「経営理念の浸透が大事」
「経営理念が浸透しない」
「理念はあるし、文書化も出来た。でも、それを言葉だけのものにせず、組織に浸透させる方法とは何か?」
などなど、経営者の方で”経営理念を浸透させる方法”について悩んでいる人は多いでしょう。
経営理念が浸透することによって、社内に細かいマニュアルやルールを作らずとも社員が会社のビジョンや存在意義に沿った行動を取るようになるため、
ルール作成のコストが省け、社員がより自由に生き生きと働ける環境を構築する事ができます。
そこで今回は経営理念の浸透をテーマに、まずは経営理念および何かを説明した後、経営理念を浸透させる7つの方法を紹介します。
ぜひ最後までご覧ください!
経営理念とは?
そもそも経営理念とは、辞書によると次のように説明されています。
“組織の存在意義や使命を、普遍的な形で表した基本的価値観の表明”
しかしこの説明では不十分なので、我々仕組み経営がオススメする経営理念の理解の仕方を紹介します。
経営理念は以下の3つの要素で成り立ちます。
- MISSION(存在意義)
- VISION(あるべき姿)
- CORE VALUE(価値観)
ミッションとは、経営者の夢と同等のもので、会社があることによって社会にどのような価値をもたらしたいのかを表します。
ビジョンとは、ミッションの実現のために会社が具体的に目指す姿のことです。
最後にコアバリューとは、会社が大切にしている価値観のことで、社員の行動規範を刺します。
例えば、ソフトバンクではミッション・ビジョン・コアバリューを次のように定めて経営理念としています。
経営理念についてより詳しく知りたい方は以下の記事もご参照ください。
経営理念の浸透とは?
でも、経営理念が浸透する、とはどういうことなのでしょうか?
つまり、どういう状態になれば浸透していると言えるのか?
それがわかっていなければ、経営理念を浸透させたい、といっても、漠然としすぎた願望になってしまいます。
売上目標ならば、具体的に期限と数字で立てられるので誰が見てもわかりやすいですが、経営理念の浸透というのは、数値化できないために目標としては不十分です。
そこで、たとえばですが、下記のような経営理念の浸透レベルに分けるとより目標として設定しやすくなります。
1.言葉の存在を知っている。言葉を覚えている。
2.理念を象徴するような具体例を知っている。実際に自分で経験したことがある。
3.理念の意味を解釈できる。自分の言葉で言える。
4.理念を行動に結び付ける。行動の前提となる。こだわる。
引用元:松岡久美(1997)
このように、漠然としている願望や目標を具体的に落とし込んでいくことを私たちは、”KSI(戦略的指標)”と呼んでいます。
KSIを使うと、経営理念の浸透だけではなく、組織の様々な側面を数値化することが出来ます。
いずれにしても、”経営理念を浸透させよう”と言っても、社員の方にはピンと来ないものなので、あなたの会社にとって、”経営理念が浸透している”とはどういう状態なのかを考えて指標を作ることをオススメします。
経営理念を浸透させる7つの方法
では、経営理念を社員に浸透させるのに効果的な方法を紹介していきます。
①経営者が行動で示す
経営者は常に社員のお手本として見られています。
そのため、自身が経営理念に反する行動を取ることは経営理念の浸透を最も阻害する要因になるので、常に理念に沿った行動をするように心がけてください。
会社の業績が悪化したり問題が発生した時は、経営理念を守るのが一番難しい状況ですが、そんな時こそ特に理念に従って意思決定を行うことで社員にいかに経営理念が会社にとって重要であるかを示す事ができます。
②研修
経営理念やコアバリューをリストにしてメールで送ったり、書類を渡したりする事で社員に正しく理念を理解させ、重要性を教えるのは不可能です。
そのため、新入社員には経営理念に関する研修をしっかり行いましょう。
アメリカのある企業では、新人にコアバリューに関する研修を4時間みっちり行い、人事研修よりも優先度を高くした事で、売上が400万ドルから12億ドルにまで成長したそうです。
③経営理念を人事評価基準にする
社員の評価を定める指標に経営理念に沿った働きぶりができているかどうかを加え、結果によってインセンティブを与えましょう。
これによって、社員の経営理念に対するモチベーションを高めることに繋がります。
最も理念に合った働き方をした社員を社内投票で決め、1位に特別報酬を与える制度の導入なども効果的でしょう。
④営業プロセスに経営理念を盛り込む
BtoBであれば営業が使う商談資料に、BtoCであれば顧客とのコミュニケーションを取る媒体に、
経営理念を盛り込み、ミッションやバリューがどのように顧客サービスの向上に繋がっているのかを説明しましょう。
こうすることで営業やマーケティングに関わる社員は理念に触れる機会が増え、顧客に対して理念を全うする責任が生まれるので浸透しやすくなります。
⑤採用活動を経営理念を基に行う
“経営理念を共有する人を採用する”ことは求めるスキルや経験をもつ人を採用することと同じくらい大切です。
初めから理念に共感してくれる人材を雇うことによって、採用後の企業文化へのフィットやパフォーマンスに大きな差が見られます。
⑥経営理念に基づいて解雇する
社員を解雇することは経営者にとって最も難しいタスクです。
しかし、社員が繰り返し理念に反する行いを繰り返すと、個人の評価だけでなく会社全体の成績にも響いてきます。
社員一人一人が会社を代表し、ミッション・ビジョン・バリューに責任があるということを忘れないようにしましょう。
⑦外向きと内向きの発信を紐付ける
最後に、会社の外に向けて発信するメッセージと社内に発信するメッセージは必ず一致しなくてはなりません。
例えば、会社のホームページや広告で述べていることは必ず社員向けに送られる営業ニュースと同じでなくてはなりません。
外面だけがよくて社内には裏があるようでは、社員は会社を信頼しなくなり、経営理念など上っ面だけだと思われてしまいます。
一貫性を何よりも大切にすることを忘れないでください。
いかがだったでしょうか?
経営理念を浸透させる方法は色々説かれていますが、一番大切なのは自社のミッション・ビジョン・バリューは何かをとことん納得できるまで熟考し、社員にその意味と大切さを伝えることです。
ぜひ上記の方法も実践してみてくださいね。
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