理士さん任せにしないで、自社内でお金を管理する仕組みを作りましょう。
財務指標
そして自社にとって大切な財務指標は何かを特定して、それを管理、フォローしていく仕組みも必要になってきます。
価値提供の仕組み
価値提供は一般的にあまりなじみがないかもしれませんけど、お客さまを集客して、営業して、契約してもらったり、物を買ってもらうわけですけど、その契約した後に実際にお客さまに対して、サービスだったり、商品を提供するプロセスのことを価値提供と呼んでいます。
商品設計
顧客にとって理想的な商品は何かを設計をする仕組み。
顧客サービス
顧客サービスをいつも同じように届ける仕組み。
デリバリー
商品やサービスを毎回同じような品質で届ける仕組み。
顧客体験
顧客と自社との接点において、一貫して自社のブランドを正しく伝える仕組み。
セールス(営業)の仕組み
セールスは説明するまでもないですが、いつも同じように営業できるための仕組みが必要です。
販売プロセス
いつも同じように成約率が出せるような販売の仕組み。
紹介
紹介の仕組みづくりです。紹介も勝手にしてくれればいいですけど、いつも同じように一定のパーセンテージで紹介してもらえるような仕組みもあったほうがいいです。
リピート
そしてリピートしてもらうための仕組みづくりも必要になってくるということになります。
集客の仕組みづくり
そして最後の7つ目が集客の仕組みです。
集客メディア
どのメディアを使えば、一番集客できるのかというテストをしたり、結果を判定するための仕組み。
集客メッセージ
どういうメッセージを出せば一番、見込み顧客に響くのか、それをテストする仕組みだったり、メッセージを作る仕組みが必要になってくるということです。
集客プロセス
全体の集客のプロセス、お客さまはどこから来て、どういう流れで契約に至るのかという全体の流れです。これも仕組みにして、毎回同じように集客ができるようにしていかないといけないことになります。
どの仕組みづくりから行うか?
以上、会社の仕組みづくりに必要な7つの視点を紹介してきました。冒頭に申し上げた通り、今のは全体図で、この中で今自社がどこに取り組むべきかは、各社それぞれになってくるので、ご自身でどこから始めようかな?ということを考えていく必要があります。
優先順位の付け方に関しては、いくつかパターンがあるんですけれども、一つは会社の今の成長ステージです。
幼少期の仕組みづくり
マイケル・ガーバーによると、会社は幼少期、青年期、成熟期と分かれるんですけど、まず幼少期です。会社を創業してそれほど間がない場合にはこの下の3つの部分です。集客、セールス、価値提供、まずここの仕組みづくりをしっかりやるということです。
幼少期の一番の課題は、要は売上を上げることです。新規でお客さまを連れてきて、クロージングして、価値を提供するということですけど、この流れをいかにうまく回すかが幼少期で一番大切なことです。
この段階でいくら良い組織の仕組みがあっても、全部の仕組みがあっても役に立たないわけです。とにかく、キャッシュを回さないと会社そのものが回らないわけですから、集客して、セールスして、価値提供をするというここの仕組みづくりをしっかり作って、これをまず自分でなくてもできるようにしていくことが幼少期における大切なことです。これが回ってくると次のステージの青年期のステージになってきます。
青年期の仕組みづくり
青年期になってくると、社員が増えてきたり、お客さまが増えてきたりするので、今度は上の部分です。財務、組織、ブランドというところがフォーカスすべきポイントになっていきます。この上の部分をきっちり整えれば整えるほどさっきの集客、セールス、価値提供はどんどん加速度的にうまく回るようになってくるということです。
例えばブランド力、ブランドの仕組みをしっかり作ってブランド力が高まっていけば、集客も簡単になるし、セールスも簡単になるということです。
そして組織の仕組みがちゃんとできていけば、価値提供、集客セールスの仕組みは人の能力も上がってくるし、いい人材が入ってくるので、どんどんうまく回ってくるということです。
そして財務の仕組みがちゃんと整ってくれば、集客、セールス、価値提供のうち、どこに今投資をしたら一番効果があるのかが分かってくるので、ますますこのサイクルがうまく回るようになってくるということです。これが青年期でやるべきことになります。
成熟期の仕組みづくり
最後は成熟期になってくるとだんだん周りの部分の6つの仕組みがうまく回ってきますので、今度は社長がやるべきことはこのリーダーシップの仕組みです。ここに焦点を当てていくことになります。
例えばさっき言った、経営チームを作ったり、事業計画、経営計画の方により多くの時間を割いたり、理念体系をもう1回再定義し直すとか、そういうことに時間を作っていくということです。
というように、一つの目安としてはそういう成長ステージに合わせて、優先順位を変えていくというパターンがあります。もちろん幼少期だからといって会社の理念を全く考えないでいいというわけではなくて、優先順位として今言ったようなところに焦点を当てていくという話です。
会社の仕組みづくりなら仕組み経営へ
以上、仕組みづくりの全体像と優先順位の考え方をご紹介してきました。これをもとに、皆さんの会社の仕組みづくりというのに取り組んでみていただければと思います。なお、仕組み経営では、以上に申し上げたような視点で、会社の仕組みづくりをご支援しています。詳しくは以下からご覧ください。