ビジネス開発

ビジネス構築の3つの要素【誌上セミナーvol.2】



清水直樹
ビジネス構築とは、イノベーション、定量化(数値化)、標準化を間断なく繰り返し、事業や企業を成長させ続けるプロセスを指す言葉です。本記事では、マイケルE.ガーバー氏が過去に行った講演内容の中から、ビジネス構築方法ご紹介していきます。講演が行われたのは1980年代~1990年代と古く、使われている例や言葉も古いですが、内容は今でも普遍的です。ぜひお役立てください。
マイケルE.ガーバー氏・・・世界700万部のベストセラー「はじめの一歩を踏み出そう」の著者であり、世界No.1の中小企業アドバイザー(米INC誌による)に選ばれた。当サイト「仕組み経営」のもとになっている思想を提供してくれた人物。詳細はこちら>>
(以下、1980年代のマイケルE.ガーバー氏の講演内容)

サマリー

  1. ビジネス構築は、イノベーション、定量化(数値化)、標準化を間断なく繰り返し、事業や企業を成長させ続けるプロセスである。
  2. イノベーション:伝統的なアプローチからの脱却と、新しいビジネス手法や方法論の創出が必要。例えば、小売業での「お手伝いしましょうか」のフレーズを変えることで、顧客との対話が変わり、売上に影響を与える。
  3. 定量化:イノベーションの影響を測定可能な形で把握し、データに基づいた意思決定を行う。マーケティングの例では、広告からの電話数や来店後の行動を定量的に評価し、改善策を見つけ出す。
  4. 組織化(標準化):ビジネスプロセスを標準化し、自由裁量の排除によって予測可能な成果を確立する。優れたビジネスを他の普通のビジネスから差別化する要素であり、標準化はその鍵とされる。

ビジネス構築第一の要素:イノベーション

ビジネス構築の3つの要素についてお話ししよう。ビジネスがうまくいくように継続的に行う必要がある3つの要素だ。

その第1はイノベーションである。イノベーションといっても、新製品、新商品、新しい売り物を創り出す話をしているのではない。ここでいうイノベーションとはビジネスを行う新しい方法を創ることだ。

イノベーションの実例をお見せする。小売店の方にお聞きするが、店に入ってきた人にいつも最初に店員が言うのはどんな言葉だろう?「お手伝いしましょうか」聞き覚えがあるだろうか?では店に入ってきた人は、それに対してどんな言葉を返すだろう? 「見ているだけです」というだろう?

店員はなぜそんなことを訊くのだろう?「お手伝いしましょうか」、「いいえ」などと言い返されてしまったら、どうしてこんな間抜けな質問をしてしまったのかと思わないだろうか? そして店主は突っ立って見ている。彼は廃業に追い込まれるだろう。

これが小売業にとってどれだけの損害になっているかに気づいているだろうか? あのちょっとした軽率な言葉にどれだけの金がかかっているかが分かるだろうか?

新しいことのテストを行う

では、どうすれば良いだろうか。6週間のテストを行うことだ、まずは最初の3週間だ。店に入ってくる人の数を数える。もうこれだけでイノベーションだ。なぜなら100人のビジネスオーナーに会って、店に入ってきた人の数を尋ねても彼らにはまったく分かっていないのだから。忙しくて数えていられる者などいないだろう。さて、店に何人が入ってきたのか?

第2に「お手伝いしましょうか」と言う。第3に、セールス数とセールス毎の単価を数えて、3週間分を足し合わせる。次の3週間で変えるのは1つのことだけだ。つまり、店に入ってきた人を数えて「お手伝いしましょうか」と言う代わりに「以前にいらしたことはありますか」と言うのだ。「以前にいらしたことはありますか」たとえ分かっていても尋ねるのだ。セールス数とセールス毎の単価を数えて、足し合わせるとどうなるかといえば、6週間後にはセールスが16%上昇している。

「どうしてうまくいったのか」と聞きたいかも知れない。しかし、そんな理由はどうだっていいだろうというのが答えだ。ただ成果が上がることをやれば良いのだ。

このようなイノベーションが第1の要素だ。あなたをビジネスを運営する、もっといい方法を見つけようというわけである。

ビジネス構築第二の要素:定量化

ビジネス構築第2の要素は定量化である。イノベーションのインパクトを定量化、つまり測れるようにするのだ。

定量化の例を挙げよう。あなたたちがマーケティングに携わっているとしよう。イエローページに広告を出している者はどれだけいるだろうか?イエローページを見て電話してくる人は何人いるだろう? 彼らは朝の9時に電話してくるのだろうか、それとも9時20分に、昼にかけてくる方が多いのか、2時にかけてくるのだろうか? 電話がかかってきたときに電話の回数を定量化している者がどれだけいるだろう?

第2ステップが、電話がかかってきたときに何て言うのかである? 第3がベンチマークで、彼らが来店してどうなるのかということだ。電話の会話の結果として何人が来店するのか? 来店したときに買い物をする人は何人いるのか、何人が再来店して買い物をするのか? セールス当たりの単価はいくらか? マーケティングにおける各ベンチマークの定量化がイノベーションにつながるのだ。

定量化できなければ正しいイノベーションが出来ない

定量化が出来ると、広告のイノベーションが出来る。その広告からの電話数をどうやって増やすかを考えられるようになる。または、電話がかかってきたときの手順のイノベーションが可能になる。問い合わせが実際の対面のやりとりにつながる人数は?対面のやり取りの人数、それからその人たちに対する販売プロセスの改善。いかがだろうか? 再来店して買い物をする客数。彼らをよび戻し、もう一度買ってもらうにはどうしたらいいか?

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ビジネス構築第三の要素:組織化(標準化)

イノベーション、定量化、そして最後に、傑出したビジネスを世界中の普通のビジネスから差別化するもの — フェデックスを、ディズニーランドを、マクドナルドを、IBMを差別化しているもの、傑出したビジネスをすべての普通のビジネスから差別化しているもの。それこそがビジネス開発の第3の要素であり、標準化と呼んでいるものである。

「標準化」という言葉で私が意味するのは、自由裁量の排除である。権限移譲がもてはやされるご時世には、誰もが自由裁量、自由裁量とまくし立てるが、正直に言うとそれは急速に破滅に向かう道であると。すべきはその真逆だ。

部下への権限移譲はどのように行ったらいいのだろう? 常に素晴らしい成果があがる完全に予測可能な方法を与えることによってである。人々の能力は、能力が機能する仕組みを創ることによって発揮される。

仕組みが普通の人をハイパフォーマーにする

ビジネスのプロセスを改善することに、全部の意識を集中すること。それによって世界の他のビジネスから自分のビジネスを差別化するのだ。標準化はその鍵だ。仕組みに沿ってビジネスを営むのである。私たちが使うその独自の仕組みこそが、私たちを他のみんなから完全に差別化するのである。

イノベーション、定量化、そして標準化(自由裁量の排除)、それによって、あなたのビジネスは普通の人たちの手によって継続的に素晴らしい成果を上げるのだ。

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ビジネス構築を行う能力について

さて、今言ったビジネス構築を行う能力についてお話しようと思う。これらは起業家や経営者にとって、必須の能力となるものだ。

ビジネス構築第一の能力:集中力

第一の能力は何だろうか。毎日多くのビジネスや生活を行う中で、人々に最も欠けているのは、集中する能力である。常に何かに、次々と気を取られてしまうという方はいないだろうか。これをやっていて、突然あれをやれと言われる。そしてあれをやれと言われる。あなたは1つのことだけ考えてそこに座っているが、突然別のことが頭に浮かび、気が散ってしまう。

ここで疑問が生じる。意識が別の場所に飛んで戻ってくるということを何度繰り返すのか。そして一体何に意識をそらされているのか。人間の自然な状態というのは、眠っている状態だ。つまり、人間の自然な状態は、意識的になる状態を避けることなのである。信じられないなら、このひどい世界を見て欲しい。人間の自然な状態は、意識的になる状態を避けることなのだ。

集中するには?

では、自分の集中する能力を磨くためにはどうすればいいのか。これは、私が子供の時にサックスの先生が教えてくれたことだ。先生は上手にサックスを吹く方法を教えてくれたが、非常に大事な能力も教えてくれた。

サックスを吹くときは、母指球を意識しなさい。

と。



サックスを吹くときに、一体どうして母指球を意識するのだろうか。それは、1つのことに集中していれば、地面にしっかりと足が着いているはずだからだ。

興味深いことに優秀な販売員に出会ったときに、彼が実際全く同じことを言っていた。「誰かとコミュニケーションをするときには、いつも私は母指球を意識しています。そうすれば、ここにいるのだという意識が非常に高まり、話しやすくなるのです」と。

こう言った訓練を続けることで集中する能力が高まる。

ビジネス構築第二の能力:識別力

第二の能力は、識別の能力だ。それは、重要なことなのか、全く重要でないことなのかを判断する能力だ。

自分の人生には全く無関係な、くだらない小さなことに必死になってしまい、多くのエネルギーを費やしてしまったことがあるという方は、どれくらいいるだろうか。それをどうしようが全く違いなんてないのにも関わらず、すごく腹が立って、熱中してしまったりしてしまう、意味がない行為だ。

目的がなければ何が大事かわからない

重要なことと、全く重要でないことを識別するためには、自分は何が欲しいのかということを知る必要がある。そして、効率的にこの識別を行うためには、目的、目標、目指すものを持たなければならない。だから、自分の人生はこのためにある、というものを持たなくてはならない。そして、基準を構築しなければならない。大半のビジネスには基準がないのである。しかし、成功するビジネスには基準がある。

絶えず自分たちを評価するための、基準を持っている。基準がなければ、自分が参加しようとしている世界との関係の中で、自分がどこに立っているのかということを知ることができない。

識別、基準。私たちは、これやあれを識別する力を持たなければならない。この力が、私たちの世界の中での生き方を変えるのだ。

ビジネス構築第三の能力:組織化

3番目の能力が組織化だ。組織化は無秩序に秩序をもたらす能力だ。無秩序に秩序をもたらす能力がないと私たちは混乱に陥ってしまう。無秩序に陥っている者が価値あるものを生み出したことはこの世でかつてないのだ。

では組織化とは何だろう?組織化できるものは3つしかない。作業、空間、時間だけが組織化できる。人は組織化できない。試そうとしてもいけない。

物事をあるべき場所に整える

私が知っている大工の親方の作業場に入って行くと、その職場は非の打ち所がなく整理されている。すべてがあるべき場所にある。すべてが研がれて準備され、親方が使えるようになっている。すべてが手に届く場所、あるべき場所に置いてある。彼は自分の作業場で、あるべき物の全部を本来の場所に効果的に置き、自分の作業が申し分なく行える秩序が生まれるようにしている。

行うべきことを容易かつスムーズに行えるように、ビジネスが機能するための秩序とはどのようなものであろう?

ビジネス構築第四の能力:イノベーション

私が言うイノベーションとは、最良の方法を間断なく模索するスキルのことだ。しかし最良の方法は決して見つからない。だからこそ絶え間ない改善が必要になるだろう。最良の方法が決して見つからないからこそ絶え間ない改善が必要なのであり、私たちにできるのは、絶え間ない改善を通して間断なく最良の方法を模索することだけだ。なぜか? 物事における自然の法則が成長だからである。成長とはサイズではない。内部的な成長である。

人間の本質は成長

ビジネスの本質が成長だとするならば、人間の本質も成長だ。成長をやめたとき私たちは死んだも同然だ。硬直してしまうのだ。私たちの多くが、人生において自分が取ったポジションによって、自分が何者なのかが決まってしまっている。

子供は四六時中質問をするものだ。 あれやこれや、あれやこれや。頭がおかしくなりそうだ。でも答えなんか知らない。答えなんか知らないのだ。「空はどのくらい高いの?」知るわけがない!  答えなんか知らない。まったくやっかいだ。

そう、質問こそイノベーションの本質だ。

絶え間ない質問を繰り返す

イノベーションとは、絶え間なく続く質問のプロセスである。答えを見つけるプロセスではない。なぜなら見つかった答えの全部が間違いだからだ。答えを待ち構えているのは新たな質問であり、その質問に対する答えが新たな質問につながるのだ。そしてその質問がまた新たな答えへと、その答えが質問へと永遠に続くのだ。果てしのないスパイラルだ。

答えとは、自分がどこにいるかを知るために私たちが頼るものであり、質問とは、自分がどこにいるのかを知るための問いかけである。

なぜこのやり方でやっているのか?

たとえば、どうしてこの方法でやっているのか?という問いかけだ。

「今までずっとこの方法を続けてきたが、なぜだ? もう一度考えなおしてみよう。なぜだろう?」

「この方法でやっているとどんな感じがするだろう? これをしていて楽しいか?」

この問いかけをしている者がどれだけいるだろうか?

あれこれと質問をする。それこそが仕事だ。ビジネスにおいては、第1に質問者であるべきで、答えを持つことが第1ではない。あなたは答えを持っている神ではなく、質問をする側なのだ。ビジネスにおいて、答えを持っている者などいない、

もっと良いやり方を間断なく模索するのだ。それこそが自分の営業マンに教えることであり、自分のマネジャーに教えることである。

ビジネス開発第五の能力:コミュニケーション

第五の能力はコミュニケーションだ。私たちは何から何まで相互依存しており、そこから、コミュニケーションが非常に大切だということが導かれる。あなたは、集中しており、自分の道を識別していて、組織化されていて、より整理されており、効率も高まっている。イノベーションも学び、常によりよい方法がないかと模索しる。



これを世界の中で活用するにはコミュニケーションが必要になる。

人を魅了するには

ここで経営者や起業家であれば浮かんでくる疑問がある。

私たちはどのように人を魅了すればいいのか?

あなたがやっていることは、十分に野心的なものだろうか。

その時点の自分や他の人たちには届かないもので、自分の存在より大きなものだろうか。目的が自分の存在より大きなものでなければ、それを目指す価値はない。そして、あなたが手を伸ばしているアイデアが十分に大きくなければ、そのアイデアは人を魅了することはないだろう。

ビジネス構築の計画を立てる

最後に計画の話をしよう。誰もが「計画は立てましたか?」と言う。「私にはマーケティング計画があります」というのは年がら年中耳にする。しかし、私は一度も真のマーケティング計画を見たことがない。ビジネスをしてからずっと今まで、一度もマーケティング計画というものを目にしたことはない一つも見たことがない。その理由は、誰も計画することを好まないからだ。そして、一体それが何であるか誰も知らないからなのだ。

計画とはベンチマーク

計画において重要なのが、ベンチマークだ。ベンチマークとは、計画の目標を達成する過程における中間的または過渡的な目標のことだと言っていい。別の言い方をすれば、目標に到達するために「これをしなくてはならない」というのがベンチマークだ。目標に向かって、ベンチマークのリストが出来る。ベンチマーク1、ベンチマーク2、ベンチマーク3、ベンチマーク4といった感じだ。ベンチマークと目標は実をいえば同じものだ。ベンチマークと目標は、あなたの最終的な目的の実現に向けての中間ステップだ。

もうお分かりだろうが、中間的目標とはそれ自体が別の計画の目標なのだ。従ってそれぞれのベンチマークは小さい計画の目標なのだ。その小さな計画におけるベンチマークは、別の小さな計画の目標だ。これらのベンチマークのそれぞれが、それ自体として計画なのだ。

登山を例に挙げよう。登山のためには何が必要だろう? 何ともすごい目標リストができてしまう。つまり山の頂上に到達するために達成する必要のあるベンチマークだ。目標は何だろう? 第1にするべきこと、第2にするべきこと、第3にするべきこと、第4、第5、第6、第7、第8、第9にするべきことの全部にそのための方法がある。さもなくば目的に達することはできないだろう。そして、行動計画には期限が必要だ。従って行動計画の目標があり、マネージャーが責任を負う計画プロセスがあり、計画の達成を保証する基準があることになる。

ルーティンとプロジェクトを分ける

紙を手に取り、ベンチマークのリストをつくろう。縦3列の表を作って欲しい。左側の欄がベンチマークで、真ん中が責任者で、右側が期限を入れるのだ。

さて、仕事や計画には2つの形がある。ルーティン化したプロジェクトと特別なプロジェクトがある。特別なプロジェクトは2度と行わないかもしれない。ルーティン化したプロジェクトは繰り返し行われる。ビジネスにおいて計画を立てるたびに、将来に再びこれを行うことになるかを自分に問いかけて、もし行いそうなら計画はひな形になるよう、作られるべきである。

繰り返されるものは仕組み化する

そして、繰り返すに連れて、プロセスは定量化され組織化され、ついには物事を行う正しいシステムとして結実するのだ。だから同じ計画を遂行する場合に、過去と同じ方法が利用できるのである。これが仕組み化のひとつの方法である。

誰かが言ったように、計画されたビジネスは計画されていないビジネスよりつねに上手くいくものだ。しかし計画を変更する方法が分かっているビジネスは、計画しても変更できないビジネスよりつねに成功する。

そして、卓越したビジネスは細部にこだわるものだ。計画の細部を検討することは絶対不可欠であり、計画の細部を検討することで物事を始めるのに要する時間が短縮され首尾良く実行されることになるのだ。

全ての計画は紙に書く

期限を設定し、スタッフのコミットメントを取り付ける必要がある。スタッフのコミットメントを取り付けるには、スタッフが計画を理解する必要がある。計画を理解するために、計画が紙にかかれている必要がある。自分の計画を書きとめ、ベンチマークを書きとめ、責任の所在を書きとめ、期限を書きとめる。そのことによって、人々はコミットメントをもって計画を受け入れるのだ。それにより、他の行動計画の全部 を包含した行動計画を得られるのだ。そして開始したときに、全員が誰かがミスをしたことに気づく。

そして、計画を記録する必要がある。仕事の2つの形についてお話しした。計画することについてお話しした。計画とはひな形になるものであり、ビジネスで遂行するすべての仕事はそのひな形に沿って行われるようになる。仕事が計画により遂行されるということは、システムにより遂行されるということだ。遂行のためのプロセスがあるということであり、遂行の手順は行動計画のベンチマークに他ならないのだ。

計画とは決意

計画に沿って物事を行うというのは、決意によって行うということだ。

計画とは決意以上でも以下でもない。電話は決意により応対され、決意により販売がなされ、カスタマーサービスは決意により行われる。決意は計画であり、計画には基準があり、計画にはベンチマークがあり、計画には責任が伴い、計画には時間 つまり期限が関係する。

私たちの能力には限界があり、私たちの視野には限界があり、私たちの理解には限界があり、私たちの知識と経験にも限界がある。私たちは完全ではないのだから計画もまた完全ではない。だから最初の計画に沿って始めたすでにそのとき、計画が完全ではないことが私たちには分かっている。現実に対する限られた理解に基づく決意なのだから、進展するにつれて計画に変更が加えられるものだということを理解しておくことだ。

計画は決意であり、新しいことが発見されれば計画に変更を加える。計画を実行に移すと、何かしらの反応が起こる。「この計画は失敗した」と。「これを知らない。あれを知らない。前提が外れている。数字が間違っている」だからこそ計画が必要なのだ。計画は、私たちが現実と交信する手段だ。私たちが知らない現実と交信する手段だ。 分かっていただけるだろうか?

計画とは考え抜くこと

あなたにこれまでとは全く違う方法で計画について考えて欲しいと思っている。計画とはアイデアを提案し、それに皆を従わせるものではない。計画とは、精一杯努力して考え抜くことだ。あなたの目的達成が確実なものになるために私たちがしなければならないことが何なのか?それについて責任があるのは誰なのか?誰のためにそれは成されるのか?それが基準となることによって生じる影響は何か?それはいつ為されるのか?一つ一つの構成要素は何か?

SWATチームは計画に基づいて活動する。SWATチームの行動のすべての段階は、前もって予測され、実行され、リハーサルされている。トラックから降りることがリハーサルされ、ドアに向かうことがリハーサルされ、ドアに入ることがリハーサルされる、何度も何度も繰り返して行なわれる。

彼らは何をリハーサルしているのか?そう計画である。これが私たちがやるべきことだ。いますぐそれに取り掛かろう。そして、必要があれば変更しよう。

計画がなければ仕事に襲われる

同じように、私たちは四六時中、襲われているのだ。計画がないために襲われる。計画があっても、変更しなければ襲われる。襲われるということは、私たちの計画がうまくいかないということを分かりやすく伝えているだ。

問題は、私たちはそういった事実から学ぶのか、とにかくまたやってみて再び襲われるのかということだ。とにかくやってみることを繰り返し、再び襲われている人はたくさんいる。トンネルの終わりに見える明かりを心に描きながら、ただ十分頑張り続ければ、十分長いこと働けば、ただそれをして、あれをして、これをして、それをやり続ければ、神様が降りて来て、あなたの額に手を触れて、「息子よ、おまえが十分頑張ったのは分かっている、さあ休みなさい」と言うのを待っているのだ。しかし、実際には、その代わりに、誰かが降りて来て、こう言うのだ。「もう一日働いて、働いて、働き続けなさい」と。



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